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排卵誘発の結果、卵胞の成熟が順調に経過すれば採卵となります。

 

現在では採卵は無麻酔もしくは局所麻酔、静脈麻酔化で経膣的に注射針を用いて採卵する方法が一般的となっています。

 

実は、これは革命的な技術の進歩の結果です。

 

世界最初の体外受精児であるルィーズ・ブラウンさんの母親が体外受精を受けた当時は、手術室で全身麻酔下で腹腔鏡を用いて卵巣から卵子を採り出すという、大変大がかりな方法がとられました。

 

また、当時は経膣超音波検査などはできませんでしたから、卵胞の成熟度を画像情報として検討するということもありませんでした。

 

 

世界で最初に体外受精を成功させたエドワーズ博士によると、人間の体の中で、排卵を促すLHサージが起こってから排卵するまでの時間を突き止めるまでに2年間を要したそうです。

 

経膣超音波法で卵胞の大きさを観察しながら、経膣的に注射針で採卵を行えるようになったことが、体外受精が爆発的な広がりを見せた大きな技術革新でした。

 

 

採卵を行う際には、多くの場合hcgという注射をします。

 

排卵はhcgの刺激から36時間前後の後に起こります。

 

このとき一斉に卵胞内の成熟した卵子を採卵するのです。

 

成熟の度合いが微妙に異なる卵子を一斉に採卵するわけですから、これは大変難しいプロセスといえます。

 

成熟しきっていない卵子や、大きさが十分でも中に卵子が存在していない場合もあります。

 

排卵誘発を行っても、すべてのケースで採卵ができるわけではなく、採卵の不成功率は10~20%位あります。

 

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