私は糸井にはなれない。 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

最近気づけばNHKばかり見ている私。

なぜって、単純に民放がおもしろくないからだ。


ひょっとして加齢のせい?

でもTBSの情熱大陸(NHK番組と比較するのもどうかと思うが)もおもしろくないし。

先日 ノーベル賞受賞者の益川先生と小林先生を2週にわたって特集していたが,

全然おもしろくなかった。

あれだったらNHKで以前やったビビる大木が司会の番組(番組名は忘れた)のほうが

よっぽどおもしろかった(結局NHK・・・)。



先日見たのは「ワンダー×ワンダー 」で特集された「結晶洞窟」。



あもるくんの日々

あもるくんの日々

※写真は、「National Geographic 」からお借りしました。


写真を見たら「わー寒そう!」と思うだろう。

私も思った。

しかし実際は逆で、地下に眠るマグマのため、

湿度100%,気温約45度という灼熱地獄。

調査員たちは、防護服なしでは入れない過酷な環境なのである。


場所はメキシコ北部のチワワ砂漠にある鉱山の地下。

それは鉱脈を探していた工夫により偶然発見されたものであった。

本来ならこの洞窟は水が溜まっていたのだが、

鉱石を掘り出すために水抜きをしていたことでその姿を現したのであった。

(詳細は上記の「National Geographic 」参照。)



番組内で、話題や場面が切り替わるたびに

「Wonder×Wonder」というセクシーボイス&ロゴが入るのがものすごく気になったが、

それ以外は非常に楽しめた。


この結晶の正体は、結晶の形(平行四辺形)から「石膏」であると判明した。

中には、10mを超す結晶の柱などもあり、その姿は圧巻。

50万年もの時間をかけて成長したというもの。

この鉱山は閉山することが決まっており、水抜きもその後はしないという。

よって自然とこの結晶洞窟には地下水が溜まっていき、

やがてその洞窟に入ることはおろか、その姿すら見ることはできなくなると言うのである。


糸井重里氏が言った。


「彼ら(結晶)は平行四辺形という名前ができる前から平行四辺形だったんだね。」

「21世紀の今という瞬間を生きる僕たちしか見ることができない場面なんだなあ。」


糸井氏をゲストに呼んで正解。



ともすれば


「スケールが大きすぎて何も言えないです」

「壮大な時間の流れを感じます」


などと表現されてしまいがちな物事を、

糸井氏はきちんと整理し、大切な部分だけを切り取って私たちに提示してくれたのである。

私は糸井氏にはなれない。


共感を呼ばなくてはゲストとしてのコメントは意味をなさない。

糸井氏は共感を呼び,その共感を共振にまで変えたのである。




※糸井氏のキャッチコピーと言ったら

  『にわとりの遺言~松風を使ってくれ~』しか思いつかないのは私がおかしいからである。