ほわーんとしてそうに見えて、将来のビジョンをしっかり持ってる、雅紀。
俺は...何してんだろ?
なんとなく、学校行って、なんとなく、大学行って...って、そんなふうにしか考えてなかった。
俺、カッコわりぃなって思いながら頭を掻いた。
雅紀は首をかしげて俺を見てる。
いや、マジで、すごいわ、お前。
「惚れ直した!」
俺の言葉に雅紀がぷって、吹き出した。
「なんだよ、真面目に言ってんだぞ?」
「ふふ、うん。ありがと」
ホントにダメだって。
そんな可愛い顔で笑われたら...
また、キスしたくなんだろ。
思わず手を伸ばして頬に触れた。
さっきの、不意打ちみたいなやつじゃなくて、ちゃんと、したい。
「...あの、さ...もう1回、キスしても、いい?」
「え?」
「もっと、ちゃんと、したいんだけど」
「...え...あ、あの...」
雅紀の目が泳いで下を向いた。
拒否、じゃない。
ってことは、していいってことでいいんだよな?
赤くなった雅紀の手を引いて、階段を上がった。
冷静になってみたら、寝てるとはいえ、翼の前でキスとか、気が引ける。
雅紀は、何も言わずにおとなしくついてくる、けど...
部屋の前で立ち止まる。
お前はどう思ってんの?
俺ばっか、急いでねぇ?
「しょーちゃん?」
「...ごめん...」
振り向いて、そっと抱きしめた。