冬のすすき ~ 「花束のように抱かれてみたく」 | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

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大きな挑戦なんてとてもとても。
夢や志がなくても
そっと挑む暮らしの中の小さな背伸び。
表紙の手ざわりていどの本の紹介も。

相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。

先月11月は記録的な暖かさだったそうですね。
そのせいか、
きょう川べりを歩いていたら、河岸にススキの穂が残っていました。

やや穂の量感を失ったススキを
冬場に入って眺めるのはすこし場ちがい感じです。

    

  秋色の光と風をサヨナラの形に変えて手を振るススキ

本来ならば今頃は、ススキが晩秋にさよならを告げたあとの季節です。

花束のように抱かれてみたく/俵 万智・堀越功一 (同朋社-1997年)¥1,943


花束のように抱かれてみたく/俵 万智・堀越功一(角川文庫)¥630
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歌人の俵万智さんと、写真家の堀越功一さんおふたりの
コラボレーション作品です。

    

四季の花たちをモチーフに、
俵さんの思い出や花のイメージを短歌に詠み、
詞書(ことばがき)のようにエッセイが添えられています。

そして堀越さんの淡いトーンの花の写真は、
よく見る花とはひと味ちがう表情をとらえています。

短歌になじみのない人でも、
気軽にページをめくることができる肩肘はらない歌集です。

    

ススキは夜が似合うと、私は感じています。
宵の暗闇のなかのススキはぼうっと浮かぶようです。

昼の間、陽の光を浴びて、ススキはその光をたくわえ、
夜になると、蓄えた光を放っているのではないかと思いたくなります。

    

この歌集も、花の彩りをたくわえて、仄かな光を放つ作品です。


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