若い頃、超能力、超常現象、UFOといった理解を超える現象を
紹介するTV番組を見つけると、よく観ていました。
トリック撮影の疑いもある胡散臭さを感じる一方で、
人類が解き明かせない特殊な力が
存在して欲しいとの期待もありました。
ヨーロッパのミステリー・サークルが
実はおじさんたちの悪戯だったなんてニュースもありました。
真偽の定かでない世界は、あれこれ考える余地があっていいですね。
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- ガダラの豚〈1〉/ 中島 らも (集英社文庫)
- ¥525 Amazon.co.jp / ¥432 Kindle 版
怪しげな僧侶、インチキ宗教の教祖、
超能力青年や彼と同じことを再現する手品師など、
一見妙な人たちがこの本の中で我もの顔でふるまいます。
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タイトルの「ガダラの豚」は、マタイ福音書の逸話からとったもの。
主イエスがガリラヤ湖を横断し、ガダラ人の地に着くと、
その地の墓場に、悪霊に憑かれた者が住んでいた。
悪霊はイエスに許可を得て豚の群れにのり移り、湖で溺れ死んだ。
らもさんの筆は、テンポよく彼らを躍らせ、
インチキ臭い連中を悪霊扱いして面白おかしく正体を暴きます。
. ◆
呪術を研究する学者やアフリカの呪術師が登場すると、
そりゃアフリカの閉鎖的な地域ならありそうだと思っていたら、
これがなんだか超常現象や教祖の奇跡と大差なさそうな話です。
らもさん、読者を笑いに誘いながら、なかなか見せてくれます。
. ◆
先ほど紹介したマタイ福音書では、悪霊が豚に乗り移り死んだ後、
それがガダラ人に広まり、イエスはガダラから追い出されています。
この物語の頼りなげな悪霊祓い役には、
まだこの先、受難が待っていそうな気配です。
[end]
*** 読書満腹メーター ***
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(ペタお返しできません。あしからず。)
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