空高く 117

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「しょ…ちゃ…」


掠れた声が聞こえて、身体を離した。
真っ赤になった雅紀に、我に返る。


「…ごめん…」


俺、何やってんだろ。
がっつき過ぎだろ。



「また、暴走した。耳、隠しておけよ?」


耳にかけた髪の毛を元に戻しながら言えば、不思議そうに俺を見上げる。


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「え?耳?」

「うん…出てるとやばい」

「出てると、やばい?」



わかんねーのか。
わかんねーんだろうな。


「いいから、とにかくしまっとけ」

「…うん…」

うんって、言ってるけど、意味、わかってんのか?
とりあえず、念押ししておくか。


「髪の毛、耳にかけんなよ?」

「あ…うん。わかった」


やっぱり、分かってなかったか。
ほっとしたような笑顔に、悪戯心がむくむく、湧いてくる。



ネクタイを外して、首にかけてやりながら、

「耳、出すのは俺の前でだけ、な?」


耳元で囁いてやったら、あっという間に首まで真っ赤になる。


…あぁ、もう…


ミイラ取りがミイラになるって、こういうことを言うんだな…


ハマってくのは俺の方。



ネクタイを手早く結んで、細い身体をぎゅって、腕の中に閉じ込めた。




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