五月半ばから、歴代天皇の祭日(遅れも多いけど)にその天皇についてまとめてみていますが、今現在私のお気に入り(誠に失礼ながら)は意外なことに雄略天皇です。


今まで歴史の教科書でサラッとやったぐらいしか天皇について知りませんでしたので、昨日も書きましたが知っている歴代の天皇は数名しかいませんでしたから、新しい話ばかりです。そんな中なぜこの天皇の名が知られてないんだろう?と思うほどカリスマ性があったのが雄略天皇だったのです。いかにもカリスマらしくこの天皇には正反対の呼び名があります。「大悪天皇」と「有徳天皇」です。


初め「日本書紀」を読んだら残虐過ぎてびっくりしましたが、なにしろ兄の天皇が暗殺されたのを機に、その実行犯である7歳の王から影にいたかもしれない人から、この暗殺のあることを知っていたのかいないのかはっきりしない皇子達(つまり兄弟)まで、どんどん血祭りにあげていきます。いやほんと血祭りなんですよ…。でしまいには従兄弟の皇子までが対象になります。


そんなわけで、実は雄略天皇はのちの世に続いたかもしれない仁徳天皇(祖父)の血筋を自ら絶やしてしまった人でもあります。だから「大悪天皇」の名をもらったという説もあります。だって残虐さでいえば、ヤマトタケルだって凄いものですから(天皇になる前に亡くなったけど)


若かったからなのか、元々の性質か短気だったからなのか、すぐに怒って周りになだめられることも何度もあります。その短気さはまるで織田信長を思い出させます。信長は、周りに恐れられましたが、同時に慕う人も多かった人です。で、この雄略天皇の話もだんだん愛らしいというかのどかというか、いやうまく言えませんが、エピソードの内容が変わってくるのです。それだけ安定した政権を作ったということでしょう。


そもそも、兄の暗殺に始まる兄弟達の抹殺はそれだけ政権が不安定だったからで、間髪入れず即実行していったのはその実行力を表しています。


そんなわけで、ヤマトタケルや織田信長に匹敵する判断力と行動力のあった人と思えるので、今まで名前を知らなかったのが不思議に思えるのです。


できれば今の時代雄略天皇のような適格な判断で実行力のある政治家が望まれます。


☆短気は損気☆