パリ・旅の雑学ノート」と題しておきながら、
この本さえあれば大丈夫、という心強さがありません。
期待どおりです。
この本が刊行されたのは1977年。今から36年前です。
1983年に新潮文庫が文庫化、
さらに中公文庫が刊行後32年経った2009年に文庫化。
書かれている内容は当時のまま。
通貨もフランで表示されています。
それでも、
今のパリを知る手がかりとしてこの本を買い求めました。
◆
- パリ・旅の雑学ノート―カフェ/舗道/メトロ
玉村 豊男 (中公文庫) - ¥760 Amazon.co.jp
世界遺産、美術館、評判のレストランなど、
普通の旅行ガイドにありそうなものが登場しません。
エッフェル塔や凱旋門でさえ出てきません。
ここに書かれているのは、
パリの3つの基本機能の成り立ちや仕組みです。
◆
例えば、
カフェひとつをとっても、カフェ発祥の歴史はもとより、
席(テラスとカウンター)、カウンターの中の造りや配置、
食堂・喫茶店・酒場としての顔、
ビール・紅茶・水の位置づけ、
ゲーム・馬券・タバコ売場など娯楽機能、
トイレ・電話を借りる公衆機能、
メニューの見方の勘所 etc.
歴史ある舗道=石畳なら、昔の日常の習慣、構造、
ちょっとした見どころ、
通りの名前のルールや由来 etc.
メトロを語れば、馬車の時代のことから話が始まります。
◆
今現在のパリを知るには、
最新のガイドブックやネット上の情報を集める
それなりの苦労があります。
今のパリの姿の1枚皮の下を知った上で
パリの街を歩いたら、
目に映るパリの姿が
時間軸もともなった厚みを伴いそうです。
◆
私はパリを訪れたことがありません。
なのに旅してみたいどころか、
しばらく住んでみたい場所です。
訪れる前から遠回りのパリ散歩です。
[end]
*** 読書満腹メーター ***
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(ペタお返しできません。あしからず。)
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