映画『銅雀台』を観た | 呉下の凡愚の住処

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春秋戦国の楚国、三国志の孫呉にすべてを捧げて生きています。
現在はあまり更新していませんが、
何も持っていなかった過去の自分が想定読者でした。
詳細はプロフィールをご覧ください。

中国では先月末から公開が始まったので観に行ってきました。
三国志ものの映画です。曹操暗殺計画のお話。
20時からの回でしたが、客席はほぼ埋まってました。子供も多かった。
※大したことは書いていませんがネタバレ気にする方は注意です

呉下の凡愚の住処-銅雀台
▲完全に(百度からの)無断転載ですすみません

映画館に書いてあったあらすじを訳した。
関中、馬超・韓遂の捕虜営舎の後方。
騎馬隊が少年穆順・少女霊雎を攫って行った。
二人は巨大な陵墓に閉じ込められ、
同じようにして攫われた者たちと共に残酷な訓練を余儀なくされた。
そして死をも恐れない戦士に仕立て上げられた――
決して公にできない、驚くべき任務のために。

5年後。曹操は関羽を埋葬するため銅雀台に帰還した。
霊雎は真っ赤な衣装を纏って曹操の傍に侍ることとなった。
柔弱な献帝・野心満々の伏皇后は声も出さずに曹操の帰還に立ち会う。
大臣たちもまた心にたくらみを抱いていた。
“四星合一”の時は近い。「曹操暗殺」計画は刻一刻と進められていく……

百度からキャストを転載する。
■監督 趙林山
■出演
 曹操:周潤發(チョウ・ユンファ)、霊雎/貂蝉:劉亦菲(リウ・イーフェイ)、
 漢献帝:蘇有朋(アレック・スー)、穆順:玉木宏、伏皇后:伊能静、
 曹丕:邱心志、太医吉本:姚櫓、伏完:倪大紅(ニー・ダーホン)、
 呂布:保剣鋒、許褚:池程、曹植: 曲泉丞、曹休:彭敬慈
玉木宏は日本の玉木宏さんです。
倪大紅は新三国で司馬懿を演じられていた方です。
チョウ・ユンファはもはや説明不要ですね!
劉亦菲も華流好きさんには説明不要レベルかと……
蘇有朋も人気俳優らしい。確かにイケメンだった。
と、豪華俳優陣が揃っている映画です。
※呂布・貂蝉は回想にしか出てきませんので悪しからず……
※登場人物は上記で全員です。呉や蜀は空気どころか忘却の彼方です

呉下の凡愚の住処-銅雀台
▲映画館による紹介

おそらく、現在日本でこの映画を最も楽しみにしているのは
私のような三国志ファンではなく、玉木宏ファンの方々だと思われます。

ファンの皆さまご安心ください。
玉木宏さん演じる穆順は宦官ですが、役どころもスーパーイケメンで
チョウ・ユンファと変わらぬくらい見せ場が多いです。
私は動いている玉木宏さんを見たのはこれが初めてだったのですが(……)
本当に演技がお上手なお方だな、と思いました。

彼には戦闘シーンも恋愛シーンもあります。
恋愛場面はかなり濃厚です。苦手な方は「うわあ……」となるかもしれぬ。
そしてネタバレになっちゃいますが、
チョウ・ユンファと一騎討ちをするシーンがすごくカッコいいです!!
(今は情勢的に無理でしょうが)日本で同時公開されないのがもったいない。
海外の映画で日本人があんなに活躍するなんてうれしいことです。

玉木宏さんの他の作品を知らないくせにこういうことを書くのは
申し訳ないのですが、穆順は彼にとって当たり役だろうと思います。
とにかく出番が多い上にヒーローポジションなので。
玉木宏さんの作品を初めて見る人(俺俺)でも
「この人いい演技するな」って感じるんじゃないでしょうか。
ファンの方は必見です!!

そしてチョウ・ユンファ。彼もスーパーイケメンです。役も素敵です。
ヒゲが似合う男性っていいわあ~。
ユンファ氏がアップになるたびに
「このヒゲがいいんだよ! やっぱり男はヒゲだよヒゲヒゲヒゲヒゲヒg……」
と思ってましたすみません……

ユンファ氏(曹操)を暗殺するための女スパイが主人公なので
ユンファ氏は一応敵ということになるのですが、役柄には嫌味がありません。
威厳と余裕があって堂々としてます。カッコいいです。
チョウ・ユンファファンの方も観て後悔することはないと思います。

呉下の凡愚の住処-銅雀台
▲こういうのも置いてありました

さて。
三国志ファンにとってはどうなのか?
ってところももちろん大事ですよね。(笑)
もうね、正直に書きます。あくまで私の感想ですが、正直に書きます。

『関雲長』とどちらか選べと言われたら回答に困るレベル


でした。(↓参考)

映画『関雲長』を見た
http://ameblo.jp/ancyon/entry-11013166956.html

ツッコミその1
鎧がやばい

完全に西洋です。三国志する気ありません。
ローマ帝国風の鎧を着た兵士が大量に出てきます。兜もローマ帝国。
セットがすごく豪華で、朝服や女子の衣装が普通に中華なぶん
西洋鎧に余計にショックを受けました。
しかも鎧の登場回数が多い、しかも(二度目)曹操などの主役陣までその鎧。
萎えるわ~(本音)

ツッコミその2
暗殺者たちがやばい

暗殺者たちが曹操に奇襲をかける場面があるのですが、
あれは完全に日本の忍びです。NINJAです。
三国志って言うかどう見ても服部半蔵です。本当にありがとうございました。
(衣装もそうですが)「史実に忠実に作ってほしい」なんて思ってないんです。
実際の戦闘がどんなものかだったのかなんて分からないわけですし……
でも! もうちょっと三国志に似せて作るとかさ! ね!?

ツッコミその3
曹丕がやばい

日本では曹丕のせいで16歳以上推奨の映画になると思います。
9割方曹丕のせいです。完全に汚れ役です。
曹丕ひとりをこんな役にしていいのか? と思った。


いいところその1
曹操が素敵

悪夢に魘されてるところとか本当に萌えます。
私の曹操イメージとはちょっと違うけど(曹操はもっと細身と思う)、
笑顔が素敵で堂々としてて、「理想の王様」って感じです。

いいところその2
伏完に癒される

新三ファンには伏完が司馬懿にしか見えないと思います。
司馬懿のように不思議な演技でした。新三を思い出して癒されました。
曹丕と伏完とはもちろん険悪な関係なのですが
「曹丕お前、倪大紅にめちゃめちゃ世話になったやん!!」
とツッコミまくりでした。楽しかったです。(自分だけ)


観てて思ったんですけど、これ、
三国志の作品でなければすごく楽しめたと思うんです。
チョウ・ユンファと玉木宏は本当にカッコいいし、話も綺麗に完結してる。
献帝役の人の演技もすばらしかったです。イケメンだったし。
この映画では献帝がいちばん好きになりました。

そう、三国志を題材にしていなければ素直に楽しめたと思う。
三国志でさえなければ……ああ……と思わされるお話でした。
つまり映画としては問題ないです。たぶん。 <ふだん歴史映画しか観ないので……
曹丕ファンには本当にお悔やみ申し上げますとしか言いようがありません。
演義の孫呉レベルです。

ちなみに鬱映画です。みんなに救いがなく、かなり鬱になります。
まあ漢献帝、吉本、伏完たちが曹操と絡む時点で
喜劇でないのは明らかなのですが……

自分の問いに答えてみると
万人にオススメするのは『銅雀台』、
三国志ファンにオススメするのは『関雲長』ですね。
これはキャストが豪華ですし、日本にも来るんじゃないかなーと思います。
あの『関雲長』でさえ日本上陸したので、『銅雀台』は絶対大丈夫でしょう。

呉下の凡愚の住処-銅雀台
▲最後に、中国の映画館の様子
日本と変わりません