もし普段とおりの自分を演じろと言われたら、
無意識のうちのふるまいなど振り返ることなどできずに、
右手と右足が同時にでるようなギクシャクした動きになりそうです。
難しそうですね、負担通りの自分を演じる芝居って。
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カムフラージュ/有吉 玉青 (角川書店)
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大学教授、その教授夫人の画家、その息子ルイ、
大学院生、その先輩、モデル、ルイの同級生の女の子・・・・・
出てくる登場人物が秘密をカムフラージュします。
次から次へとめまぐるしいほどに連鎖していく秘密です。
まるで小説のようなできごとの連続です。小説ですから。
◆
秘密をもちながら、懸命にカムフラージュに励む姿と、
秘密を薄々嘘と見破りながらも、気づかないふりする姿の
危うい綱渡りのような均衡が描かれています。
疑いがやがて真実を知るようになり別れながらも深まる関係。
同じように真実を知って破れる均衡。
その境目は紙一重です。すりりんぐぅ。
話の運びのテンポのよさに引き込まれてしまいました。
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ちょっと慌ただしくなるかもしれませんが、
映画にしても面白そうな物語です。
傍で部外者として観るには楽しめても、
まちがっても当事者のひとりになりたくない
スリル溢れる均衡の世界です。
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