自閉症の人の多くが問題を抱えている「心の理論」についてみなさんご存知ですか
心の理論とは他者の心 の状態、目的・意図・知識・信念・志向・疑念などを推測する心の
機能のことです。子供に「心の理論」を推し量る能力を見るための、「サリーとアンの課題」という
心理テストがあります。上記の絵はこの「サリーとアンの課題図」です。
●サリーとアンの課題
サリーとアンが同じ部屋で遊んでいます。
サリーはビー玉をかごの中に入れて部屋を出ていきます。
サリーがいない間にアンは、ビー玉をかごから出して箱の中に入れます。
しばらくしてサリーが部屋に戻り、ビー玉をさがします。
さて、サリーはどこを探すでしょうか?
1.かご 2.箱
答えは1の「かご」です。サリーがいない時に、アンはビー玉をかごから箱へ移動させたのだから
サリーはアンがかごから箱へ移動させたことを知りません。だからサリーが部屋に戻り、まずビー玉
を探すのは、最初にサリーがビー玉を入れた「かご」をさがします。
この課題は健常児であれば、3、4歳でクリアできるそうですが自閉症児はこの「心の理論」に
問題を抱えているため、かなり高年齢にならないと、クリアできないことが多いそうです。
だからサリーがいない間にアンが最初かごに入っていたビー玉をかごから箱に移したことを
理解できずに、アンが箱に移したから「箱」というように事実だけを答えてしまうことがあります。
このように他者にも気持ちがあることが理解しづらく、「心の理論」に問題を抱えていると、
対人関係やコミュニケーションにおいて少なからず、支障を来たしてしまうわけです。
もちろん自閉症者のすべてが「心の理論」に問題を抱えているというわけではなく、中には
ほとんど問題がない方もいらっしゃいます。興味のある方は「サリーとアンの課題」とインターネット
で検索すれば、すぐ出てくるのでぜひ調べてみてくださいね!
健常者と自閉症者が他者の気持ちを理解する「心の理論」の違いについて、最近気になったので
記事にしてみました。因みに僕の場合、この課題は理屈では分かっていても、いざ瞬時に
「サリーとアンの課題」のような場面(課題)に出くわした場合は、分からなくなることもあります。
「心の理論」を理屈では理解できても、瞬時に理解できるかといえば‥になるかと思います。
他者の気持ちを推測することは、本当に難しいですね(>_<)