珍しくツレアイと娘のサクラとモモの3人とも気に入って、
毎週観ているドラマがあります。
「名前をなくした女神」(フジTV系)
お受験をめざすママ友たちが誤解と悪意でぐちゃぐちゃになる、
杏さん主役の物語です。
ひど~い、こわ~い、などといいながら、盛り上がっています。
両手のひらで目を覆いながら指の隙間から、
作りものとはいえ惨劇の行方を見ずにはいられないようです。
◆
縁切り神社/田口 ランディ (幻冬舎文庫)
¥520 Amazon.co.jp
文庫本のために描かれた12編の短編集です。
好きな人とピークを過ぎたような時期があります。
嫌いな面が目についたり、愛想を尽かしたり・・・・・。
いい感じでつき合っている時に、その空気を乱す出来事があると、
その源となる人を恨んだり、ひがんだり、失望したり・・・・。
旅先での出逢い、合コンでの偶然の再会、失意の帰郷、
縁切り神社の絵馬に見つけた自分に向けられた縁切り祈願。
好きな人に、好きだった人に、その人との間を乱す人に、
向けられるそんな悪意が描かれています。
◆
物語を読んでいるうち、恐ろしくなってきました。
登場人物たちではなく、私自身に。
- そんな気分になるのもわかるなあ。
- ちょっといきすぎじゃないか?
同調しようが否定しようが、
登場人物たちの悪意を、納得とまではいかずとも理解できるのは、
私が同じ種をもっている証しです。
◆
さらに
相手や周りの人の気持ちを確かめたわけでもないのに、
その人の気持ちに疑いをもつことがあります。
それって、
私がその人に悪意の持ち主であることを期待していることです。
他人の悪意や不幸をどこか期待している自分。
・・・・・・・・ こわい、です。
◆
そんな風になっても、この作品は、
登場人物が再び暖かさを取り戻せる予感をもたせてくれます。
読み手の私も救われました。
◆
今週も、わが家の女性3人は、あのドラマを夢中で観ていました。
- 女性ってこわいかも。
その脇で、私はつぶやきました。
- えっ? いま、なんか言った?
目の前の光景が、
なんだかドラマより怖い場面のように思えてきました。
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