警鐘 ~ 「デルス・ウザラ」 | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

大きな挑戦なんてとてもとても。
夢や志がなくても
そっと挑む暮らしの中の小さな背伸び。
表紙の手ざわりていどの本の紹介も。

相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。

図書館で借りた本のなかに、
前にその本を借りた人の、
その時に借りている3冊の本の記録が残されていました。

  住まいの解剖図鑑
  わが家は森の中
  デニス・ウザラ

どこの誰だかわからないこの人の興味の焦点を、
こっそりとうかがうことができます。

    

最後の1冊が、今回、私が読んだ本です。

デルス・ウザラ/V.K. アルセニエフ (地球人ライブラリー)
¥1,680 Amazon.co.jp

100年前にシベリアの地理、動植物などを調査した時の
隊長である著者、アルセニエフの手記です。
(もしかしたら事実に即した小説?)

デニス・ウザラは現地のベテラン・ガイドの男性の名。

    

シベリアの自然の中で狩猟生活で、
食べていくために、猛獣や厳しい自然から身を守るために、
デルスが身につけた観察眼、洞察力、判断力、行動力。

そんなデルスを敬うアルセニエフの気持ちが、
文面に、行間に、溢れています。

    

デルスが興味を示す自然と、たいして興味を示さない自然。
デルスの獲物を狩る時と、獲らない時。
ふだん隊長に従うデルスが、隊長の意見に反論する時。

みんな意味と知恵に裏づけされた行動です。

    

デルスは、文字や与えられた映像からではなく、
自然現象や、森や水辺に遺された痕跡から情報を読みとります。

まさか、
デルスは、100年前にシベリアの森の熊の足跡をみて、
文字情報や、選ばれた一部の事実を映像にした報道を
鵜のみにしがちな私の姿を予想したんじゃないでしょうね。


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