タイトルにあるように、
心に痛手を負った女性を相談者と目の前にして
女性カウンセラーが語る回答を書いています。
20件の相談はどれも二人のやりとりのうち、
回答者のセリフだけ読むことができます。
相談の内容は回答から想像するしかありません。
☆☆☆ ◆
ダメージ―そこからはじまるもの / 乃南 アサ (新潮文庫) 432円 Amazon / 475円 Kindle版 1999年刊、2002年文庫化 |
20軒の相談はこんな内容です。
もう傷つきたくない/忘れられない/いつか運命的な出会いが・・・・
/あなたについて/これって嫉妬なの/また、やっちゃった/
こんなはずじゃなかった/信じるって/逃げ場がない/
弱い自分を認める/ドラマはもう起こらない/喧嘩はしたくない/
本当の私を分かってくれない/心を許せる人がいない/
生き生きしていたい/いい人ごっこ/きっと大丈夫/
後悔はしたくない/やりたいことを見つける/幸福について
誰もが考えたことがそうなテーマです。
☆☆☆ ◆
乃南アサがエッセイを書くような内容を
人生相談の回答という形式の小説にした感じです。
回答者はシンプルな思考で相談者のひとりよがりを指摘します。
☆☆あななの愛は、目減りしやすよねえ。
つきあいはじめると減点法で彼を観る女性に対するひと言です。
でも突き放すばかりではありません。
☆☆まず、傷ついている自分を認める。(略)
☆☆傷ついて泣いている自分を受け容れること
☆☆☆ ◆
興味味深かったのは、回答者。
相談者に負けないほど、多くの恋を経験し、傷つき、悩んだ
経験があることがわかります。
回答から想像する女性の相談内容に、へえ、そう考えてるんだ、
といまさらながらけっこう意外でした。
私が男性だからか、それとも個性の差かわかりませんが。
むしろ、
あまり直接的には書かれていない、回答者の過去を想像している
うちに彼女への興味がつのってきました。
[end]
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