以前にも、このブログでも書きましたが、
不二家の不祥事、賞味期限の改ざん事件と、
勤勉な日本人のイメージを、
覆す事件が続く中、
日本人としての誇りを持てる,
チョット良いお話を・・。

今を去ること1987年の11月に、
オーストラリアの地で、
世界で初めてのソーラーカーによる,
自動車レースが行われました。

ダーウィンからアデレードまでの、
3200キロメートル。

日本列島が、スッポリ入る、
壮大な距離を巡って、米国、ドイツ、スイス、
オーストラリア、日本など、
世界各国から集まった23台によって
激しいレースが繰り広げられました。

レースの結果は、米国ゼネラル・モーターズの
「サンレーサー号」が、
平均速度66キロという、
驚異のスピードでダントツの優勝。

(所要時間は5日と4時間)
大会規定では、1位の車が到着した後、
5日間以内にゴールした車が完走と認められます。

ところが、参加した23台中、
結局、完走できたのは6台だけ。

日本から参加した4台は惨敗。

太陽エネルギーだけを利用した、
レースの過酷さを物語っていました。

すでに表彰式は終了し、
大会本部も、とっくに解散してました。

大会関係者や、市民も、
もうレースの事を忘れかけていた頃、
驚くべき事に、
1ヶ月近くも遅れて完走した車両が、
アデレードに到着しました。

その車は、神奈川県にある
「半導体エネルギー研究所」という会社の
「サザンクロス」という車。

スタートから、常にアクシデントとの闘いで、
1位の車両がゴールした時点で、
まだ500キロの距離も走っていませんでした。

大会終了の知らせを受けても、
それでも諦めず頑張って、
1日わずかな距離を、走れるだけ走り続けました。

ビザも切れ、有給休暇も使い果たし
心細い野宿の毎日。

それでも、五人のスタッフの、
気力を支えていたのは
「ここまで来たんだから、最後まで走ろう!」
と言う共通の気持ちで頑張り抜きました。

時間はトータルで、31日と12時間。
1位とは、26日の差で到着。

もちろん最下位。

アデレード市民は「なんで今ごろ」と、
びっくりしましたが、
日本人のネバリ強さと、「負けじ魂」に、
賞賛の声を上げ、彼らを歓迎しました。

臨時の表彰式を設け、シャンパンが抜かれ、
オーストラリア政府からの、
記念品の贈呈も行われました。

ビリでも一等賞!。

とにかく最後まで諦めない、
彼らのねばりに、あちこちから拍手が起きた。

期限切れのビザも、
特別の計らいで、延長されました。

日本人の物造りにかける精神。

良いモノを世に出そうとする、努力とねばり。

それらを世界に知らしめた!。

彼らの「負けじ魂」に乾杯!。