「深さを作り出す、卓越した接客者」〜松原靖樹さんがみた大原信子 | 大原信子のワクワク子育てブログ

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NPO法人アニーこども福祉協会理事長の大原信子が「子育て」「親子関係」「夫婦関係」などを綴っていきます。ペット自慢もあります(笑)

ビジネスコンサルタント 松原靖樹さん が、

2007年に紹介してくださった記事です。

サービスサービスの宝箱box

box19.アニーこども福祉協会大原信子理事(カウンセラー)

深さを作り出す、卓越した接客者

卓越した接客者の3人目はNPO法人から取り上げる。これまでにご紹介した接客者も含め、卓越者は大きな サービスからは生まれにくいという特徴がある。大きなサービスからは「素晴らしい接客者」が生まれる。素晴らしい接客者を何人も抱えるサービスが、強くた くましいサービスであり、逆説的に強いサービスを作ろうと思えば素晴らしい接客者を数多く作らなくてはならない。このことは回を改めて書いていきたい。
今回ご紹介する大原信子理事は、起業ではなくNPO法人を軸に活動をしている。その活動の中から生み出される圧倒的な成果を見ていくことにしたい。


大原さん(写真は大原信子理事)
この優しげな写真の人物こそ、一切の宣伝や営業なしに子供・母親を合わせて180名をカウンセリングし続けている大原信子氏その人である。アニーこども福 祉協会という半ボランティア団体の活動は、たとえば児童養護施設の子供をディズニーランドに連れて行くとか、障害を持つ子供のお母さんのメンタルケアを 行ったり、子育てに不安を抱えるお母さんのサポートとカウンセリングを行う。彼女の強みはカウンセリングにおいて発揮される。カウンセリング手法の分析は 後編に譲るとして、活動と人となりを先に見ていこう。
NPOというのは非営利団体などと訳されることが多い。NPOの存在意義は、誰かにボランティアをすることではなく、純粋にサービスを生み出すことが目的 となっているところにある。収益活動を目的としないということは、運営者もボランティア協力者も「何を生み出すか」ということを最も重要視しなくてはなら ず、そのためにこそ働き、誰かに貢献する。逆に言えばそれしかない。だからサービスそのものが最も重視される。
そのサービスはアニーNPOの場合だと「子供(とその両親)のサポート」ということになる。サービスこそが主目的になるというのは、世の中のサービス本に 書かれている「感動」や「ホスピタリティ」を重視するのではない、ということである。成果が重要視される。大原さんのカウンセリングを受けたお母さんは、 そのほぼ全員が確かに感動し、感謝する。しかし当の大原さんは相手を感動させるためにカウンセリングを行わない。「ありがとう」の一言がうれしいとは言う が、「ありがとう」を言ってもらうために活動するのではない。自分の持つスキル、技術、心、思いやりを、サービスを通じて発揮できる機会で存分に発揮する だけである。そのとき彼女は目的に向かう。
たとえば、電話口で「白いご飯を投げる」という子供にどう接していいかわからない母親の相談を受ける。子供が寝静まってから相談を受けるので、そのような 電話は大体夜中である。そして、一通り状況などの話を聞いて、聞いただけで「おかずの塩分を増やしなさい」とアドバイスする。このようなアドバイスは「素 晴らしい接客者」もパターンや類型に当てはめて発言することができるが、大原さんはこれまでの卓越者同様、相手の訴えそのものに耳を貸しているのではな い。その相手特有の生活環境や、そうなるに至ったストーリーや、子供の話であるのに旦那さんとの関係や家族構成、白いご飯はふりかけをかければ食べるかど うか、などの部分に耳を傾けている。彼女は感性の中でも「聴こえるようにわかる」という感受性を使う。
どうして彼女が「素晴らしい者」ではなく「卓越者」であるのかというと、個別化や感性を使うプロセスだけから判断するのではなく、モデルにするカウンセ ラーがいないという理由もある。私が「誰かモデル、尊敬、素晴らしいと思うカウンセラーはいますか?」とインタビューしたとき、彼女はそんなことは考えた こともなかったという顔で、次に少し申し訳なさそうな顔をして「すみません。いません」と言った。にもかかわらず、お客の誰もが大原さんを慕い、大原さん のカウンセリングに感謝をするのは、彼女特有の強みを生かしているからである。


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