9月2日。晴れ。
んんっ、とオレは大きく伸びをする。
久し振りに畳みの上に布団を敷いて寝たのが、
まるで夏休みに親戚んちんに泊まりに行ったみたいだった。
昨日も朝からいろんな体力ゲームやクイズに引っ掻き回されて、
今日も今日でいろいろと待ってるんだろうけど、
オレはすこぶる元気で。
健康的に窓を大きく開けて、熱海の海に向かって
「おはっよう♪気持ち良い朝だね~」
なんて、ピース(^_^)v
誰が見てるか分からないから、って怒られるけど
こんな気持ち良い空気を直接感じないのは勿体ないし。
だから、窓全開。
寝巻き、全開。
パシャって。
後ろで携帯のシャッター音がして、振り返ったら、
律儀に旅館の浴衣を着たあいつが、携帯カメラでオレを撮っていた。
してやったり、みたいな笑顔で。
「おっはよ♪」
「おはよう、雄ちゃん。気持ち良いのは分かるけど、風邪引くよ?」
って、また。。。あんたはオレのおかんかいっ!
でもそーゆーお小言も懐かしくてうれしい。
言ったら「でも言うこときいてくれないじゃん」って言われそうだけどσ(^-^;)
(だから言わない)
『部屋は確保したから、すぐに熱海に来い!」』
ってメールしたら、
『ぼく、東京に戻ったばっかりなんだけど・・・(=_=;)』
って返事が来た。
そんなん知ってる。
だって、あいつがブログに書いてたから。
オレらが書きたくても諦めて黙っていたのに、
あいつはあっさりと、それこそ書く必要もない文面に
お前も一緒だったって、分かりやすく書いてた。
何がヤラれたって、誰でも読めばお前だって分かるように書いてるのに、
はっきり個人名で書いてないから、いくらでも言い訳の余地がある書き方だってこと。
ずりーって思いながら、あいつの照れ隠しみたいな優しさが嬉しかった。
「今日もいろいろ?」
「うん、いろいろ。だけど絶対に誰かお前を誘いに来っぞ」
オレはやたらと企画に付き合わされるけど、その裏で手が空く人もいるので、
その隙を狙って遊びに来る奴もいるだろう。
極秘同行だから、こいつ連れて大っぴらに外には行けないけどさ。
みんな、こいつが居ない違和感をどっかに感じてたから、
少しでも顔見て、声聞いて、そんでこいつのコト、充電しておきたいと思うんだ。
「やべ、遅れる!」
慌てて用意するオレの横で、
オレの散らかしたところを順々に整えていく。
変わってないな~って、嬉しくなる。
「いってらっしゃい。無茶しないでね」
「それ、紳助さんに言って(ToT)」
オレは、また後でねって手を振って、お前も笑いながら手を振って、
でも絶対に、いつか一緒に手を繋いで出て行こうって。
おんなじところに向かって、一緒に走って行こうって。
泣かない。
泣いたって何も変わらないから。
それはあのとき、充分分かった。
だからオレは笑う。
笑って、お前の力になる。
それだけ。
今日も元気に行きます。