時代との対談 ~ 「魔法の杖」 | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

大きな挑戦なんてとてもとても。
夢や志がなくても
そっと挑む暮らしの中の小さな背伸び。
表紙の手ざわりていどの本の紹介も。

相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。



時々とはいえ短歌の歌集を手にとるようになったのは、
「サラダ記念日」を読んだのがきっかけ。
当時(1987年)の大ベストセラーでした。

歌集がベストセラーになるなんて異常事態です。
しかも200万部を超えるなんて。

☆☆☆       


一躍時の人となった頃の俵万智の対談集です。

魔法の杖 / 俵 万智 (河出文庫)
 
¥608 Amazon.co.jp
(1989年刊行、1992年文庫化)

ここに収まった対談の相手は16人。

川崎徹(コピーライター)、佐佐木幸綱(歌人・師匠)、吉本隆明
(詩人)、岩城宏之(指揮者)、野田秀樹(劇作家)、島田雅彦(作家)、
吉永小百合、浅井慎平(写真家)、山田洋次(映画監督)・・・・。

そうそうたる面々です。(表現者が多いですね)

俵万智本人が、こんな方に会えるなんて、という感じです。

☆☆☆       


俵万智は言葉が大好き、ということが伝わってきます。
短歌がすべて私生活の事実と誤解されることへの戸惑いも。

とはいえ、
俵万智より対談相手の短歌を絡めて出てくる話の方が何枚も上。
さすがです。

川崎徹の、わかって欲しい、という気持ちの
表れ方に関する広告と俵万智の短歌の対比とか、

吉本隆明の、五七五七七と物語性、文学の破壊者の話。

などなど。

☆☆☆       


今は息子さんと石垣島に住んでいる(たぶん)俵万智も、
この対談の頃は、神奈川県立橋本高等学校の若手教師。
幼さと隣り合わせた初々しさが、あちらこちらに顔を出します。

川崎徹、糸井重里、野田秀樹など対談相手の選択にも、
この時代を感じます。

「サラダ記念日」の大人気のとらえ方も対談相手によりさまざま。

事件ともいえるあの売れ行きも、
後に泡と名付けられたあの時代のできごとでした。


[end]


*** 読書満腹メーター ***
お気にいりレベル   E■■■□□F
読みごたえレベル  E■■■□□F


ペタしてね
(ペタお返しできません。あしからず。)

*****************************
作家別本の紹介の目次なら
日本人著者はこちら

海外の著者はこちら

*****************************


<----左側の
①「ライブラリーを見る」をクリックし、
②ライブラリの各本の"LINK"をクリックすると
 その本を紹介した記事にとびます。