現代社会における「疲労」は今とても注目されています。

 

前回のその1では、疲労の原因についての最新の情報を書きましたが、疲労の原因は“活性酸素”なのです。今回は疲労の対処法についてのお話です。

 

 

私自身について言うと、疲れたと感じた際にはマッサージ(リラクゼーション)を受けます。ただ、確かに、マッサージ中や直後は疲労がおさまった感じがするのですが、すぐに疲れた感じが戻ってしまうことも少なくありません。

 

15~64歳までを対象とした最新の調査(週刊ダイヤモンド2016/11/12号より)では、疲労回復法として一番実施率が高かったのは1位に入浴の56%、その他、上位に挙がっているのは、珈琲、入浴剤、日本茶、お酒、体操、栄養ドリンクなどでした。

 

しかし、効果があったと答えた人の割合は、入浴の37.5%、コーヒーは12.8%、入浴剤は20.4%であり、それほど満足度は高くありませんでした。

 

逆に、効果があると回答した割合が一番高かったのは「アニマルセラピー」でした。これはポピュラーな疲労回復法とは言えません(実施率 7.4%)が、そのうち57.1%が効果を実感したそうです。次に、高い割合だったのが、「笑い」であり、効果を実感した割合も55.3%と高かったそうです。

 

ちなみに、精神的なストレスに効果があるとされる音楽(以前本ブログで“ストレスと音楽”について3回触れました)、この調査では疲労が回復するとの回答があったのは約35%にとどまっていました(私は音楽により疲労が回復することを強く実感できますが...)

 

コーヒーやエナジードリンクや栄養ドリンクには、カフェインが含まれています。カフェインの覚醒作用によって疲労感は一時的にかき消されますが、カフェイン自体には疲労の原因物質を除去する作用はありません。さらにリバウンド現象も指摘されており、効果が切れた時には、むしろ眠気や疲労感が強まる傾向があることが指摘されています。

 
いい疲労回復法と、逆にかえって疲れてしまう疲労回復法は以下の通りです。
(○:推奨できる、△:一長一短あり、×:推奨できない)
 
① 深夜残業はカフェイン飲料で眠気解消 【×】 → かえって疲労が増す
② 疲れた日には焼肉でパワーチャージ 【×】 → 胃腸に負担がかかってしまう
③ 疲労回復にはアミノ酸飲料 【△】 → 長時間の労働や運動には逆効果 
④ 疲れた時にはすっぱいものが食べたくなる 【○】 
⑤ 仕事帰りは毎日ジムでストレス発散 【△】 → 軽い運動にとどめるならOK
⑥ 熱いお湯で汗を流してリフレッシュ 【×】 → 自律神経中に疲労物質の活性酸素が蓄積
⑦ 近くの公園で森林浴 【○】
⑧ 休みの日は趣味三昧 【△】 → 好きなことが脳の疲労感をかき消してしまう
 
以上の様に、良いと思ってやっていても、単に疲れを隠しているだけで、本当の疲れが解消できない場合があるので注意が必要です。

 

これらより、人気のある疲労回復法が必ずしも疲労感を改善するわけではないことが分かります。ペットを飼ったり、TVのお笑い番組を見たり、好きな音楽を聴いたり、自分に最もあった疲労回復法を見つけ出すことが大事であると思います。

 

一方、睡眠と食事は生きる上での基本です。やはり、疲労回復にとっても基本となるのは「睡眠」と「食事」であるといわれています。次回は、そのことについて解説します。

 

 

by のりはる