先日、旦那の実家に行った時にお父さんが読んで面白かった本をいただいてきた。「85歳、おばあちゃんでも年商5億円」和田京子さんという方の本。面白い!79歳で宅建の専門学校に行き勉強して、宅建を合格して不動産屋を始めてしまったというおばあちゃんのお話。本を相変わらず5冊くらい掛け持ちして読んでるので、なかなか読み進まないんだけど、頭が上がらない。
最近、フラに来ていただいている82歳の建築家の方もそうだし、旦那のお父さんも独学で宅建の資格を取り、今、行政書士の資格を取るために勉強中。うちのお父さんも、あの難しいフォトショップのソフトを最初にちょっと教えてあげただけで、今では私なんか足下にも及ばないほどに使いこなしている。学ぶというのは、いくつになっても始められるし、また人にも刺激が与えられるもんだな〜と思う。
 
話しが戻って、和田さんの本に、「今の学校の先生の教え方の丁寧なことに驚きました。昭和のはじめごろまでは、髪結いや床屋の弟子に入っても、師匠は手元も見せてくれないのが当たり前でした。教えられるのではなく、技術は盗むものと考えられていたのです。だから、現代の先生がこれほどまでに優しく丁寧に教えてくださるとは、ありがたすぎてもったいないくらいです。」と書かれていた。
 
そういえば、私も息子の学校の様子や、習い事ひとつ見ても丁寧だなあ.....と思う。でも、悪く言えば、どうして生徒にそこまで気を使わないとだめなのかな。とも思う。もっと、子ども達にやらせばいいのに。なぜ物を運ぶのに生徒を使わない?自分達でやらせない?親がお金を払っているのに子ども達にやらせるなと文句を言う?なんでだろう?
 
私は、若き頃、ナウマン象の化石復元の仕事をした時、どうしてもやり方が分からなかった。でも、職人のおっちゃんは「見て学べ」と私にコツは教えてくれなかった。何回聞いても、「見て学べ」と。頑固じじい大泣きうさぎ これであってるか?と聞いても間違えていたら「違う」しか言ってくれない。そして、ダメだったらダメでいつまでもやり直しさせられる。でも、何が違うか分からないから出来ない。思い出せば辛かった.....
いっぱいアルバイトの人が居たはずなのに、気づいたらひとりぼっちになっていた。変てこりんな、頑固な職人のおっさんと2人で、私はいじめられているかのような状態でずっとやっていた。汚い倉庫みたいなところで....時には悔しくて泣いた時も.....
それでも、出来ないことが悔しかったから我慢して続けた。心が折れそうになって辞めようかと思ったけど、どうせ辞めるんやったら出来るようになってから、このクソジジイを「できたやろ。ふふん」と偉そうに言って辞めてやると思って、変な意地を張っていた。基本的には、意地っ張りな性格。
 
できない私のことを、「給料泥棒」と命名したくそじじい。
ところがある日、やってる時に、フッと、あれっ????なんか、その職人のおっちゃん言ってることが嘘のように分かった。きっと難しい数式を解くようなそんな感じ?技術というのは、こうやって習得するんやと思った。それから、私はメキメキとできるようになった!もう師匠もくそじじいではなくなり、急に優しくなり、私に喜んで給料を払うようになった。暇にしてた友達をいっぱい誘い込み、ナウマン象プロジェクトをつくり、長い間分からなかったその技術も、私なりにみんなに伝えたら、誰もが苦労せずにホイホイできる。う〜ん、ちょっとしゃくだけど、仕事の効率は非常にいい。私も、自分がされたみたいに、「見て学べ!」とか言ってみたかったけど、時間の無駄。みんなには丁寧に伝え、やってもらった。すると気づけば、リーダーになっていた。いったい、なんやってんやろう。と思う。でも、この経験は本当に素晴らしい経験だった。
 
思い返せば、フラもそうだった。フラも一緒に習っていた人達がよく休み、先生と一対一になった。怖い。とにかく怖かった。まるで日本舞踊のお師匠さんのように。指ひとつまで神経を行き届かせてなかったらやり直し....私は、不器用でダメな方だから、こういう目によく会う.....
こうでもしないと、学べないタイプなんだろう。きっと......
 
更には、編集の仕事もそうだった。デザイナーの人にボロカス、ボロカス、ボロカス言われながら、悔しい思いをいっぱいしながら頑張って学んだ。ほんまに腹立つわ〜。と思いながら、ダメ出しに今は本当に感謝してる。
 
だから、私は、丁寧に教えられるよりも、本人が苦労した方がいいんだろうな。と思ってる。丁寧に教えられることは感謝なことだけど、オリジナリティが生み出せないのかもしれない。そこから発展させたり、困難を乗り越えていく精神を培うことができないのかもしれない。今までを思い出すと、鬼のしごきに会ったり、悔しいと思って頑張ったことの方が後になって残っていると思う。優しい環境では、よっぽどしっかり自分を持った人しか成長することができないんかな〜なんて思う。
 
こうやって、私は折れない心が培われていったんやろうな。雑草精神。
 
最近、子ども達は、すぐに「できへん」とか、「そんなん無理や〜」と言う。正直ムカっとくる。やってから言え、できるようにする頭はないんか。と....気づいたら、鬼コーチの精神が私にも宿ってる。
 
やるならとことんやりたい。今年は、とことんやってみる1年にしよう。どんな小さなことも。と、妙に朝から気合いの入ってる私.....なんでや。笑
 
そんなことより、洗濯物干して、早く溜まってる仕事しよ。サッ
 
 
 
では、God Bless Youカナヘイうさぎ