ケンケンパ | パパ・パパゲーノ

ケンケンパ

 サンパオロ大聖堂には、観光客もほとんどいませんでした。雨の日だったせいもあるでしょうが。聖堂の回廊の大理石の床は白と黒のモザイクでした。聖堂の中もそうだったような気がします。


 一緒に行った4歳のお嬢さんが、その白黒を(市松模様というのではなかった)飛び始めました。「ケンケンパ」というやつ。昔、丸を地面に一つ二つ、一つ二つと描いて、片足・両足で飛び進む遊び。子どもはなんでも遊び道具にしてしまいますが、ローマの4大バジリカの一つで、「ケンケンパ」ができる子どもは、そう多くはいませんね。うらやましいと思いました。


 その聖堂の外側には、だだっ広い公園のようなものがありました。なんだか無意味に広い、ブランコくらいしか遊具のない公園。この広場でも、お嬢さんたちは駆けまわっていましたね。


 小学校1年生のお姉ちゃんは、もう、ひとりでブランコがこげるので、ぶるんぶるんやっていました。イタリアの小学校では体育という科目がないんですって。あったらクラスの人気者になるくらい、運動神経がある子ですから惜しい。


 ローマの中心地の広場(ピアッツァ、英語ではスクエア:たくさんあります)にある大きな時計が、みんなと言っていいほど時刻が合っていないのも愛嬌でした。そういうところで、ケンケンパをしながら育つ子どもは、おおらかになるんじゃないかと思ったことでした。


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