Avira日本語版から見るヒューリスティックのトレンド | ネット犯罪者なんていらない

Avira日本語版から見るヒューリスティックのトレンド

フリーのアンチウイルスでドイツで有名な「Avira」が日本語版をリリースした。
いくつかのメディアが、発表会について報じていたのでチェックしてみました。

最も気になったのは、
未知のウイルスに対する検出率。
発表されたグラフなのだが、、、
ちょっとビックリした....
なんせ、このデータ「2007年5月」のものだからなのだ。
元データがAV Comparativeにあったので、見てみると、完全に一致。

ネット犯罪者なんていらない-AVcomp

発表のパワポの写真が小さくてよく見えないが、ちゃんと「AV Comparatives.org」と書いてある様子。

でも、なにも2年も前のデータを使わなくても....
Aviraの未知のウイルスの検出率は、今だって、ちゃんと高いのだから。

では、せっかくなので、AV Comparativesが、
行ってきた、今までの未知のウイルスに対する検出率のテストを
彼らの発表より、さらに2年前の
2005年5月から最新のものまでもグラフにしてみました。


$ネット犯罪者なんていらない

「なぜ、2005年5月から?」というのは、
未知のウイルス検出≒ヒューリスティックというぐらい、ヒューリスティックの名前を
有名にしたカカクコムの事件があったのが2005年5月だからだ。
このとき、一躍有名になったのがNOD。
当時の発表記事

グラフの通り、2005年5月では、NOD(ESET)が、ヒューリスティックにおいて
ダントツであったことが分かる。

また2007年5月のテストでAviraが他との差を大きく離していることが分かる。
今回の発表では、この大きく離しているインパクトを出したかったのだろう。
また最新のデータで最高検出率を出しているものの、
同テストにおいて最優秀を受賞できていないことも伏せたかったのかも知れません。
(注:2009年11月のテストにおいて、唯一16個以上の誤検出をマークしてしまい
 残念ながら、Advanced+を逃してしまった)

もうひとつ2008年秋に発売された「2009年版」から、
多くの製品が改善され、今や、
このテストで「50%」越えの検出率が多くなっています。

よりよい性能を磨いていく上で、
できる限りフェアなデータで
ベンダー同士競合していくことこそが、
使う側のメリットとなると信じています。