自分が怖くなってきた ~ 「縁切り神社」 | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

大きな挑戦なんてとてもとても。
夢や志がなくても
そっと挑む暮らしの中の小さな背伸び。
表紙の手ざわりていどの本の紹介も。

相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。

珍しくツレアイと娘のサクラとモモの3人とも気に入って、
毎週観ているドラマがあります。

「名前をなくした女神」(フジTV系)

お受験をめざすママ友たちが誤解と悪意でぐちゃぐちゃになる、
杏さん主役の物語です。

ひど~い、こわ~い、などといいながら、盛り上がっています。
両手のひらで目を覆いながら指の隙間から、
作りものとはいえ惨劇の行方を見ずにはいられないようです。

    

縁切り神社/田口 ランディ (幻冬舎文庫)
¥520 Amazon.co.jp

文庫本のために描かれた12編の短編集です。

好きな人とピークを過ぎたような時期があります。
嫌いな面が目についたり、愛想を尽かしたり・・・・・。

いい感じでつき合っている時に、その空気を乱す出来事があると、
その源となる人を恨んだり、ひがんだり、失望したり・・・・。

旅先での出逢い、合コンでの偶然の再会、失意の帰郷、
縁切り神社の絵馬に見つけた自分に向けられた縁切り祈願。

好きな人に、好きだった人に、その人との間を乱す人に、
向けられるそんな悪意が描かれています。

    

物語を読んでいるうち、恐ろしくなってきました。
登場人物たちではなく、私自身に。

  - そんな気分になるのもわかるなあ。
  - ちょっといきすぎじゃないか?

同調しようが否定しようが、
登場人物たちの悪意を、納得とまではいかずとも理解できるのは、
私が同じ種をもっている証しです。

    

さらに
相手や周りの人の気持ちを確かめたわけでもないのに、
その人の気持ちに疑いをもつことがあります。

それって、
私がその人に悪意の持ち主であることを期待していることです。
他人の悪意や不幸をどこか期待している自分。
・・・・・・・・ こわい、です。

    

そんな風になっても、この作品は、
登場人物が再び暖かさを取り戻せる予感をもたせてくれます。
読み手の私も救われました。

    

今週も、わが家の女性3人は、あのドラマを夢中で観ていました。

  - 女性ってこわいかも。

その脇で、私はつぶやきました。

  - えっ? いま、なんか言った?

目の前の光景が、
なんだかドラマより怖い場面のように思えてきました。


[end]

***************************************
<----左側の
①「ライブラリーを見る」をクリックし、
②ライブラリの各本の"LINK"をクリックすると
 その本を紹介した記事にとびます。
***************************************
ペタしてね