この著者と題名に惹かれ借りてみたら、表紙には高橋由一の名作「鮭」!
今、まさに芸大美術館で高橋由一展の真っ最中。
そのポスターに使われた作品も「鮭」です。
本で旨いものにありつける、と期待が高まります。
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食物漫遊記/種村 季弘 (筑摩書房) [1981年]¥1,365
食物漫遊記/種村 季弘 (ちくま文庫)¥735
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目次をひろうとこんな感じです。
絶対の探究 - 岡山の焼鳥
笑食会ふたたび - 鎌倉のきのこ
幻の料理 - 向島のどぜう
誰だって全国の旨いものにまつわるいい話だと思いますよね。
それが見事に裏切られました。気持ちいいほど見事です。
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うまいものを探しにいっても口に入らなかったり、
よく耳にする料理がそもそも存在していなかったり、
材料がなかなか手にはいらなかったり etc.
旨いものを口にする場面が出てきません。
ところが、私のような読者お目当てをはぐらかす話の多彩なこと。
表紙の「鮭」も、高橋由一の作品ではありませんでした。
本物よりたくさん切り身を取った鮭です。
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旨いもの巡りをはるかに上回る行動力、知識、静かなユーモアは、
本好きの好奇心を満腹にしてくれます。
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*** 読書満腹メーター ***
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読みごたえレベル E■■■■□F
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