あもくのガンバラヤ ルイジアナだより

あもくのガンバラヤ ルイジアナだより

わんこ、地震、スポーツ、英語、旅行...なんでもありのブログです。

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日本はラグビーで盛り上がっているらしいが、それも無理もない。2015年W杯での「世紀の番狂わせ」南アフリカ戦の勝利に続いて、対戦時世界2位のアイルランドに完勝したのだから(ちなみに対戦時、日本は9位)。4年前の南アフリカ戦はちょっとまぐれっぽかったものの、アイルランド戦はまさに完勝。「もう番狂わせとは言わせない」である。

 

ところが、「日本代表」に明らかな外人、つまり「日本人っぽくない」選手が多数いることに対して、ぐちゃぐちゃ言う輩が一部にはいるようだ。今回の日本代表31人のうち、海外出身の選手が15人、日本国籍を持たない選手は7人だという。が、そんなことは実は当然なのであり、日本に限ったことではない。ラグビーのW杯はオリンピックとは違い、「国別対抗戦」ではないからである。

 

日本の中継を見ていないのでどの程度解説されているかわからないが、ラグビーW杯に「代表チーム」を派遣するのは各国の「ラグビー協会」であり、とある国のラグビー協会に所属しており、その国に3年間継続していれば「代表」になる資格が与えられる(ただし、2020年12月31日からは5年間継続居住、もしくは10年間累積居住が条件となる)。

 

つまり、海外から「助っ人」として日本のラグビーチームにスカウトされて、3年間日本に住めば国籍を問わず、「日本代表」になれるのである。もちろん、ラグビーが上手いことが決定的な条件ではあるけれど。ちなみに、サッカーも現在では「代表チーム」に入るには18歳以降、その国に継続して5年間居住すれば国籍は問われない。

 

両フットボール競技、特にラグビーの「国籍不問」は「大英帝国」の尊大さに起源があるというから面白い。つまり、大英帝国から元の植民地に移住してラグビーをする場合、大英帝国の国籍を離脱しないとその国の代表になれないなどナンセンス。その国の協会に所属し、一定の期間居住してさえいれば国籍など無関係、ということだったらしい。
 
もっとも、戦争のたびに国の名称や国境が変わり、さらにはほとんどの国で多重国籍が認められているヨーロッパでは、「国籍」の持つ意味が違っているのかも知れない。考えてみれば、ラグビーにはスコットランド、イングランド、ウェールズと3つの代表があるが、その国民の国籍は全て「イギリス連合王国」である。

 

「アイルランド代表」に至ってはさらに複雑だ。代表の試合の前に「アイルランド国歌」は流れない。というのは、「アイルランドラグビー協会」は南部のアイルランド共和国と北部のイギリス連合王国の領土をまとめて統括しているから。つまり、ラグビーの「アイルランド代表」にはアイルランド国籍とイギリス(連合王国)国籍が混在しているのだ。部員が足りなくて「連合チーム」で予選に出場する高校野球ではあるまいに。

 

つまり、「日本人=日本国籍」と思うのは勝手だが、「スコットランド人=スコットランド国籍」ではないし、「アイルランド人=アイルランド(共和)国籍」ではないのだ。

 

ちなみに、国籍大好きなオリンピックでは、サモア、プエルトリコ、香港など、いくつかの例外を除いて、国連が認めた「国」のみが参加を許されている。なので、ワールドカップでチームメートだったアイルランド人がオリンピックの7人制ラグビーでは「アイルランド代表」と「イギリス代表」に分かれて戦うことがあるかも知れない。

 

日本に一定期間住んでさえいれば誰もが日本代表になれるのがラグビーだとすると、その対極にあるのが大相撲。「親方は日本人に限る」という時代錯誤的な規定を満たすため、先日、モンゴル出身の白鵬が日本国籍を取得した。白鵬は決して好きな力士ではないけど、「なんだかなー」と思ったのは僕だけじゃないと思う。

 

もういい加減、日本人=日本国籍=日本人っぽい容姿っていう前時代的な考えはやめにしませんか?白鵬が日本国籍をとると急に「日本人」になって親方にふさわしくなるんですか?

 

国籍なんて国益に直接関わる政治家以外、誰がいくつ持っていようとどうでもいいじゃないですか?

 

自分の意思で日本以外の国籍を取得すると日本国籍は自動的に剥奪されるっていう日本の古臭い法律に縛られて困っている日本人が、僕を含めて全世界に何万人います。

 

テニスの大坂ナオミ、陸上のサニブラウン、ラグビー日本代表、もっと言えばデイブスペクターでもローラでもダルビッシュでも、あなたも僕も、みんな一緒で何が悪いの?

 

ってスポーツやらテレビ番組を見てるうちに思うようにならないかなあ。ならないよなあw。
 

 

 

 

 先日1年ぶりに更新したブログでしたが、またまた、大坂なおみの話題です。テニスの話は少しだけね。

 日本人テニスプレイヤー、大坂なおみが全米、全豪オープンで連続優勝したのはまさに快挙です。女子のグランドスラム連続優勝は、2014~15年に「例の」セリーナウイリアムスが4連勝して以来ですから。前のブログにも書きましたが、パワーとスピードで圧倒する大坂選手のテニスはやはりスカッとします。

 一気に女子テニス界の頂点に駆け上がった大坂選手を賞賛するメディアが多いのは当然ですが、僕個人としてはどうもしっくりとこない。いや、「日本人なのに肌の色が…」という話じゃないです。僕がもやもやするのは大坂なおみが「チャーミング」だとか「天真爛漫だ」とかいう類の彼女の人間性を褒めた記事のことです。いや、大坂なおみの人間性がどうこうっていうことではなく、ああいうキャラが受け入れられるっていう事実にちょっと混乱してるというか…。ちと詳しく書いてみます。

 

 

 海外、特に欧米社会で生き残っている日本人というのは、概して気が強い。背の高さをはじめとして体格で負けることが多い、ということもあり、それをある程度、「押しの強さ」でカバーしないと舐められる、ということがありますが、それ以上に重要だと思われるのは、「欧米(特にアメリカ)では自己主張しないと埋もれてしまう」という金科玉条のような考え方。曰く、「オレがオレが」の社会だから、上司や同僚に対してもいかに自分が有能かを強調しないとクビにはなるし、出世もしない、というものですね。

 もともとアメリカではないですが、これをやって成功した(少なくともそういうイメージをまとっている)日本人として、故ジョンレノンの奥さんであったオノヨーコが挙げられると思います。ここで一番重要なポイントとして、「理由もないのに、無駄にヘラヘラ笑わない」というのがあります。人と会話をしている時、欧米人はおしなべて「真顔」ですが、日本人は緊張を和らげようとしてか、微笑みを絶やさないことがあります。

 これって、アメリカにいる日本人の多くは「絶対やっちゃいけない」って言われてることなんですね。つまり「理由もないのに笑ってるのは気味が悪い」って思う人が多いと言われることがある(あった)んです。これを忠実にまもった(?)のが、日本人としてのMLBのパイオニアであった野茂英雄。日本の標準からいうと「仏頂面」、もしくは「不貞腐れてる」と思われるくらい。野茂がMLBに挑戦する時も、日本のプロ野球の関係者のほとんどが「野茂は大リーグじゃ通用しないよ」って言ってたらしいですが、この「愛想の悪さ」が関係してたのかと思っちゃうくらい。いつもキリッとしてる、といえばイチローもそうですね。

 で、大坂なおみ。「試合後のスピーチは下手」って自分でも言ってますが、全米の時の「特殊事情」は理解できるものの、全豪は言い訳できません。本当に下手ですw。「ハロー」って言っただけで笑いを誘ってました。で、その後も何かもごもご言ったと思ったらひとり笑い。

 もっと笑えた(ひどかった?)のが、ツアー初優勝後のスピーチ。自分でも「史上最悪のスピーチね」って言ってますが、とにかくひとり笑いばっかりで、何がなんだかわからない。質問されてもわかっててやってるのかどうか、的を外したり、トンチンカンだったり。全豪でも、自分でも「これまで精神年齢が3歳だったけど、やっと4歳になったかな」って分析してたくらい。

 こういった「大坂なおみらしさ」は世界中のメディアで好意的に紹介されてます。曰く「なんて可愛い女の子」「誠実さとピュアさを愛さずにいられない」「ナオミを見るのは清々しい気持ちになる。本当の本物ね」…。

 こういう反応を見ると、「へ〜」って思うんですね。というのは、この手の「理由もなく笑う」のは日本人の若い女性にありがちなパターンなので、僕なんかは日本語が下手だろうが、国籍がどうだろうが、大坂なおみはいかにも「日本人っぽい」って思っちゃいます。で、こういう「日本人っぽさ」って、これまで少なくともアメリカではあまり「ウケ」がよくなかった気がします。

 この変化ってもしかしたら、日本発のアニメやキティーちゃんグッズが「Kawaii」っていう形容詞とともに海外に受け入れられたことと関係があるのかもって思ったりもします。もう20年近く前に朝日に書いたのですが、日本文化恐るべしです。
 最近は死語でしょうが、「おんな子ども」っていう言葉があります。つまり女性と子どもを同じ範疇に入れて、どちらも「独立していない人格」として扱うので、「大の大人」がやったら「?」と思われることでも(例えばひとり笑い)、許されちゃう、もっと言えば「可愛い」って思われるようになった。

 女性を子どもと同じ範疇に入れてなんでも「可愛い」で済ませちゃうのはその社会にとってあんまり好ましいことではないですよね。僕としてはそれでモヤモヤするんですけど。

 もう一つ付け加えれば、去年の9月、全米オープンでセリーナウイリアムスを破って優勝した時はセリーナと審判との間で判定を巡って揉めたこともあり、「みなさんが期待してたセリーナが優勝できなくてごめんなさい」って(多分本気で)、全然嬉しくなさそうに言ってました。グランドスラムの初優勝っていう晴れ舞台でこんな風に考えるスポーツ選手っていうのはこれまでいなかったと思うんですね。いくら揉めてるからって言っても、普通は喜ぶ。でも、それもメデイアは好意的に捉えてました。自分を前に押し出すんじゃなくて、相手を慮る。これなんかは日本人(アジア人)に良くあるパターンなので、またしても「大坂なおみって日本人っぽい」って思っちゃうわけです。

 ただ、もう一つの解釈ができます。

 これまで「オレがオレが」の一択で来た欧米人、特にアメリカ人が、その価値観と行動に疲れてきちゃったんじゃないか。いくら向こうっ気の強いアメリカ人とはいえ、人生ずっと「オレがオレが」じゃ疲れちゃう。オバマからトランプになって今まで以上に「オレがオレが」の風潮が強まった感じもしますけど、最近とみに存在感を増したアジア系アメリカ人の、白人や黒人と違った振る舞いを見るようになって、「あ、こういうのもありなんだね」って思ったんじゃないか。つまり、「不言実行」。弁舌さわやかじゃなくても、「やることやってれば文句ないだろ」みたいな。「オレがオレが」じゃなくても、相手を立てても最後は丸く収まる。大坂なおみに対するコメントでも「ナオミはコートで輝くタイプ」ってのがあった。つまり、余計なことはせんで(言わんで)よろし、みたいな。

 で、実はこの、「こういうのもあり」っていうのが、今流行りの「ダイバーシティ」なんですね。「ダイバーシティ」っていうと一般的には「人種」やら「民族」やら「性的少数者」に関することだと思いがちなんですが、「人との関わり合い」もダイバーシティに入れることができます。「自己主張の仕方」でも「自分より人を大事にする気持ち」でも、何でもいいんです。これまでの価値観と違ったものを受け入れるのがダイバーシティ。

 なので、大坂なおみの「笑えるキャラ」がウケるようになって、それが「ダイバーシティ」の一環になったら、これはアジア人初の世界1位とかよりもずっと歴史的に重要なことだと思うんですけど…

 やっぱり考えすぎかなあ?w

 1年ぶりのブログなのに、いったい何のこっちゃと思われるタイトルにしました。われながらあざといw。でも、一回こういうのをやってみたかったので、お許しを。
 

 ポイントはおいおい読んでいただくとして(またもあざとい)、すごかったですね。大坂なおみ。全米、全豪の連続優勝。トップ3(もしくは4)がここ数年交代でグランドスラムを勝ってる男子と違って、群雄割拠の女子テニス界で頭一つ抜け出たかな、っていう感じかな。

 

 これまでの日本人のテニスってのは、錦織圭に代表されるように、主に体格差のせいでどうしても小技に走らざるを得なかったところへ持ってきて、パワーで相手をねじ伏せるっていう大坂のテニスは正直、やっぱり見てて面白い(錦鯉の皆さん、ごめんなさい)。何てったって、錦織より背が高いし、(多分)体重もいい勝負。テニスでも残念ながらやっぱりサイズとパワーって重要だよなあって再確認しちゃいます。準決勝、決勝共に最後のポイントはサーブだし、準々決勝も強烈なサーブからのスマッシュで終わり、ですから。

 

 そうは言っても、3回戦、4回戦、準決勝、決勝はフルセット、どちらが勝ってもおかしくなかったので、これから勝ち続けられるほどプロの世界は甘くないです。特に3回戦の謝淑薇戦は1セット取られて2セット目も後半までずっと押されっぱなし、見てる方も謝淑薇本人も(多分)勝負あったと思ったところからの大逆転でした。決勝もすごかったですが、ああいう「相手のペースにはまった」試合を取りこぼさないところは「つえーなー」と思いました。新しいコーチによるメンタルトレーニングが奏功したとか、インタビューの受け答えが可愛いとか、いろんな話はありますけど、ここでは触れないで、そろそろ本題に入ります。

 

 大坂なおみは日本生まれですが、父親がハイチ系アメリカ人なので、日米の二重国籍です。今21歳、今年の10月で22歳になります。で、ここが肝心なところ。日本政府は二重国籍を認めていないので、大坂のような「出生による二重国籍取得者」は22歳の誕生日までに日本政府に対してどちらかの国籍を選択することになっています。で、僕としては彼女に「選択をしない」でもらいたい。

 

 この「22歳で国籍選択」、実はザル法で、以前ブログに書いたように、ほとんどの二重国籍者は選択しません。わが家の2人の子どもたちもしていません。領事館員にその旨宣言したら「賀茂さん、堪忍してくださいよ〜」って笑いながら言ってました。その場合、日本政府は「日本国籍離脱届け」を出していないので、日本国籍を選択したとみなし、もう一つの国籍は「離脱しようと努力している」と無理筋な解釈(法務省)をします。そうじゃないと世界中で何万人の「法律違反者」が出ちゃうので。

 

 では22歳で選択するのはどういう人たちでしょうか。次の3つのパターンです。1. 法律と実際の運用は知っているものの、いい加減なことが嫌いなので、真面目に選択する人。2. 実態を知らないので、領事館員や大使館員の言うことを聞いて、選択しないといけないと思い込んじゃう人。3. 有名人。

 

 つまり、「正直な人、情報不足の人、有名な人」が損をすることになります。 実際のところ、日本政府に「国籍選択宣言」をした場合でも、アメリカやイギリスの政府は簡単には「国籍離脱」を認めてはくれないようです。

 有名どころで選択を(多分意識的に)拒否したのが歌手の宇多田ヒカルです。アメリカの国籍を離脱しないと厳密には日本の法律違反なので、外務大臣が「催告」を出せることになっていますが、過去、この催告は一件もなされていません。これを出して「二重国籍を認めないのは基本的人権の侵害だ」とかいう裁判を次々に起こされたら大変なので、これからもこの催告が出ることはないでしょう。

 

 じゃあ、選択しない自由があるんだから大坂なおみがどうしようと関係ない、と思いますよね。僕の子どもたち(出生による二重国籍取得者)にとってはそうなんです。問題は僕や僕の奥さん。「帰化による外国籍取得者」に対して、日本政府は非常に厳しい。僕の場合、アメリカ国籍を取得した瞬間に日本国籍を喪失するので、日本のパスポートを使った瞬間に「旅券法違反」になります。アメリカのパスポートで日本に入ればいいと思うかも知れませんが、その場合は3ヶ月の滞在期限がつきます。さらに、日本国籍を失うと相続などの法律的な面で不利になります。なので、今の所、僕も奥さんもアメリカに30年以上住んでいるのに日本の国籍を持っており、アメリカの在住資格は永住権(グリーンカード)です。選挙では投票ができません。もちろん、選挙に立候補もできません(しないけどw)。ちなみに、もし徴兵制度が復活したら、永住権保持者はアメリカ国民と同じように扱われます。

 

 その反面、アメリカでは州によって、アメリカ国籍を持っていないと遺産相続の際にアメリカ市民ならかからない税金がかかります。ただし、免責額が大きいので、一般庶民が影響を受けることはあまりないようです。権利がないところがあり、こういう州では例えば僕に何かあったら僕の遺産は自動的に奥さんではなく、2人の子どもに相続されます。残された親子間に信頼がないとこれは大きな問題になります。また、信頼があれば何らかの形で(アメリカ国籍を持たない)配偶者に財産を戻せばいいと思うんですが、その場合には贈与税がかかります。調べた限り、僕が住んでいるルイジアナ州は遺産相続に関してアメリカ国籍所有者と永住者を区別していませんが、これを区別する州でリタイアした場合、弁護士立会いの元で遺言書を書かないとならなくなります。また、日米以外の国で6ヶ月以上居住すると、グリーンカードを失う可能性があり、その場合はアメリカに住めなくなります。これは結構大きい。

 

 僕はグリーンカードを取ってもう25年近いので、その気になれば6ヶ月程度でアメリカ国籍を取得できます。申込書も取り寄せて、記入してあります。それでも踏み切れないのは、日本国籍と「日本人としてのアイデンティティ」が分かち難く結びついているから。大坂なおみの場合は逆に、褐色の肌などから「日本人とはなんぞや」みたいな議論が起こったりもしましたが、今時純血主義云々って言ってる人はもう相手にしないことにしましょう。国籍やら「XX人」なんていう概念は一昔前と全然違って、もっと柔軟に対応しないと、ってことはこの2つの事象に共通です。

 

 実際のところ、日本と他国の二重国籍を持っている人は相当な数になります。出生地主義を取る国(アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ブラジル、パキスタンなど)で生まれた日本人は22歳までは自動的に二重国籍になるし、上にリンクした法務省のページにあるように、22歳以降も「日本国籍離脱届け」を出さない限り合法的に(中途半端ながら)、二重国籍です。さらに、サウジアラビアなどはその国の国民と結婚すると自動的に国籍が付与されるので、「自分の意思による多国籍取得」とは見なされず、日本国籍離脱の義務はないので、二重国籍者になります。

 

 長々と書きましたが、要は「重国籍を認めないっていう時代遅れの法律を変えてくれ」のが1年ぶりに書いたこの記事の趣旨です。先進国の過半数は、国政や外交に関わる場合を除き、重国籍を認めています。兵役があるので、日本以上に複雑な背景がある韓国も、2010年に条件付きながら二重国籍を認めました。世界の国々の色分け地図はこちらにあります。また、二重国籍容認に至る歴史的な流れを捉えた論文はこちら

 

 この日本人の「重国籍者問題」は海外在住者にとっては大きな問題です。ノーベル賞受賞者の南部陽一郎さんとかカズオイシグロは日本国籍を離脱しているので、日系人ではあっても、日本人ではありません。この問題を巡っては定期的に署名運動が起こったり、現在も裁判が進行中だったりします。「重国籍 裁判」でググるとたくさん出ます。 

 

 こういった取り組みはこれまでずっとなされてきていますが、いまいち実を結んでいません。なので、大坂なおみが「私は国籍を選択しません」って堂々と言ってくれると議論が盛り上がると思うんですよね。どうも今までの感じでは日本国籍を選択すると思われますが、その場合でも「アメリカ国籍は離脱しません」って宣言してくれると、僕と僕の奥さんのような海外在住者にとって追い風になるんです。

 

 大坂なおみさん、助けてくださいw。

 2019年の4月末だかに平成が終わって、元号が新しくなる。正直、今年は2018年で、平成何年か考えるのに時間がかかるくらいだからもう元号を使うのはやめて欲しいと思うんだけど、まあ、そうはならないんでしょうね。

 ただし、純粋にクイズとして次の元号を予想するのは面白いかもしれないと思ったので、ちょっとやってみる。

 まず、維新以降の元号は、明治、大正、昭和、平成、すぐに気がつくのは画数が少ないこと。最高の「昭」ですら9画。これで相当絞られます。

 また、一文字目は明、大、昭、平。昭はともかく、他は左右対称、もしくはそれに近い。これでも絞られる。

 もう一つヒント。今の元号が平成に決まった時、3つの候補があって、後の二つは修文と正化だったそうな。ただ、修文も正化も頭文字がSで昭和と被るので、最初からダミーだったようだ。つまり、M, T, S, Hと頭文字が変わって来ているので、次の元号もM, T, S, H以外だと思う。これは大きなヒント。

 最後のヒントは「光文事件」。大正天皇の崩御の後、新元号が「昭和」と発表される前に、東京日日新聞(今の毎日)が「光文」と誤報を流した。Wikipediaによれば、その記事には「光文」「大治」「弘文」の候補があった、と書かれていたそうだ。宮内省の最終案は「昭和」「神化」「元化」の3つだったとのこと。第一案にあったのは「神和」「同和」「継明」「順明」「明保」「寛安」「元安」。これも大きなヒント。「明保」以外、頭文字がM、もしくはTがないし、最終案に残ったのは全て画数が少ない。

 と、ここまで書いてから、漢字一覧表を画数の少ない順に調べて、頭文字がM、T、S、H以外のもので、元号の最初の文字に使えそうなものを抜き出してみる。案外数が少ない。7、8画になると余計な「色」、つまり具体的な意味がつくことが多く、元号には使えない。例えば、泥、杯、刻など。へんとつくりがあることが原因かも。

3画:上、久

4画:文、元、公、友、仁、

5画:広、永、甲、弘(人名漢字)

6画:光、安、共、同

7画:完、応、良、孝

8画:京、幸

 この中から明るいイメージで左右対称に近い、という条件だと光、安、幸あたりが選ばれそうな気がする。昭和の改元でみそをつけたとはいえ、光が本命で幸が対抗馬。どっちも読みが「こう」なので、2文字目は共通で選べます。永、安、久とか?「光永」とか「幸安」とかだと思うなあ。

 と、ここまで書いて、他にも「元号予想」してるサイトがあるので、ざっと見てみると、「玉晴」、「安始」、「安久」、「新和」あたりみたい。ただし、「安」はもともと家にいる女性を表すので、今の時代には相応しくない、という見方もあります。僕もそう思う。あと、安倍さんが「安」を推してるっていう信じられない情報があります。ありえん。

 なので、僕の予想はズバリ、「光永」、もしくは「幸久」です。当たったら褒めてねw。

 

アメリカ歯科治療始末記

 

アメリカの医療、特に保険のおかしさについては以前ここにも書いたんだけど、今回は歯科治療の話。こちらは日米どちらがおかしい、という話ではなく、医療制度にも根ざした日米の違いについてです。

 

奥歯の付け根が痛み出したのが11月。かかりつけの歯医者でレントゲン。どうやらそのさらに奥の親知らずが問題らしいってことで、口腔外科を紹介された。こちらではちょっとでも根幹に問題のある親知らずは抜歯が基本です。曰く、「治す価値がない」。というのは、歯科治療は予防に重点を置いているので、あんな奥の歯をきれいに保てるはずがないって発想です。

 

こちらでは歯医者は抜歯をしません。なので、口腔外科(歯医者の資格も持ってることが多いです)に行ったわけですね。ここでより詳細な(3D!)レントゲン写真を撮ると、やはり問題は左上の奥歯の15番でした(以下、アメリカの呼び名にならって歯の位置を右上の1番から左上の16番、左下の17番から右下の32番と呼びます。親知らずは1, 16, 17, 32です)。ちなみに左下の親知らず、17番は昔抜歯していてもうありません。

 

なので、提案されたのが、15番を抜歯して骨移植(後述します)の後インプラント(ネジみたいやつね)してクラウン、その奥の親知らず16番も抜歯。もともと歯医者にも言われたように、右下親知らず、32番が根元まで欠けていて治療できないので、31番への悪影響を考えて抜歯。その上の親知らず1番もないので、どうせ噛めないから抜歯、ということでした。

 

つまり、1, 16, 32の親知らず3本と奥歯15の4本をまとめて抜歯、15番だけ治療するっていうプランです。

 

こっちは親知らず1本を抜きに行ったのに話が違うので、ちょっと面食らいました。治療費も歯医者は基本無保険なので(これも後述)、任意で入ってた保険が使えても抜歯と骨移植で2000ドル(20万円強)、インプラントで1500ドルという出費です。これにクラウンの7~800ドルがさらにかかります。

 

まあしょーがないのかなあと思ってフェイスブックに何気なく呟いたところ、高校の同級生の歯科医Sくんからメールが入った。曰く、日本ではちょっと考えられない治療計画とのこと。なので、口腔外科からレントゲンをもらってメールで送って相談しました。確かに「相棒」の歯がないとはいえ、16番と1番の親知らず2本はとりあえず悪いところがない。右下の32番にしても欠けているけど虫歯ではないから痛いわけではない。手前の奥歯、31番の根の先に病変があるように見えたので、親知らずは残した方がサポートになる(こちらの歯医者も病変は認めてますが、逆に32番があると掃除ができないから抜いた方がいいって考えでした)。

 

痛みのある左上の奥歯、15番は抜きっぱなしでも問題ないし、残っている16番と手前の14番を使った入れ歯という選択肢もある。抜いちゃってインプラントってのは最後の手段、とのこと。メールで何度もやりとりしたけど、確かに筋が通ってます。

 

自分でも色々調べてこちらの歯科医にも2回も相談して出た結論は、こちらの口腔外科の勧め通りに4本抜歯でした。納得した結論を出せたのは同級生のSくんのおかげ。感謝します。では、なぜ日米でここまで違う治療方針が出たのかってのが今回のテーマ。

 

確かにインプラントしてクラウンってのは最後の手段です。日本ではその前に部分入れ歯かブリッジを入れるのが普通。ただしこちらではブリッジも入れ歯も話題にも上らない。その理由は簡単なんです。保険制度の違い。

 

日本では入れ歯とブリッジは相当程度保険が効きますが、インプラントは無保険なので、比較すると高額になります。こちらは全部無保険(もしくは全部任意保険)なので、費用の差があまりない。どうせなら隣の歯に負担がかからず、味覚にも影響のないインプラント、というのが完全に主流です。歯科医でブリッジって言葉は時々聞きますが入れ歯ってのはもう死語に近いです。

 

あと一つのポイントは「健康な歯は残した方がいい」というのが日本、「どうせ清潔にできない親知らずは抜いた方がいい」というのがアメリカ、という点です。こちらの歯科治療はとにかく予防という観点が強いので、清潔にしにくい親知らずは「目の上のたんこぶ」です。隣の歯が必要なブリッジや入れ歯ではなく、最初からインプラントが頭にあるので、親知らずは不要、という点も大きいです。

 

一見全然違う方向を向いているように見えた日米の歯科医の発想の違いでしたが、保険適用範囲の影響と「治療哲学の違い」っていう点もあり、こちらの歯科医も面白がってました。

 

ところで、インプラントを入れる15番の奥歯ですが、骨が後退してるので、「骨移植」が必要とのとこ。これ、調べてみたら処理した牛の骨の粉末を穴に詰めて上からコラーゲンで被せると周りの骨が騙されて同化しちゃう、っていうテク。で、ここにドリルで穴を開けてインプラントを入れる、っていう業です。

 

ちなみに僕より3日前にやっぱりインプラントをした奥さんは抜歯とインプラントを同時にやっちゃうっていう離れ業です。最近は日本でも「ワンデイインプラント」とか言ってやってるところが多いですね。任意保険が効いても2500ドル。もちろんクラウンは別です(痛!)。ただし、看護師から「調子はどう?」って電話はくるし、見舞いの花は届くし、もうサービス産業。

 

その3日後は僕の抜歯当日。痛みにうるさい(忍耐力のない)患者が多いこちらでは基本全部静脈鎮静です。だから一般の歯科医で抜歯をしないんだと思います。こちらの歯医者はとにかく痛くない。なんでも注射しちゃいますから。そういえば30年近く前に、歯科治療に対する恐怖感の日米比較って論文を共同出版したことを思い出しました。ずいぶん昔の話ですが、やはり日本の歯科治療は「痛い」っていうのが一つの結論でした。で怖いので予約しなかったり、ドタキャンしたり予約すっぽかしたりw。 今はもう違うと思うけど。

 

で、僕の抜歯当日。準備で15分以上待たされたものの、一発でころっと意識を失って気がついたら全部終わってました。車椅子に乗せられて家に帰って1日安静。次の日の朝は大雪で、マルクスと庭を駆け回ってたので、予後も順調みたいです。問題なのは財布だけ。

 

それにしても僕には見舞いの花、来ないなあ。雪でキャンセルされちゃった?それともあれって女性患者だけ?社会学者としてはこっちの方にも興味があるので、今度行ったら聞いてみようw。

ならねえよなあ。これってむちゃくちゃややこい話なんです。こちとら当事者なのでいろいろ研究しましたが、おそらく日本人のほとんどは何が何だかわからないと思う。以下、僕の解釈ですが、間違っていたらご指摘よろしくお願いします。「出生による二重国籍者が22歳で選択云々」に興味のある方は、途中の「さて、ここからが本題です」から読んでいただいても構いません。

 

まず、蓮舫さんはお父さんが台湾人、お母さんが日本人で東京生まれ。出生時は台湾国籍(この時代は日本人男性の子どもでないと日本国籍が付与されませんでした。男女差別です)、高校時代に前述の男女差別が撤廃され、日本人女性の子どもにも自動的に日本国籍が与えられるように法律が改正されたのと同時に、日本国籍を取得。現在の法律によれば、22歳になった時に国籍を選択しなければならないことになっています(詳しくは後述)。問題はその時に台湾国籍を離脱したかどうかです。成人してからも「台湾籍を放棄したくない」と言っているので、自分から積極的に台湾国籍を放棄したのではなさそうです。日本は二重国籍を認めていないので、日本政府としては日本国籍を取得した22歳になって「国籍離脱届け」を出さなかった時点で台湾籍は自動的に放棄したとみなします(詳しくは後述)逆に、台湾は二重国籍を認めているので、日本国籍を選択したとしても、台湾国籍を離脱する必要がない。ね、ややこいでしょ?台湾に対しては台湾国籍を離脱する必要がないのに、日本に対してはある。ということは台湾でどちらのパスポートを使っても「合法」です。台湾で「総統選」に投票しても台湾政府が関知する限り、なんの問題もない。それでは、台湾選挙権を行使した場合、日本の法律から見て「違法」になるのでしょうか?僕は専門家ではないのではっきりとはわかりませんが、ちょっと考えた限り、思いつく罪名がないです。ね、ややこいでしょ?

 

今現在、台湾国籍を離脱したことを証明する戸籍を公開するって言ってますが、これは簡単にコメントできることではないです。国会議員の資格は「日本国籍」であり、日本の国益を第一に考えるべき、という論理からは保守(てか、右翼)の言い分にも一理あります。バリバリのリベラル、日本で選挙がある時は大概共産党に投票する僕としても、リベラル陣営の、「戸籍を公開する必要なんてない」っていう主張には「その通り!」とは単純に同意できません。ただし、台湾側からみて二重国籍であろうがなかろうが、「日本国籍」を有する以上、法的な問題は全くない訳で、そうであればやはり公開する必要がないかなと思ってきました。あくまで代議士は日本国民でなければならないっていう法律の話で、「ここで公開したらのちのち多重国籍者に対する差別につながる」ってのも短絡的かなと思いますし。

 

ここでは、蓮舫さんの話が「日本政府が二重国籍を容認」する、つまり、「災い転じて福となす」という展開にならないかなという希望的観測をもとに、以下、書いてみます。

 

僕はアメリカ在住34年ですが、未だに日本国籍、アメリカ永住権保持者です。アメリカ国籍の取得資格はあるし、申込書も取り寄せてあります。これに記入して、725ドル(約8万円)の手数料を払えば、5〜6ヶ月で取れます。アメリカでは相続に関してアメリカ国民と永住権保持者に差があり、僕か奥さんに万が一のことがあった場合、子どもとの間に「相続」で揉める可能性があります(まあ、そんな財産もないので、揉めないけどw)。選挙権もないので、いくらトランプが阿呆だと思っても、投票できません。つまり、アメリカ国籍を取得することには大きな利点があります。

 

その決断ができない理由は簡単です。日本政府が二重国籍を認めていないので、22歳より年上である僕はアメリカ国籍を取った瞬間に、日本国籍が喪失するから。とは言っても届出を出さなければ日本政府は気がつかないので、とりあえずはこの時点では、国籍は自動的に喪失してはいるものの、法律違反ではないです。ただし、日本のパスポートを使った瞬間に「旅券法違反」になるし、日本の「選挙権」を行使した瞬間になんらかの法律違反になります。人生の半分以上をアメリカで過ごしたとはいえ、僕のアイデンティティは日本です。なので、日本国籍を喪失することは避けたい、つまり、日本政府が二重国籍を認めていないことは僕にとって「不利益」になります。なので、日本政府も二重国籍を認めてほしいと切に思います。

 

「2つの国の国籍を両方欲しい」ってのは「わがまま」だからこの論理には説得力がない、って思う人もいるかもしれません。しかしながら、海外で生活をするにはその国の国籍がないと困る場合が多々あり、それではこういうケースはどうでしょう。日本人の女性がサウジアラビア、イラン、エチオピアなどの男性と結婚して、男性の国で生活しようとすると自動的にその国の国籍が付与されます。国籍を取得しない限りその国には住めません。日本政府は二重国籍を認めていないので、その日本人女性は夫(とその国に住むこと)か日本国籍か、どちらを選ばなければなりません。これは理不尽ですよね。なので、二重国籍を認めないのは「基本的人権の侵害だ」ということができます。とある弁護士に話しましたが、十分成り立つ論理だとのことでした。繰り返し起こされている裁判のポイントもそこです。海外移住が盛んになっている現在では、二重国籍を認める国が増えてもいます。

 

はっきり違法である二重国籍者(そうじゃない場合は後述します)が成田の入国係官に2通のパスポートを見せると、係官は日本のパスポートを見なかったことにして無言で突き返すそうです。上に書いたように、「旅券法違反」ですからね。もし新人がこんな人を捕まえたら恐らく上司から大目玉を喰らいます。法律に沿った扱いをしないとまずいので、とんでもなく面倒なことになる。さらには、こんな事件が公になって「二重国籍容認」の風潮に火がついたら大変なことになります。二重国籍の禁止は、政治家以外に関しては全く論理的に成り立たないので。なので、僕はアメリカ国籍を取ってから日米両方のパスポートを成田の入管で見せて、わざと捕まって横浜の外国人収容所に入って、マスコミでキャンペーンを張ろうかと結構真面目に考えたこともあります。これって面白いと思うんだけどなあ。

 

さて、ここからが本題です(長い前置きで申し訳ない)。 

 

実は、世界中には日本ともう一つ(あるいはそれ以上)の国籍を「合法的に」所持している人たちが何万人といます。わが家の二人の子どもたちもそうです。二人ともアメリカで生まれているので、「出生地国籍主義」を取る政府のもと、アメリカ国籍を自動的に付与されています。と同時に日本政府に出生届を出し、日本国籍も取得しています。14日以内に届を出さない場合、日本国籍はもらえません。アメリカ生まれの日本人で親が出生届を忘れて日本国籍を持っていない子どもも身近に知ってます。まあ日本のお役所ってのは厳しいんだわ。

 

さて、アメリカ生まれ(まあ、カナダでもどこでも出生地国籍主義を取っている国ならどこでもいいんですけどね)の日本人は二重国籍者となります。巷に喧伝されているのは18歳(20歳?)で選択しないとうんぬんって奴ですが、だいたい嘘ですw。実際のところは、22歳の誕生日より前に選択をすることになっています。ただし、そんなこと海外に住んでる日本人はほとんど誰も知らないし、面倒でもあるので、大多数(たぶん9割以上)は選択しません。僕は事情を知っていたので、領事館員に「うちの子どもは選択させませんから、よろしく」って言っておきました。領事館員は、「賀茂さん、そんなこと言わないでくださいよ〜〜〜」って笑ってました。日本政府も真面目に選択させようとは思ってない。だって、もともと誰も選択しないんですから。

 

さて、選択しないとどうなるんでしょうか?何万人の犯罪者を作り出すのは日本政府としてもまずいし、その何人かから「二重国籍を認めないのは基本的人権の侵害だ」などの理由で裁判を起こされたらたまりません。なので、日本政府はうちの二人の子どもを「合法」にするために、どんでもない解釈をします。いわく、国籍離脱届を出さなかったので、日本政府としては日本国籍を選択したとみなします。アメリカ国籍も所持していると「違法」になるので、日本政府はむりくりに「アメリカ国籍を離脱する努力をしているw」と見なすんです。だから合法。むりくりでしょ、これw。「努力」をしていないと見なされるとどうなるかって?どうにもなりません。こういったケースで唯一権限を持つ外務省法務大臣から「催告」が出されたケースはゼロです。こういった「出生による二重国籍保持者」の代表が歌手の宇多田ヒカルです。お母さんが藤圭子、アメリカ生まれです。宇多田ヒカルが逮捕されない限り、とっくに22歳を過ぎているわが家の息子たちも安泰です。

 

理屈として、僕のように自分の意思で他国に帰化した日本人からは国籍を剥奪するが、自分の意思ではない「出生による二重国籍者」には寛容、ということです。わかったようなわからないような。

 

で、ここから僕の理解はあいまいになります。日本に住む在日コリアンの場合、22歳までに国籍を選択するという義務がどうやら厳密に課されているらしいです。もしそうであれば、出生地国籍主義を取る外国で生まれた子どもたちは、一生にわたって二重国籍を保持できる特権を与えられているのに、在日コリアンには与えられていない。僕には、これって差別のように思えるんですが。ということは、海外で生まれた日本人子弟(うちの子どもたちと宇多田ヒカルを含む)に与えられている特権を、蓮舫さんは気がつかないうちに行使してしまった、ってことかとも思います。

 

これも推測なのですが、日本の政府がかたくなに二重国籍を認めようとしないのは、それを認めると日韓の二重国籍者が増えるのが理由だと思います。国籍にかかわらず、日本生まれの在日コリアンは通常日本で生活すると思うので、二重国籍を認めると何が困るんだとは思いますけど。何より、国籍のいかんに関わらず、合法的に日本に滞在していれば、日本国民と同じ権利と義務が与えられて当然だと思うし。アメリカでは国籍を持とうと持つまいと、選挙権、陪審員資格、相続制度以外は平等です。逆に徴兵制度や徴税などはアメリカ国民と同様の義務が課されますから。

 

蓮舫さんの二重国籍問題は、本来であれば、グローバル時代の現在、二重国籍を認めないというのがいかに古臭い考えであるか、ということを国民の間で議論するきっかけとするべきでした。二重国籍問題はある程度「超党派」の部分があり、2008年には自民党の河野太郎衆院議員が二重国籍を認める国籍法改正の私案を提示したこともあります。あるいは、そこまでいかなくても、在日コリアンには22歳で「究極の選択」を迫り、海外で生まれた日本人には特権を与えるっていうダブルスタンダードには言及してもいいかとは思います。

 

そんなことを主張して、わが家の2人の子どもから特権を奪うことにならないかって?心配ご無用です。何万人という規模で海外に散らばってる「出生による二重国籍取得者」を全部チェックできるはずがないし、上にも書いたように二重国籍容認論に火をつけるようなことを政府はしません。上の河野私案もすぐに潰されました。

 

ややこい話を読んでいただき、ありがとうございました。海外に住む日本人には身近な話題なので、困っている方、悩んでいる方などいらっしゃいましたら、このブログを紹介してください。

 

さて、蓮舫さん、どうやって始末をつけるのかな。たぶん台湾国籍を離脱したのは最近なので、火に油を注ぐ結果になるんじゃないかと個人的には思ってますが…。

 

追記:後から読んだ朝日新聞の解説などを元に、一部編集しました(赤字になってます)。

ここ1週間くらい、日本はヒアリ(火蟻)の話で大騒ぎ。FBにも書いたけど、アメリカ南部のルイジアナでいつも目にしてる僕からするとちょっと笑っちゃうような騒動です。以下、観察や感想など。

 

文字通りFire Ants(火蟻)はわが家の庭にはいつもいます。それもいっぱい。主に芝とコンクリートの境目に直径30cmくらい、高さ10cm以上の蟻塚があるので、すぐにわかります。わが家の庭に3つ4つかな。小学校の校庭にもいっぱいいるし、わんこを散歩に連れて行く公園や野原にもたくさんいます。でも全然気になりません。理由はおいおいね。

 

ヒアリはアメリカでは主に南部に限定されており北の方にはいません。シアトルから引っ越してすぐ、こんな蟻がいるのを知らなかったので、その当時2歳だった長男の将大が「蟻に刺された〜。痛いよ〜」って行って泣き出した時、「蟻が刺すわけないでしょ」って怒っちゃったw。奥さんは妊娠中に足を刺されたし、次男の健太は塀から落ちて蟻塚の上に尻餅をついて刺されたし、僕は庭仕事してて刺されるのは日常茶飯(年に2、3回?)。最初は痛くて、そのうち痒くなって、3、4日で治ります。この中では奥さんだけが蕁麻疹が出たけど、妊娠中なのでステロイド注射ができず、治るまで4、5日我慢したかな。

  

アメリカでアナフィラキシーショックで死ぬ人は年間100人とか。アレルギー反応が強い人でしょうね。日本の人口にあてはめると30人、蜂に刺されて死ぬ人が2~30人なので、それと同じくらいの「危険度」です。ただし、日本の気候を考えると、こうなるには何年もかかるはず(後述)。今日、環境省が「海外での死亡例が確認できない」とHPから削除したそうです。おばかですねえ。

  

ルイジアナで庭仕事をしていて、一番怖いのはやはり蜂です。痛さが違います。これ以上に怖いのが「毒蜘蛛」です。過去一度しか刺されたことがないんですが、痛いし、傷跡がどす黒く変色しました。このどっちもなんの「警告」もなくやられます。これに比べたらヒアリはちょろいです。蟻塚さえ避ければほとんどやられることがないし、衣服やスニーカーの上ならはたき落とせます。知り合いには家の中でやられた人がいますが、僕は家の中では全く見たことがない。芝刈りの時は避けることもありますが、基本的には蟻塚の上から芝刈り機を走らせちゃいます。攻撃性はなく、蟻塚を崩された時などに自己防衛で襲ってきます。

 

つまり、日常生活をしていれば「邪魔」にはなるけど「危害」を加えることは少ない。そういう点で近いのは「ゴキブリ」か「ノミ」、もしくは「ダニ」ですかね。テレビのニュースで喧伝されている「史上最凶の生物」とはとても思えません。僕のFBの投稿に対しても、南部に住んでいる(た)人が複数「同じように思ってました」ってコメントしてます。今一番気にしてるのは散歩の途中で愛犬、カールマルクスが蟻塚に足を突っ込まないか、ということです。

 

ヒアリで面倒なのは「駆除」が困難なこと。毎年4月、僕が住んでいるエリアでは住民団体が「Fire ant funeral(ヒアリの葬式)」と銘打って粒状の薬を配り、庭に一斉に撒くように要請がきます。自分の家だけに撒くと隣の家に移動して蟻塚を作るので根絶ができないんです。なので、近所の人たちが一斉に薬を撒くことが必要。ただ、市で運営しているドッグランには蟻塚が全くないし、レベルの高い野球場では芝のグランドでも蟻塚を見ないので、うまくやれば根絶は可能みたい。

 

あと、農業被害が云々って言われてますが、調べた限りでは害虫を殺す側面もあるので、ヒアリを「害虫」と見なすべきか否か、に関して議論もあります。南部の牧場などではヒアリの蟻塚はそのままにしておくことがほとんどです。

 

アメリカではしばらくの間、南部にしかいなくて、アリゾナの砂漠を越えられないので、西海岸には進出してなかったのですが、1998年に確認されて大騒ぎになったって友人が言ってました。ただ、調べた限りでは未だに主に温暖な南部と東海岸、西海岸の南にしかいません。僕の庭でも夏には数多くの蟻塚を見ますが、冬はあんまり見ません。ウィキペディアによれば最適な気温は32度となっています。なので、日本で見つかったとは言っても、爆発的に繁殖するとは思えません。日本は寒すぎるんです。蜂と同じくらい危険な存在になるにはたぶん10年以上かかるし(それまでに駆除される可能性もあります)、それまでの間に死者が出るとも思えません。

 

じゃあどうしてマスコミでこんなに大騒ぎするんでしょう。神戸で、名古屋で、東京で見つかったとかですが、たぶんこんなレベルのヒアリは前からいたはずです。この騒動でより注意するから見つかるようになった、ってのが正解でしょう。少なからぬ人たちが、都議選における自民党の惨敗や安倍政権のゴタゴタの隠れ蓑だと思ってます。もしくはこのヒアリ騒動で得をする「産業」や「関係者」が裏で糸を引いている。視聴者が実際の影響や損害を知らないのをいいことに、ヒアリを「最凶の生物」と「ブランド化」して情報操作してる感じがします。

 

理由はともかく、ここしばらくの「ヒアリ騒動」、ちょっと常軌を逸してます。

 なんかやばくね?

 

 日本はどんどんきな臭い方向に進んでいってて、なんと文科大臣までが「憲法や教育基本法に反しなければ」「教材として用いることに問題はない」って言いだしたとか。日経の小田嶋さん、相変わらず飛ばしてます。こちらは一読して損しないです。

 

 僕くらいの歳の人なら「赤尾敏」って知ってると思うんですよね。数寄屋橋の交差点でいつも演説してた「変なおじさん」(ただし、赤尾さんは尊皇主義者ではなかったようです)。当時ならだれも真面目に耳を傾けなかったような言説が文科大臣や防衛大臣の口から聞かれるようになったんですねえ。いやあ、世の中変わるもんです。

 

 でも、教育勅語って実際、知ってます?ってんで、現代語訳を探してみたら、これがまあ、いい加減なんだわ。みんな都合のいいように訳してます。まあそのなかでもわかりやすいのが、高橋源一郎訳「チューさん」のかなあ。訳が偏ってるかどうかは1行目でわかります。「皇祖皇宗國」をごまかさずに訳してるかどうかね。まあ、これ読んで、「憲法に違反しないように」ってのは無理だよねえ。「主権在民」のかけらもない。

 

 ところで、安倍さんが100万円寄付したって、これまじ?まさかねえ。これが本当なら安倍さんおしまいやん。

 

追記:あ、たぶんわかった気がする。安倍夫人が講演した時に100万円の講演料が出たのを「いえ、結構です。」「いえいえ、そういうわけには」「それなら安倍晋三からの寄付ということでお受け取りください」ってあたりじゃない?それだと寄付にはならないから安倍さん、辛くも逃げ延びるって感じ?これで本筋の「便宜供与」から注意が逸らされちゃいますね。

 

あちゃあ、派手に間違えましたねえ。断言しちゃいましたからねえ。「ヒラリーが勝ちます」って。どうかお許しを。

 

まあ、言い訳をすれば、心情的にトランプに「勝ってほしい」と思ってた人以外でこの結果を予想した人は誰もいなかったわけで、唯一声高に「危機」を叫んでたのは、ミシガン出身の映画監督、マイケルムーアだけでした。僕の学部の大学院生の一人は、趣味で始めたブログでの民主党の候補予想が各州であたりまくったので、民主党から相当なお金をもらって、大学院もスパッとやめちゃったのに、かわいそうに、この結果でたぶん失業です。

  

トランプが勝った原因ってのはいろいろ取り沙汰されてますが、僕が見るところでは次の3つです。

 

1. 「不人気投票」に勝った。世論調査に「どっちも嫌いだけど、まだトランプのほうがまし」って答えた人が多かったと言います。ヒラリーは「クリントン財団」の不明朗会計やら、ウォールストリートや大企業との癒着やら、私用アドレスで「機密情報」に関するメールをやり取りした疑惑(とそれに対してメールの内容を明らかにしなかった)やらで、「信用できない」っていうレーベルがべったりと張り付いちゃった。トランプがそこを突いたから勝った、というより、この辺はヒラリーと民主党の自滅です。それに比べたらトランプの女癖の悪さや脱税疑惑なんてのは「まだまし」っていう感覚だったようです。

 

2. 経済的な不満が爆発した。アメリカでは近年失業率が下がり、公的には「景気がいい」ことになってます。ところが、一般庶民、特に地方の住民(典型的には大卒資格を持たない白人男性)の実感は全く違ってます。一昔前なら高校を出て工場で働けばちゃんとした生活ができたのに、グローバリゼーションとやらのおかげで仕事はメキシコやアジアに行っちゃって、お定まりの産業空洞化。景気がいいのは都市に住んでる人、特にトップ1%の人たちで、大企業の社長クラスになると平均的な労働者の400倍とかの年収をもらうのが当たり前。つまり平均400万円なら年収16億円です。これが普通ってありえなくね?で、ただでさえ仕事が少ない地方の町にメキシコ人やらの移民がやってきて仕事をかっさらっていく(と思った)んだから「メキシコとの国境に壁を作る」とかわけわかんないこと言っても喝采されちゃうわけですね。

 

3. エスタブリッシュメント(既成勢力、支配階級)に対する反乱。つまり、民主党も共和党も一般的な有権者が何を考えてるか、全く見えてなかったってことです。確かに人権や平等を旗印にして女性や黒人を優遇しすぎっていう面もあったわけで、それに取り残された白人男性の反乱ってのは大きなファクターだったでしょうね。エスタブリッシュメントにはメディアや大学も含まれるわけで、世論調査が軒並み外れたってのは、僕も含めて本当に恥ずかしい。もっと言えば、今回トランプが勝った理由と、選挙予想が全く外れたってのは、実は同じ理由なんですね。つまり、「分析する」側の人間が、過半数のアメリカ人が何を求めてるか、全く理解できなかった。その不満が票になったし、それが票につながるってのを読めなかった。この辺は同僚とも話したのですが、「社会学者」としては本当に情けないですね。

 

さて、それでは今後どうなるでしょうか。まず、トランプはものすごく苦労するはずです。大企業優遇を是正して庶民に富を再分配して強いアメリカを取り戻す、なんて大見得切ったけど、本来最初の二つは共和党の理想とは無縁です。で、その共和党ががっちりと議会の過半数を握ってます。つまりトランプは大統領にはなったものの、自分に投票してくれた人たちの望む政策ができるとはとても思えない。どこかでどちらかに背を向ける必要があります。オバマの2期目のように支持者に失望されるか、共和党からつまはじきにされて何もできなくなるか、どちらかになる可能性が高い。4年もたずに辞任して副大統領のペンスが大統領になっても全然驚きません。その場合、ペンスは昔ながらの共和党の政策を進めるので、トランプの支持者は離れます。

 

日本にとってはどうでしょうか?「安保タダ乗り論」とかってのは在日米軍の経費の75%だかを日本が払ってるのを知らなかったトランプのホラ話ですが、中国や北朝鮮とちゃんとした交渉ができるかどうか疑問があります。ただし、そういうのは実務レベルでの話なので、まともな人間が周りにつけば(それも疑問ですが)、そうひどいことにはならない。トランプがかっとなったら戦争になると思ってる人もいるようですが、アメリカの政治システムってのはそこまでひどくない。フェイルセーフ機能が働きます。またトランプは「アメリカが世界の警察になるのはもうごめん」と思ってますから、これも長期的な変化がちょっと早くなるくらいのものかと思います。ただ、その過程で秩序が揺らぐので、中国の覇権志向なんかもからんで面倒なことになる可能性はあります。ただし、トランプはロシアと(今の所)仲がいいので、中国を牽制する力はしばらくの間持ち続けるとは思いますが。

 

日本にとって幸いなのは、トランプは絶対にTPPの批准は許さないということです。ヒラリーも一応そう言ってましたが、あれは口先です。トランプの支持者は反グローバリゼーション=反TPPだし、トランプもこの信念は揺るがない。僕は昔から TPPは益より害のほうがはるかに多いと思ってるので、ある意味、トランプが大統領になったのは日本にとっては必ずしもマイナスではないと思ってます。アメリカ社会の分析で鳴らす堤未果さんなんかも、最近書いたものを読むとほとんどトランプ支持じゃないかと思えるくらいの反グローバリゼーションだし。グローバリゼーションってのは貧富の差を拡大し経済が政治を凌駕するシステムです。これはやめたほうがいい。同じことをEU離脱を決めたイギリス人もおそらく直感で判断したんだと思います。Brexitとトランプの勝利は密接につながってます。

 

アメリカの今後は日本とは比べものにならないくらいの苦難の道です。これはヒラリーが勝っても同じことです。都会と地方、黒人と白人、女性と男性、大卒と高卒、このての分裂がこれほど如実になった選挙は未だかってありませんでした。もともとあった分裂をトランプが引きずり出したのか、トランプがそのきっかけ、もしくはそれを助長したのかはわかりません。何れにしても、大統領選挙の結果に関わらず、アメリカ社会の軋みは1960年代の公民権運動、ベトナム反戦運動以来のものだと思います。

 

返す返すも民主党の予備選でバーニーサンダースが勝っていればよかったと思います。基本的に言ってることは経済政策に関する限りトランプとほとんど変わらない。彼が民主党の候補になってたらトランプ支持者の票を集めて勝っていたと思います。そうすればこの選挙で明らかになったアメリカ社会の分裂のガス抜き、もしくは根本的な解決ができたかもしれない。ただ、トランプが勝って一つ期待できるのは、長期的に見てプラスに転じる可能性があるということです。経済格差の縮小と、冷水を浴びた既存政党(特に民主党)がもうすこしまともな候補を立てるってことでしょうか。僕が個人的には史上最低の総理大臣だと思ってる安倍さんよりはずっとまともなことを言ってるということも確かです。

 

これから4年間、野次馬根性としては面白いですが、世界中の誰しも、アメリカの動向に関しては野次馬になれないところが辛いところです。

もうご存知の方も多いと思いますが、ルイジアナ州南部、僕が住むバトンルージュ近郊が何十年来という大洪水に見舞われました。

まずは写真から。


これが大学。たぶん土曜日です。手前左がゴルフコース、真ん中の上にフットボールスタジアムが見えますが、その右側、赤い屋根のあたりがキャンパスの中心部。水は1日で引きました。その気になれば、もう日曜日から行けました。
 
次は近所の写真。みんな歩いていけるところです。











この辺りの写真は全部土曜日です。それでも比較的低いところにあるわが家には全然水もはいらず、ほっとしてたのですが....。
 
長い間降り続いた雨で増水した川が氾濫し、その流域を中心にとんでもないことになってきたのが土曜から日曜にかけて。知り合いの一人も日曜の早朝に床上浸水。別の知り合いは月曜の夜遅くがピークでした。下流では3、4日遅れで増水のピークが来るので、今週末が山場ってところもあります。
 
現場に居合わせたテレビクルーが偶然撮影して有名になったニュースビデオ。(後でわかったことには、この男性、長男の将大の高校の同級生のデイビッド。サッカー部で一緒でしたw)

主にやられたのはバトンルージュの北側と東側。写真はこちら

大学を含めて学校は金曜から休校。今週いっぱい休みを決めたところもあります。LSUは来週の月曜から授業が始まるので、その前には開くでしょうけど、学校の建物が水没してるところもたくさんあり、どうなるのか見当もつきません。
 
これまでこういった水害は1983, 89, 95年とあったようですが、みんなが「平等に」停電して、木が倒れて、というハリケーンとは違って、こういう洪水は明暗が分かれます。東北の津波でも、道を一本隔てて天国と地獄っていうところがあったようですが、この洪水もまさにそうです。領事館に頼まれて日本人の安否確認をしたところ、床上浸水がわかっただけで2軒、連絡が取れない人が1人、教授と院生で70人以上いる学部でも浸水した(と思われる)家族が2軒しかいません。ただし、これは被害が大きかったエリアに住む日本人、大学関係者が少ないからでもあります。
 
高速道路は水に浸かって走れないし、家を失って避難した人が何万人といます。経済的な影響も含めて今後どうなるのか予断を許しませんが、とにかく今は一刻も早く水が引くのを祈るのみです。
 
とりあえず無事です、という近況報告を兼ねたエントリでした。