時々とはいえ短歌の歌集を手にとるようになったのは、
「サラダ記念日」を読んだのがきっかけ。
当時(1987年)の大ベストセラーでした。
歌集がベストセラーになるなんて異常事態です。
しかも200万部を超えるなんて。
☆☆☆ ◆
一躍時の人となった頃の俵万智の対談集です。
- 魔法の杖 / 俵 万智 (河出文庫)
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ここに収まった対談の相手は16人。
川崎徹(コピーライター)、佐佐木幸綱(歌人・師匠)、吉本隆明
(詩人)、岩城宏之(指揮者)、野田秀樹(劇作家)、島田雅彦(作家)、
吉永小百合、浅井慎平(写真家)、山田洋次(映画監督)・・・・。
そうそうたる面々です。(表現者が多いですね)
俵万智本人が、こんな方に会えるなんて、という感じです。
☆☆☆ ◆
俵万智は言葉が大好き、ということが伝わってきます。
短歌がすべて私生活の事実と誤解されることへの戸惑いも。
とはいえ、
俵万智より対談相手の短歌を絡めて出てくる話の方が何枚も上。
さすがです。
川崎徹の、わかって欲しい、という気持ちの
表れ方に関する広告と俵万智の短歌の対比とか、
吉本隆明の、五七五七七と物語性、文学の破壊者の話。
などなど。
☆☆☆ ◆
今は息子さんと石垣島に住んでいる(たぶん)俵万智も、
この対談の頃は、神奈川県立橋本高等学校の若手教師。
幼さと隣り合わせた初々しさが、あちらこちらに顔を出します。
川崎徹、糸井重里、野田秀樹など対談相手の選択にも、
この時代を感じます。
「サラダ記念日」の大人気のとらえ方も対談相手によりさまざま。
事件ともいえるあの売れ行きも、
後に泡と名付けられたあの時代のできごとでした。
[end]
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