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2016-09-11 11:23:53

「ウ・ボイ」の旅  

テーマ:旅ゆけば

【半年ほど前に、友人たちと作る旅行記集に寄稿したものです。写真の処理がわからなくて、縦横の調整ができないまま、お目にかけます。】

 
1.ミロゴイ墓地  

  クロアチアの首都ザグレブの北郊外に「ヨーロッパで一番美しい墓地」として 知られる「ミロゴイ墓地」があります。2015年の6月、そこを訪れました。 旧市街のランドマークのひとつ「聖母被昇天大聖堂」のすぐそばのバス停から、 106番のバスに乗って約15分くらい。日本のガイドブックの写真が素敵だっ たので足を伸ばしてみたわけです。  正門をはさんで左右に、かなり高い翼廊があって、右側の内部がアーチ型にな っています。  

 写真①が正門、②が翼廊のアーチ、③が墓地の風景です。翼廊と平行におそら く1万以上の墓石があると思われます。高い樹木がたくさん植えられた、広い広 い墓地でした。

 

       

  ①ミロゴイ墓地正門              

 

②翼廊アーチ   

 

③木立の中のお墓

 

  正門の傍らに案内板があって、墓地区画の番号が表示してあります。案内板の 右端に、この墓地に埋葬されたクロアチアの有名人たちと思しい50人ほどの名前と区画番号が示してありました。順番に見ていっても、知っているクロアチア 人はアリダ・ヴァッリくらいなので、どの名前にも覚えがありません。ところが なんと、最後のほうに、IVAN  ZAJC(イヴァン・ザイツ)という名前があるで はないか。

   クロアチアに行ってみたいと、しばらく前から考えていました。2006年に 亡くなった、イタリアの女優アリダ・ヴァッリが好きで、この女優の生まれ故郷 がクロアチアだということは知っていましたから、そこへ行けば、似た人を見つ けられるのではあるまいか、と、ジイサンの好奇心丸出しの不純な動機からです。 『第三の男』(英語)、『かくも長き不在』(フランス語)、『夏の嵐』(イタリア語) など、たくさんの名作に出た人です。残念ながら、ザグレブでもドゥブロヴニク でも、アリダさんに似た人には会わなかったけれど。

  イヴァン・ザイツは、1832年生まれのクロアチアの作曲家。ミラノのコン セルヴァトワールで勉強したのち、母国の首都ザグレブに戻って、その後40年 にわたって、音楽界に君臨した人だそうです。1914年に82歳で亡くなった。 一族はスロヴァキアからの移民で、父親はチェコ系、母親はドイツ系だという。 バルカン半島は、どこの国にも、こういう複雑な民族系統を持つ家族が多いよう です。  ザイツが45歳のとき、彼の代表作となる歌劇『ニコラ・シュビチ・ズリンス キー』を作曲しました。クロアチアの救国の英雄ズリンスキーを主題にした作品 です。これの終曲で「ウ・ボイ」という勇壮な男声合唱曲が歌われます。「ウ・ボ イ」そのものは、歌劇の10年前、愛国歌として作曲されたもので、いわば転用 のかたちで取り込まれました。

  「ウ」は「~へ」、「ボイ」は「戦い」ですから、「戦いへ」という意味になりま す。「突撃!」という訳語がふさわしい、と言う人もいます。歌詞全体が、兵士を 鼓舞するための激しい言葉に満ちています。最後は「敵に向かえ! 彼らに必ず 死を報いよう!」とフォルティッシモで歌われる。 

  クロアチアはサッカーの強い国として有名ですが、応援歌としてこの歌を歌う と、サポーターが殺気立つので、しばらくは禁止されていたそうです。ドゥブロ ヴニクで泊ったホテルのペリツァさんが教えてくれました。  

 

2.ザグレブ市内

  2015年8月29日にめぐろパーシモンホールで、アカデミカコール【私の所属する合唱団】の演奏 会が行われました。全4ステージの第3ステージが、5曲から成る「愛唱曲集」 というものでした。その終曲が「ウ・ボイ」です。指揮者はKKさん。3月 頃だったか、練習中に「今度6月初めにクロアチアを旅行する」とKKさんに言 ったら、「『ウ・ボイ』の歌詞をだれかに読んでもらって録音してきてください」 と要請されました。

  「よしきた」と請け合って、まず、クロアチア語の歌詞をネットで見つけてプ リント。アカデミカコールのホームページ、関西学院グリークラブのホームペー ジ、ウィキペディア(日本語、英語、クロアチア語)などです。ただ、綴りが少 しずつ違うので、結局は、自分でワードで打ち直したものを用意して持っていき ました。  ここになぜ関西学院が出てくるかというと、「ウ・ボイ」が日本の男声合唱団で 歌われるようになったのは、関学グリーが最初だからです。今でも、このグリー クラブの演奏会のアンコール曲は「ウ・ボイ」だと聞いたことがあります。どの ようにして日本で歌われるに至ったかについては、心に沁みる物語がありますが、 ここでは省略します。

  ザグレブには6月3日に到着しました。ヨーロッパの都市にはよくある、トラ ムで市内を移動します。車道・歩道と同じ路面を走るこのトラムのスピードがお そろしく速い。怖いくらいでした。

  6月4日にミロゴイ墓地に行きました。墓地区画の案内板にイヴァン・ザイツ の名前を見つけたとさっき書きましたが、親族のお墓参りに来たらしい家族が同 じ案内板を覗いていましたから、「ウ・ボイ」のプリントを見せながら、   

 

♪ウボイ  ウボイ  マッチェズ  トカ  ブラッチョ  ネク  ドゥシュマン  ズナ  カコ  ムレモ  ミ♪   

 

と口ずさんでみました。40代くらいに見える兄弟が「知ってる知ってる」とい う表情をして、なんと「パーフェクト」と英語で言ってくれたのです(エヘン)。  

 このご兄弟が、「ザイツのお墓はここ」と区画を教えてくれたあたりを探したも のの、なかなか見つけられません。半ばあきらめて出口に戻りながら、翼廊の壁 に貼り付けた墓碑を順に見ていったら、さっき通り過ぎた場所にあったのでした。 写真④がザイツの墓碑(同姓の名前がいくつか彫ってあったから、おそらくはザ イツ家のそれ)で、⑤はその前に立つヤマトからの客。

   ついでにザグレブ旧市街の二つのランドマークのうち、⑥が「聖マルコ教会」、【「聖母被昇天大聖堂」は写真の取り込みに失敗:9月11日】。  

 

           
④ザイツの墓碑     

 

⑤ザイツの墓碑の前で  
             

⑥聖マルコ教会  

 

3.「ウ・ボイ」の朗読を録音

  私のICレコーダーは、オリンパスの Voice-Trek V-85 というもので、内蔵 マイクの性能がすぐれているので重宝しています。「ウ・ボイ」録音という使命が あるので、ホテルでの充電も抜かりはなかったのです。さて、どなたに朗読をお 願いしたものか、まっさきに頭に浮かんだのは、ホテル「クロアチア」のフロン トでわれわれを迎えてくれた、イヴァンナさんという美人です。ちょうど、午前 の担当だったのかフロントに座っていて、お客も来ない時間のようだったので、 おそるおそる「これ読んでいただけませんか」と英語でお願いしてみました。「こ の歌詞なら男の人に読んでもらったほうがいいのでは」とおっしゃるのを、「い や、あなたに読んでもらいたいのです」と一押ししたら、「やってみましょう」と 言ってくれました。読み終えたイヴァンナさんは、“I like it!”(おもしろい!) とひとこと。

  お礼を言って、部屋に帰り、再生ボタンを押したらなんたることか、「録音され ていなかったのですよ、奥さん!」(と言いたくなる)

  目の前の美人に目を奪われて(これは本当、すこぶるつきの美しさでした)操 作を間違えたらしいのです。ふたたびフロントへ行って、拝み倒すような気持ち でもう一度読んでもらいました。結果を言えば、これも録音されていませんでし た。イヤホン・ジャックをマイク・ジャックに差し込んで「録音」ボタンを押し ていたのでした。いい歳をしてこんな粗忽をしでかすとは、と、恥ずかしさのあ まり「舌噛んで死んじゃいたい」と思いましたね。ウソです。

  別の人を探さなきゃなりません。その日は飛行機に乗るためにザグレブ空港へ 行くことになっていました。行く先のドゥブロヴニクもクロアチア語だから、ま あどなたか見つけられるだろう、と、楽観してはいました。

  空港での待ち時間が2時間ほどありましたから、乗客を誘導する係のお兄さん にお願いしてみることにしました。ペタル・ミロシェヴィッチという名前のその 男性は、プリントを見るなり、♪ウボイ ウボイ♪と歌いだすではありませんか。 「そうじゃない、朗読してください」と申し上げて、今度はちゃんと録音ができ ました。発着便の案内アナウンスが入ったりする、へんちくりんな録音です。ペ タルさんは、くしくも合唱団の団員で、「今度の日曜日に演奏会があるんだ」とお っしゃっていました。道理で、いい声で歌いだしたわけだと思ったことでした。

 調子に乗って、もうひとり、ベンチで警察官といっしょにタバコを吸っていた、 空港職員のユニフォーム姿のおばさんにもお願いしました。スニェジャーナとい うお名前でした。

  さらに、ドゥブロヴニクで泊ったホテル「ザグレブ」(ザグレブのホテルが「ク ロアチア」で、ドゥブロヴニクがこの名前)の、食堂のシェフ(だと思う)ペリ ツァさん(男性)にも読んでもらいました。

  録音した3本の音源を、ドロップボックスというサイトに格納し、日本のKK さんに「お好きなものをお使いください」とメールを出しました。すかさずKNさん(アカデミカコールの音源などを編集してくださるコンピュータのスペシャリ スト)から連絡があって、ダウンロードできたということでした。おまけに、元 N響の首席トランペッター北村源三という方のハンガリアンメロディーの音源 をプレゼントしてくれました。《燦々と降り注ぐ陽光のもとで聞く短調のメロデ ィーが心地よいです》とお返事を出しました。便利な時代になったものですねえ。

 「これにてミッションは終わり」、ということになりました。  このあと、ドゥブロヴニクからヘルシンキに飛んでそこに一泊し、列車でサン クトペテルブルクへ行き、三泊して同じ線路を通ってヘルシンキに戻り、フィン エアに乗って成田に帰ってきました。 

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2015-12-31 15:26:49

今年の収穫(映画・本)

テーマ:ブログ

今年もあと数時間で終わり。ことし心に残った作品をメモとして残します。いずれも、おすすめです。


【映画】『黄金のアデーレ 名画の帰還』:クリムトが描いた『アデーレ・ブロッホ=バウアー夫人の肖像Ⅰ』という絵を、オーストリア政府から取り戻すという、実話に基づく作品。ロスアンジェルス在住の亡命ユダヤ人マリア・アルトマン夫人をヘレン・ミレンが演じる。


【新刊書】
①『渡部昇一 青春の読書』(ワック出版、四六版 614 ページ、3700 円)
②中野翠『いちまき ある家老の娘の物語』(新潮社、四六版 174 ページ、1400 円)
③永栄潔『ブンヤ暮らし三十六年 回想の朝日新聞』(草思社、四六版 334 ページ、1800 円)
④伊藤隆『歴史と私 史料と歩んだ歴史家の回想』(中公新書、294 ページ、950 円)
⑤ピエール・ルメートル『悲しみのイレーヌ』(橘明美訳、文春文庫、472 ページ、860 円)


【復刊書】
⑥徳岡孝夫『五衰の人 三島由紀夫私記』(文春学藝ライブラリー、文庫版 328 ページ、1220 円)


①は、渡部先生の25歳までの人生を、お読みになった本の記憶とともに綴ったもの。博覧強記というのはこういう人のことを指す。
②「いちまき」は、血のつながった一族の意。歴史上の意外な人物とつながりがあることを発見していく、そのたびごとの驚きの感情の吐露が素直ですがすがしい。
③朝日新聞の名記者で鳴らした人の回想禄。硬骨漢の面目躍如。
④オーラル・ヒストリーという歴史記述の方法に一時代を画した碩学の、これも回想録。
⑤ベストセラー作家の出世作。文学から文学が生まれる、とよく言われるけれど、その見本のような作品。陰惨な犯罪小説なのに後味はさっぱりしている。前作『その女アレックス』も同じ訳者の訳だったが、「間然するところがない」と評すべき名訳だと思う。
⑥自決前に「檄文」を託された元毎日新聞の記者が、この作家との付き合いを淡々と語る。「面白い人」三島の像がきっちり描写されている。

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2014-12-24 17:09:48

今年の収穫(本)

テーマ:書籍の周囲

今年は、仕事も忙しかったけれど面白い本もたくさん読みました。例によって判型別に紹介しますが、どなたかが読んで見ようとお思いになったとき、本を探す参考までにその大きさを示す以外の目的はありません。


【四六判】

・川上未映子『きみは赤ちゃん』(文藝春秋、1300円):35歳の初産の記録。妊娠初期からウェブで実況中継したものに手を入れてまとめたもののようです。作家の文章というものか、臨場感が圧倒的です。同業のご主人阿部和重(文中では「あべちゃん」)さんとの心理的葛藤も臆せず書いてあります。


・養老孟司『身体巡礼[ドイツ・オーストリア・チェコ編]』(新潮社、1500円:ヨーロッパ各地(各国とは言いにくい)の埋葬の仕方を訪ね歩く、養老先生ならではと思わせる旅行記。ハプスブルク家では、死者の心臓だけ銀製の容器に入れて埋葬し、内臓とそれ以外の遺体も二つに分け、つまり三か所に分けて埋葬するのだそうです。チェコのセドレツ納骨堂には4万体の人骨の装飾が施されている。リアルなカラー口絵もついています。


・佐々木健一『論文ゼミナール』(東大出版会、2300円):長年、卒業論文の指導にあたってきた佐々木教授が、満を持して書き上げた、論文作成参考書。原理編・実践編の二部構成。よい先生が心をこめて後生に伝ようとする気迫が心地よい。



・猪瀬直樹『さようならと言ってなかった』(マガジンハウス、1300円):都知事としてオリンピック誘致に東奔西走するさなか、愛妻ゆり子さんの脳腫瘍を告げられ、手術後ほどなく(さようならを言う前に)亡くなるまでのことを書いたもの。小学校教師のゆり子さんに支えられながら、作家として成功し、都知事になった猪瀬さんの自伝としても読める。


・三澤洋史『オペラ座のお仕事』(早川書房、1600円):来日する指揮者・オペラ歌手たちが、その完成度の高さを賞賛する新国立劇場合唱団の指揮者三澤氏が、オペラがどういう人たちによって作られるかを語ったもの。自己主張の強いマエストロたちと渡り合って一歩も引かぬ論戦の場面が面白い。高崎の大工の息子が、世界的な指導者になった理由も、少年の頃からのたくさんのエピソードを読むと納得できます。


・中島義道『東大助手物語』(新潮社、1300円):『ウィーン愛憎』など、数多くの著書をあらわし、長く電気通信大学教授を勤めた哲学者が、およそ30年前、東大の助手に採用されて、辛酸をきわめる「いじめ」に会ったというおハナシ。仮名・実名が入り混じって、関係者以外には想像がつかない人間関係が描かれている。



【新書判】
・野間秀樹『韓国語をいかに学ぶか』(平凡社、980円):「日本語話者のために」という副題のついた韓国語入門。組織だっていて、親切で、情熱的で、よい教師の美質を全部備えた著者です。前著『ハングルの誕生』(平凡社、980円)

も読んでしまった。両書とも、懇切な索引が付いているのが好ましい。


・黒井文太郎『イスラム国の正体』(KKベストセラーズ、830円):いきなり出てきた「過激な」政治団体はどういうものなのか、新聞やテレビではよく分かりません。シリア人と結婚したという著者が、政治的な肩入れを押さえて叙述しているので、そういうことだったのか、という事情が胸に落ちます。


・冨山和彦『なぜローカル経済から日本は甦るのか:GとLの経済成長戦略』(PHP、780円):グローバル(G)とローカル(L)をくっきり分けて成長戦略を立てるべきだという主張。低迷する地方経済をどうするか、冷徹な処方箋が提示されています。アタマのスピードにタイピングのスピードが追いついていないような文体に慣れるまで、我慢して読む必要があります。



【文庫判】

・佐々涼子『エンジェル フライト:国際霊柩送還士』(集英社、560円):2012年に単行本が刊行され開高健ノンフィクション賞を受賞したものの文庫化。海外で死んだ日本人の遺体を成田や羽田で引き取り、エンバーミング(損傷した部位の修復)を施して遺族に送り届ける仕事のルポ。日本で死んだ外国人の遺体送還もする。『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』(早川書房、2014年、四六判、1620円)も、東日本大震災で壊滅状態に陥った日本製紙石巻工場の「彼ら」の獅子奮迅を描いて感銘深いものでした。


・後藤正治『清冽:詩人茨木のり子の肖像』(中央公論、740円):2006年2月17日、79歳で亡くなった詩人の生涯を淡々と叙してある。彼女の人生は決して平坦とばかりは言えなかったようであるが。「清冽の流れに根をひたす わたしは岸辺の一本の芹 わたしの貧しく小さな詩篇も いつか誰かの哀しみを少しは濯(あら)うこともあるだろうか」(「古歌」)



・マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー『笑う警官』(角川、819円):なつかしい「殺人捜査官マルティン・ベック」シリーズのスウェーデン語直訳版。1970年代にシリーズが10巻で出たのをむさぼるように読んだものでした。なかでも『笑う警官』は読みごたえ十分の傑作。とは言え、再読したら、ほとんど覚えているところがなかった。


*佐々涼子『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』の版元は集英社ではなく、早川書房でした。訂正します。














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2013-12-27 15:16:37

今年読んだ本から

テーマ:ブログ

 今年は単行本(四六版やA5版)にあまり手が伸びなかったので、記憶に残る新書と文庫にしぼって紹介します。


①ジェフリー・アーチャー〈クリフトン年代記第1部〉『時のみぞ知る』(上・下、新潮文庫、670円、630円)、〈2部〉『死もまた我等なり』(上・下、新潮文庫、各630円)
②小川洋子・岡ノ谷一夫『言葉の誕生を科学する』(河出文庫、640円)
③吉田秀和『マーラー』(河出文庫、760円)
④スティーヴン・キャラハン『大西洋漂流76日間』(早川NF文庫、860円)
⑤逸身喜一郎『ギリシャ神話は名画でわかる:なぜ神々は好色になったのか』(NHK出版新書、860円)
⑥室谷克実『悪韓論』(新潮新書、720円)
⑦大橋巨泉『366日命の言葉』(ベスト新書、800円)
⑧西原理恵子『スナックさいばら おんなのけものみち』(角川書店、新書版、「七転び八起き編」「バックレ人生大炎上編」「ガチ激闘編」の3冊刊行済、各800円)
⑨夏井睦(まこと)『炭水化物が人類を滅ぼす:糖質制限からみた生命の科学』(光文社新書、880円)



①はアーチャーの新作。英語版はすでに第3部が出ている。来年第4部が出るらしい。イギリス近・現代史をスケール大きく描く年代記。登場人物が男女とも(悪役も含めて)おそろしくアタマのめぐりがよい。
②は、鳥の研究から言語の起源を追及する岡ノ谷教授に小説家がするどく質問する。
③吉田秀和全集からマーラー関連の文章を選んで文庫にしたもの。若い時(と言ってもおそらく50代)の文章の溌溂としていることにびっくりする。
④これは1999年の刊行。救命イカダで76日のサバイバルを果たした人の手記。鉛筆3本を六分儀代わりにして北極星を観測し、自分の位置がどこであるかを決める。頼まれてもやりたくない究極の冒険。
⑤ティツィアーノやコッレッジョ、ルーベンスの描いた女体(だけではないけれど)の物語はギリシャ神話の何に基づいているかを丁寧に語る。
⑥お隣の国がどういう成り立ちであるかを理解するための一冊。
⑦366日、その日が命日の有名人、無名人を取り上げて、言行をスケッチする。芸能人の一筆書きにこの人ならではのセンスを感じる。
⑧アケスケな打ち明け話(読者から募集した文章に西原さんがコメントをつけていくスタイル)に仰天しながらも、この漫画家の生きる姿勢の凛々しさが伝わる。
⑨糖質制限ダイエットの理論的考察。今年読んだ中ではもっとも刺激を受けた1冊。

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2013-07-01 11:47:11

仙台市荒浜

テーマ:ブログ

先週日曜日、仙台駅の案内所で「海岸に行きたい」と言ったら、係りのお姉さんが「400番のバスで終点まで行って、1キロほど歩くと海岸に出ます。被災地ですから何にもありませんよ」とおっしゃった。30分ほどで「南長沼」に到着。遠方に、一列に植わった松の木々が見えるだけで、あとはまっ平らの地面が広がっているだけでした。10メートルの高さの津波が押し寄せ、海から4キロ奥までの住宅地・田畑が水没したということです。


4階建ての建物が残っていました。市立荒浜小学校。ここに避難して助かった人も多いそうです。


いくつかお墓が建っている墓地がありました。墓石もみな流されたのでしょうが、墓地のそばに、拾い集めて積んである集積場がありました。おそらくそこから、ご自分の家の墓石を見つけて建て直したもののようでした。はげしく傷ついた墓石もそのままに建っていました。



           防潮林の残った松が見える。

 パパ・パパゲーノ

           門柱のみが残ったおうち。

パパ・パパゲーノ


          お花が飾られた墓石なしのお墓。

          遠方のビルが荒浜小学校。

パパ・パパゲーノ

          流れてきたよその家の屋根が乗ったままの無人の家。

パパ・パパゲーノ












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