旧友と17年ぶりの再会! | あもくのガンバラヤ ルイジアナだより

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昔の中国人の同僚が17年ぶりに古巣のルイジアナに戻って来た。一泊だけだけど。Min Zhou(ミンジョウ、周敏)は今や、UCLA社会学部、アジア研究学の名物教授で、次期アメリカ社会学会副会長候補という超大物。本が7冊で、論文が130本って半端ない。昔、僕と2本だけ一緒に書いたけど(笑)。

17年ぶりにあったものの、なーんにも変わってない。昔ながらの、気さくで、声がでかい、いい奴だった。ちなみに、ミンって、女性です。

僕がルイジアナに来たのが1989年。次の年に僕の学部で雇い、4年の間、同僚になったのが、当時スイスにいたミン。僕は全く覚えてなかったんだけど、引っ越して来たばかりのミンとその息子、フィリップをわが家に2週間泊めたんだそうな。ルイジアナに引っ越して来て初めて泊まったのと同じ部屋に20年以上ぶりに泊まって、感慨深かったみたい。逆に言えば、僕らって、20年も大きな家に引っ越せなかったのね(笑)。

僕が司会した学部での記念講演も大盛況で、やっぱりキレモノが話をすると盛り上がります。

でも、大ざっぱというか、鈍感なところは昔と変わらない。まず、家に来る日にちを間違えて伝えてくる。ま、こんなのは可愛い方。今回、一番笑ったのは、愛犬、カールマルクスを連れて一緒に散歩に行った時。20年前にはなかった近くの公園を散歩してて、ちょっとリードを持ってもらった。

ミン、「散歩してるのは自分よ」とばかりに、マルクスが止まろうがなんだろうがおかまいなくどんどん歩いていく。いつもなら自分が止まれば飼い主も止まってくれるマルクス、全然自分のペースで歩けない。ちょっと止まるとリードで「グイーン」と引っ張られて目を白黒。さすがに可哀想なので"OK, let me take it."って言って代わったけど。首締まって死ぬど(笑)。

ま、こういうところも憎まれない得なキャラなんですけどね。

昔、フィリップが通った小学校の写真を撮ったり(両手でVサインするかなあ)、歩いてるうちに「あ、今、ばーっと思い出した」とか、楽しそうでしたよ。

夕方、ニューオーリンズまで車で送っていき、おいしいシーフードレストランで夕食をとってバイバイでした。いやあ、なかなか楽しかったです。やはり旧友はいいものです。

ところで、ミン、先週だかマレーシアにいて、ロサンゼルス経由でルイジアナに来て、明後日の朝、ロサンゼルスに戻り、次の日にストックホルムに行くんだとか。やっぱり化け物だわ(笑)。


きょうのえいご(11):You ain't Black!


そのミンの息子、フィリップは大学時代に自分がスイスからいきなりルイジアナにやってきて大変だった経験とかを本にしちゃいました

この息子もすごいんだわ。ま、それはともかく。

その本で一番笑えるとみんなが認めるのが、次の場面。ミンは何と、「学童があるから」というだけの理由で、フィリップを99%黒人の学校に入れたのでした。その申し込み書を見ると、性別には「男・女」、人種の欄には「白人・黒人」、それだけ。ちょっと長いけど引用します。

"Excuse me, which box should I check for race?" Without even looking up from what she was doing, the woman nonchalantly fired off, "Just check white." My mother began to explain, "But, but he's not white...." The secretary stopped what she was doing, looked up at my mother - no longer with a smile - and lectured her sternly in a strong Southern black accent, "WELL, HE SURE AIN'T BLACK!"

まず、たかだか21年前なのに、「人種」の欄に「白人・黒人」しかない!で、黒人の受付女性にとって、フィリップは「どうみたって黒人じゃなくね」、だから自動的に白人!ありえんて。でも実話。ちなみにフィリップのお父さん、中国人。

問題はこの"ain't"です。この場合"isn't"の代用ですね。ところが、これが実に便利(笑)で、I ain't, you ain't, they ain't、何でも使えます。さらに、"I ain't got nothing."とか"He ain't come."とか、have notやhas notの代わりにもなる。さらには、"I ain't know."や"She ain't talk."とか、don'tやdoesn't、場合によってはdidn'tの代わりにもなっちゃう。

調べてみると17世紀の戯曲にもあるらしく、「アメリカでは南部、もしくは農村部で使われる」と書いてありますが、これは婉曲語法。主には黒人言葉です。

黒人の英語って聞いてるとすごいです。南部の白人の英語は主に発音が違いますが、黒人、特に都市部の若者の英語はものすごい。ラップの奴ですね。訳わからん。で、この何でも屋のain't、大活躍。

ただし、学校ではno noです。もう思いっきりくだけた感じ、日本語で言うと「~じゃん」とか「まじ?うっそ?」よりもっと崩れてる感じだと思います。

ところで、Wikipediaでain'tを調べると、「南部のくだけた会話で使う(Y'allも参照のこと)って書いてある。確かに黒人もY'all使うなあ。前に書いたYaoはどちらかというとルイジアナ訛りだから、微妙に違うのかもね。