お久しぶりです。巌です。
久々にブログ更新します。
今日は最近の研究テーマについて簡単に紹介しようと思います。
僕の研究テーマは
「ショウジョウバエ自然免疫を制御する遺伝子の機能解析」です。
はい、「戻る」ボタンをクリックしない!これからですよ。
簡単に言うと細菌やウイルスといった病原体から体を守る仕組み、のことです。
免疫は獲得免疫と自然免疫の二種類の免疫によって成り立っています。一つづつ説明しますと、
獲得免疫はその名の如く、生まれた時には備わっていない後天的に獲得していく免疫で、一度侵入してきた病原体特異的な抗体を作製し、再び感染した際素早く対応、排除する仕組みのことです。
つまり初めてウイルスに感染した時には病気になってしまいますが、二度目は罹りにくくなります。
この獲得免疫を利用したものが予防接種です。
こちらはやや、高等な免疫でして獲得免疫を保有しているのは脊椎動物くらいです。
また、一般的に「免疫」というと獲得免疫のことを指すことが多かったのですが、、、、
自然免疫は獲得免疫と違い、昆虫や植物を含む全ての多細胞生物が有する免疫機構です。
獲得免疫に比べ攻撃力は劣るものの、侵入してきた病原体に対して素早く対応、
その排除に働き、感染防御の最前線で働く免疫系です。
また、前述した獲得免疫を活性化する上でも重要であり、生体防御機構の基盤を成す普遍的なものであるということから重要視されている研究テーマでして、2011年度のノーベル医学賞はいずれも自然免疫に関する発見でありました。
しかし、未だに自然免疫の仕組み、詳細な分子メカニズムについては不明な点が多いです。
どうやって自己、非自己を見分けるのか、非自己の侵入をどうやって細胞に伝え、またどのように受け取っているのか、受け取った情報をどうやって獲得免疫を担う細胞(T細胞やB細胞)へ伝えるのか、またこれらの機構を担う分子は何か、など解明していかなければならないことは沢山あります。
さて、自然免疫の研究のために僕はショウジョウバエを飼育しているのですが、何故ショウジョウバエを用いるのかと言うと、
・世代が短い(卵から親まで10日くらい)
・かわいい
・飼いやすい
・染色体が4本しかないため、遺伝子の研究をしやすい
・かわいい
・かわいい
............などなど沢山ありますが、一番の理由はショウジョウバエの自然免疫を構成する因子及びその制御機構が人間と似ている、ということです。
例えば、ショウジョウバエの自然免疫の一つにToll経路があります。
Toll経路は体液中に侵入してきたグラム陽性菌や真菌を認識し、Toll、dMyd88(ディマイエイディエイト)、Dif/Dosalなどの分子を活性化、最終的にDrosomycinやattacinなどの抗菌ペプチドを発現させて菌を破壊、排除する免疫です。
Tollというのは細胞膜上にある受容体のことで、
「細胞外からの病原体が侵入してきましたよ。」という情報がTollを介して細胞内へと伝わります。
このTollの発見を契機に人間を含めた哺乳類に存在するある分子が発見され、機能がTollと似ていたためToll-like receptor(TLR)と名付けられました。
またこの発見を契機にToll経路と似た制御機構を持つTLR経路の構成因子も次々と同定されていきました。
このようにショウジョウバエでの自然免疫の分子メカニズムを解明することは人間の免疫を解明することに繋がることが期待できるのです。
素晴らしいですね、ショウジョウバエ!!
長くなるんで次回で。
(えぇ)
以上、研究テーマの紹介でした。
#######################################
ところで、人間の中にあるTLRはToll-like receptor、直訳するとTollのような受容体という名前ですが、この命名法に対して疑問や納得いかない思いを抱えませんでしたか?
もし、そういう思いを抱いたのならその人は
僕と同類です!
(この理由も次回で)
はい、「閉じる」ボタンを押さない。
最後にここをクリック、お願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村
久々にブログ更新します。
今日は最近の研究テーマについて簡単に紹介しようと思います。
僕の研究テーマは
「ショウジョウバエ自然免疫を制御する遺伝子の機能解析」です。
はい、「戻る」ボタンをクリックしない!これからですよ。
免疫とは?
簡単に言うと細菌やウイルスといった病原体から体を守る仕組み、のことです。
免疫は獲得免疫と自然免疫の二種類の免疫によって成り立っています。一つづつ説明しますと、
獲得免疫はその名の如く、生まれた時には備わっていない後天的に獲得していく免疫で、一度侵入してきた病原体特異的な抗体を作製し、再び感染した際素早く対応、排除する仕組みのことです。
つまり初めてウイルスに感染した時には病気になってしまいますが、二度目は罹りにくくなります。
この獲得免疫を利用したものが予防接種です。
こちらはやや、高等な免疫でして獲得免疫を保有しているのは脊椎動物くらいです。
また、一般的に「免疫」というと獲得免疫のことを指すことが多かったのですが、、、、
最近注目されている自然免疫の研究
自然免疫は獲得免疫と違い、昆虫や植物を含む全ての多細胞生物が有する免疫機構です。
獲得免疫に比べ攻撃力は劣るものの、侵入してきた病原体に対して素早く対応、
その排除に働き、感染防御の最前線で働く免疫系です。
また、前述した獲得免疫を活性化する上でも重要であり、生体防御機構の基盤を成す普遍的なものであるということから重要視されている研究テーマでして、2011年度のノーベル医学賞はいずれも自然免疫に関する発見でありました。
しかし、未だに自然免疫の仕組み、詳細な分子メカニズムについては不明な点が多いです。
どうやって自己、非自己を見分けるのか、非自己の侵入をどうやって細胞に伝え、またどのように受け取っているのか、受け取った情報をどうやって獲得免疫を担う細胞(T細胞やB細胞)へ伝えるのか、またこれらの機構を担う分子は何か、など解明していかなければならないことは沢山あります。
ショウジョウバエを用いる理由
さて、自然免疫の研究のために僕はショウジョウバエを飼育しているのですが、何故ショウジョウバエを用いるのかと言うと、
・世代が短い(卵から親まで10日くらい)
・かわいい
・飼いやすい
・染色体が4本しかないため、遺伝子の研究をしやすい
・かわいい
・かわいい
............などなど沢山ありますが、一番の理由はショウジョウバエの自然免疫を構成する因子及びその制御機構が人間と似ている、ということです。
例えば、ショウジョウバエの自然免疫の一つにToll経路があります。
Toll経路は体液中に侵入してきたグラム陽性菌や真菌を認識し、Toll、dMyd88(ディマイエイディエイト)、Dif/Dosalなどの分子を活性化、最終的にDrosomycinやattacinなどの抗菌ペプチドを発現させて菌を破壊、排除する免疫です。
Tollというのは細胞膜上にある受容体のことで、
「細胞外からの病原体が侵入してきましたよ。」という情報がTollを介して細胞内へと伝わります。
このTollの発見を契機に人間を含めた哺乳類に存在するある分子が発見され、機能がTollと似ていたためToll-like receptor(TLR)と名付けられました。
またこの発見を契機にToll経路と似た制御機構を持つTLR経路の構成因子も次々と同定されていきました。
このようにショウジョウバエでの自然免疫の分子メカニズムを解明することは人間の免疫を解明することに繋がることが期待できるのです。
素晴らしいですね、ショウジョウバエ!!
それでは遺伝子とは?
長くなるんで次回で。
(えぇ)
以上、研究テーマの紹介でした。
#######################################
ところで、人間の中にあるTLRはToll-like receptor、直訳するとTollのような受容体という名前ですが、この命名法に対して疑問や納得いかない思いを抱えませんでしたか?
もし、そういう思いを抱いたのならその人は
僕と同類です!
(この理由も次回で)
はい、「閉じる」ボタンを押さない。
最後にここをクリック、お願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村