チャンス到来 ~ 「人口18万人の街がなぜ美食世界一になれたのか」 | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

大きな挑戦なんてとてもとても。
夢や志がなくても
そっと挑む暮らしの中の小さな背伸び。
表紙の手ざわりていどの本の紹介も。

相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。



今年の12月には和食が世界無形文化遺産に登録されるそうです。
和食の魅力を世界に知ってもらうことを通じて、
日本の農産物の輸出拡大に結びつけたいとの思惑があるのだとか。

四季の変化と地域性と背中あわせの
材料多彩さ、料理法多様性、目を奪われる盛り付け。
和食には魅力がいっぱいです。

     


フランス国境近く、大西洋に面したスペインの街サン・セバスチャン。
人口18万人のこの街に、旨い食を求めて世界中から観光客が集まるそうです。

人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか―― スペイン サン・セバスチャンの奇跡 / 高城 剛 (祥伝社新書)
¥819
Amazon.co.jp

小さな空港しか持たず、決して足の便がいいとはいえないこの街が、
この10年ほどの間に世界から美食を求めて人が集まる街になった
秘訣を明かしています。

     


観光産業のあり方、スペインの観光政策、バスク地方の歴史、
サン・セバスチャンの飲食業のオープンな姿勢、キー・パーソンの存在、
個々の店の紹介など、多角的複眼視線から秘訣にアプローチしています。

そして最後には日本の都市、観光産業への提言で結ばれています。

     


世界を相手に考える時、つい国単位で捉えがちです。
ところが、こうした観光はもとより、中国などの経済成長をみても、
その起点や中心は都市単位です。

個々の企業や店の魅力の集積地としての都市・市町村です。

     


すでに世界遺産に登録されている料理は、
フランスの美食術、スペインやイタリアなどの地中海料理、
メキシコの伝統料理、トルコのケシケキ(麦がゆ)。

これらを味わいたいと思ったら、どこへ行けばいいのか、よくわかりません。

是非食べてみたいと思う人が、
目的地として特定の都市・市町村を思い浮かべなければ、
とりあえずパリ、マドリッド、ローマ、メキシコ・シティ、アンカラに向かうのでは?

それら料理の世界遺産の登録をきっかけに、
都内にそれらの国の料理店が急増した気配もありません。

     

他国の人が和食と聞いて、じゃあとりあえず、東京か京都を目指すばかりでは、
日本に何度も足を運ぼうとする広がりを期待できません。

あるいは、日本の農水産物の輸出量が目覚しい成長を見せるほど、
世界の各地で和食店が増えたり、家庭に和食が普及するには、
和食の世界遺産登録以外の手立てと合わせ技が必要です。

     

市町村単位で、同時に個々の店単位で、
農水産・飲食・宿泊・交通など産業横断的に
その土地独自の魅力を高める連携プレーと情報発信(売り込み)です。

日本のいたるところにチャンスが眠っているに違いありません。
和食の世界遺産登録は、
私たち日本人が日本の各地の魅力を再確認する機会です。


[end]


*** 読書満腹メーター ***
お気にいりレベル   E■■■□□F
読みごたえレベル  E■■■□□F

ペタしてね
(ペタお返しできません。あしからず。)

*****************************
作家別本の紹介の目次なら
日本人著者はこちら
海外の著者はこちら
*****************************


<----左側の
①「ライブラリーを見る」をクリックし、
②ライブラリの各本の"LINK"をクリックすると
 その本を紹介した記事にとびます。