私は酒が好きです。
家では日本酒かウィスキー、外では主に焼酎かウィスキー。
といっても、酒量はわずかです。アルコールに弱い体質なので。
呑むペースはゆっくりで、ほろ酔いをキープ。
酔うこと自体より、旨い酒を味わうことが主眼です。
酒にまつわるこれといった武勇伝があるわけでもなく、
呑み仲間としては、私は面白味に欠けます。
◆
もし私が酒をもっと呑めたら、
酔ったら酒癖がわるくてカラんでいるかもしれないし、
呑み過ぎて体を壊していたかもしれません。
- オレは、まだだいじょうぶ。
こんな気休めがアルコール依存症への第一歩だとか。
◆
この物語の語り手"おれ"は、すごい呑みっぷりです。
今夜、すベてのバ-で/中島 らも (講談社文庫)¥560 Amazon.co.jp
アルコール依存症の"おれ"のγ(ガンマ)GTPは1300。即入院です。
その病院での医者"赤河"や、"三婆"など入院患者たちとのやりとり、
亡くなった経営パートナーの妹"さやか"との喧嘩のような会話。
面白おかしい入院生活や、壮絶な過去のアルコール漬けの生活が、
アルコール依存症に関する豊富な情報とともに描かれています。
◆
"おれ"は、アルコール依存症の知識が豊かで、
過去の経緯も振り返りながら、自分の状態も冷静に理解しています。
それでも、酒に手を伸ばしてしまいます。
明晰で脆い男の生きざまがここにあります。
◆
読み終えてグッタリするほど迫ってくるものがあります。
それでも、本を閉じれば、ほっと安心しました。
主人公の"おれ"に比べたら、
私は、まだだいじょうぶ。
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