噺家の弔い方 ~ 「寝ずの番」 | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

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久しぶりに小説を読んで笑いました。
人が亡くなった話なのに、不謹慎とお叱りを受けそうです。

でもムリ。
この小説を読んだ後も、人の死を笑うとは不謹慎、
と言うのなら仕方ありませんが。

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寝ずの番 / 中島 らも (角川文庫)
 ¥432 Amazon.co.jp

百年に一人の逸材、落語家橋鶴(76歳)が
大酒がたたっていよいよ危なくなった時、
病院のベッドの周りには、おかみさん、弟子たちが集まり、
師匠の最後の望みを叶えようと望みを訊いてみました。

そこで師匠が口にした望みがとんでもないことでした。
とてもここで文字にする訳にはいきません。

望みを叶えて師匠が往生した後は、
これまた弟子や女将さんがとんでもない弔い方をします。

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第二話では、
その一番弟子橋次が51歳で飲み屋の階段を落ちて亡くなります。
何かと不吉で験の悪い噺家でした。

第三話では、おかみさんの志津子ねえさんが病で急死。
生前のねえさんの意外な事実が明らかになっていきます。

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第一話から第三話まで、橋鶴師匠の一門に所縁のある人の死を
弔う寝ずの番というわけです。

噺家とあれば生前の無茶苦茶な逸話にも事欠きません。
故人を偲ぶのも噺家たちとなれば、
偲び方も悪口やらひどい笑い話やらが満載。
落語のネタのような笑い満載の小説です。

それでもよければ、いやそれがよければ、
ぐだぐだと説明を書くより、
さっさとこの本を読んでいただく方がいいですね。

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「死もネタ」にする噺家稼業だからという訳でもないでしょうが、
「下ネタ」がふんだんに登場します。

おあとがよろしようで。


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