たいていの人の常識として
「図書館の本に落書きをしてはいけない」
というものがあると思う。
私も当然そう思うし、
図書館から借りた本に「ポテトチップスのクズ」なんぞ挟まってるのを見ると、
イッラーと来るわけである(同時にゾゾッともする。)。
だが
「書き込みはいけないことだが、これはむしろ歓迎すべき書き込みかもしれない。」
と思ってしまった書き込みを発見してしまった。
アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』(中村妙子訳)
(早川書房 2004年4月10日印刷 2004年4月15日発行)
12頁8行目~9行目
「そのときの会話を思い返しながら、ジョーンはつくづく考えたブランチに一人前の分別もないというのは残念ながら本当すぎるくらいだと。」
本来ならば
「ジョーンはつくづく考えた。」
「ブランチに一人前の・・・」
となるはずなのだが、句点が落ちているため、妙ちきりんなことになっている。
そこにこの「挿入マーク」の的確な書き込み。
書き込み自体は悪いことだけど、書き込みたい気持ちはよく分かる。
しかも後生の人に役立ってるし。
このマークがなかったら、きっと私は何度も読み返していたことだろう。
そもそもこの本、最初30頁までの間に
理解不能の訳が2カ所(上記句点を入れたら3カ所)もあり、
イライラしながら読んでいたので、
この書き込みの主に同情した、というのもあるかもしれない。
世の中、見方を変えれば善悪が変わる。
ちなみにこのアガサの本は読み終わり、明日までには書評をアップする予定。
すっご~く面白かったです。
あのイライラする訳さえなければもっと楽しめたのにー。