読む本を選ぶ基準を訊かれることがあります。
たいていの場合、私の答えに質問者はガッカリするようです。
こんかい紹介する本を選んだ理由はこれ。
タイトルが漢字4文字だから。
ありそうで意外と挙げるのが難しいんです。
漢字4文字のタイトルのお気に入り。
あ、みぃつけた、とばかりに手にとりました。
う~ん、みなさんの本の選びの参考になりそうもありませんね。
また、ガッカリさせてしまったようです。
◆
漢方小説/中島 たい子 (集英社文庫)
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川浪みのるは自分の部屋で倒れ、救急車で病院に搬送されます。
「なんだろ。わからない」
病院の初心者マークが付いていそうな医師は頼りない診断(?)です。
他の病院にいっても、彼女の病気ははっきりせず、
どこでも最後に、最近感じたストレスは何? と訊かれるばかり。
31歳独身で脚本家のみのりに思い当たる
ストレスのきっかけは元彼の結婚。
本人はそう思いたくないようですが。
◆
それでは、と東洋医学の病院で病名を訊いて返ってきた答えはこれ。
「ない」
「とういかいらない」
ますます、みのりも、読み手も訳がわからなくなります。
でも、その後につづいて医師は簡単な説明を加えます。
あ、これなら読み手の私もなんかしっくりきます。
◆
病名を見聞きして、どこが悪いとわかったとしても、
そこが悪くなった理由や経緯は様々でしょう。
さらに、ストレスという心の要因がからんでいたとしたら、
その理由や経緯にくわえて事実の受け止め方まで考えれば、
源から病状までの病気の全体像は十人十色、
いやいや一億二千人一億二千色です。
◆
同じタイプの服装をしていても、同じ事実の前での反応は様々。
集団として扱うなら統計的にパターン化することもあります。
そんな場合だって、「日本人って・・・・」と言われれば、
「ちょっとまったぁ~」と言いたくなります。
ましてや特定個人と向き合うのなら、
一億二千人一億二千色に限ります。
なんて、いまさらながら考えながら、この本を読みました。
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