先週末は月次祭の時でしたが、今回私は内宮(伊勢)での夜のお祭りを奉観する機会に恵まれました。

 

その前には、五十鈴川にて夜の水行を行い禊をしてから内宮へ向かいましたが、水行も内宮での奉観も基本無言で行われました。以前、5月の早朝の禊を五十鈴川で体験したことがありますが、6月でも夜の川での禊は冷たいものでした。今回は首元までちゃんと水に入りましたが、ただその冷たさもじっとしていると肌の周りに幕が張るような温かみができることがわかりました。

 

1498262647225.jpg

 

 

奉観とはいっても最初は何も見えず、人が歩いている音ばかり聴こえていました。事前に見ることが出来ると期待していかないことと言われていましたが、本当に何も見えませんでした。

 

しかし、真っ暗な中でのお祭りは、耳が研ぎ澄まされるようで、風の音にさざめく葉ずれの音がとても印象的でした。空を見上げると見たこともないほどの星の数々がきらめいていてとても神秘的でしたし、たまに蛍が瞬き、松明がはぜる音が聞こえ、火が静かに揺れ動く様が目が離せなくなるような不思議な動きに見え、遠くで木の扉の開閉する音や、柏手の音が闇の中に響いてくるのも夢の中のようにも思えました。そして風の音にはなにか決まりがあるような感じもしてきました。

 

古来より月次祭(つきなみさい)は、2月の祈年祭と11月の新嘗祭と共に、6月、12月の月次祭も併せて「国家大事也」と言われた重要なお祭りです。その祝詞は一部を除いて祈年祭の祝詞と全く同じ構成だといいます。

 

そしてこの夜、宮中では天皇陛下が神今食をされました。天皇自らがご飯を神祇に供薦し、御自らも聞し食す儀です。この時神嘉殿には「真床追衾(まとこおうふすま)」が備えられる新嘗祭と変わらないお祭りを行われていたといいます。

 

現在の宮中祭祀についてはわかりませんが、陛下がこの月次祭の行われている時間に、神宮へ遥拝をされているというご説明がありました。つまり同じ時間を私達は陛下と共有していたのです。貴重な体験をさせていただきました。

 

私はこのようなお祭りが、一時中断した時期はありましたけれども、古来からずっと続けられてきた奇跡、またこれを守られたきた先人を始めとする神宮の方々に有難さを改めて感じた一時でもありました。

 

静かで長いお祭りを終えて、宇治橋を渡り現実世界へ戻ってみるともう23時を軽く過ぎた時間でした。

 

 

翌朝、宇治橋開門直後です。

 

1498262646020.jpg

 

 

 

1498262646773.jpg

 

早朝に特別参拝をしたのですが、今回御垣内参拝の時に、初めて膝をつく神職の方々が行っているのと同じ拝礼をさせていただきました。天候にも恵まれ、参拝の頃には朝陽が輝き素晴らしい時間でした。写真は参拝の後御垣内を出てから撮ったものです。

 

1498262645179.jpg

 

 

 

1498262644327.jpg

 

この参拝が終了後に朝食だったのですが、それが8時からでしたからいかに早い時間に参拝したかがわかるかと思います。

 

 

12月の月次祭も誘われているのですが、ヘタレの私には無理だと思います。しかし、今回このような機会をいただけたことが本当に有難く感謝いたしました。