ソロモンの偽証 前篇・事件 | 記憶のための映画メモ

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ソロモンの偽証 前篇・事件


2015年/日本/121分
監督:成島出
出演:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基、西畑澪花、若林時英、西村成忠、他
おすすめ度(5点中) → 4.0


――― あらすじ ―――――――
クリスマスの朝、雪が降り積もった城東第三中学校の校庭で2年A組の生徒・柏木卓也の死体が発見される。警察も学校も飛び降り自殺と判断するが、後日、学校関係者のもとに、柏木の死は自殺ではなく、大出俊次をリーダーとするいじめグループによる殺人だったと訴える匿名の告発状が届く。やがてそれはマスコミにも伝わり、ワイドショーを連日賑わすことに。それでも学校側は穏便に事を収めようと後手を踏むばかりで、事態は悪化の一途を辿っていく。そんな中、事件の第一発見者で2年A組のクラス委員を務める藤野涼子は、大人たちには任せておけないと、自ら真実を暴くべく立ち上がる。そして、全校生徒に対し大出を被告人とする学校内裁判の開廷を提案する藤野だったが…。(allcinemaより)


―――  感想  ―――――――
学生服の若者が出てくるだけでもうタマラナイのですがw、今作はちゃんと面白かったです。


▲ある日、中学校で柏木くんの死体が発見される。発見者の男子がびびっておしっこもらして雪が黄色くなっていく冒頭から好きな感じ。


警察も学校もコレは飛び降り自殺と判断。しかし、後日、ある告発文によって事態は大きく変わる。

柏木くんの死因はいじめによる他殺であるとそこには書かれていたのだ。


▲このことがマスコミにしれ、事件は大きく引っ掻き回されることに。


先生たちは自殺の線で固めたがっているんだけど、何も検証しようとしない大人たちのスタンスに生徒たちはだんだん苛立ってくる。さらに、追い打ちをかけるように、同級生の浅野さんが車に跳ねられ死亡。


それでもことを穏便に済まそうとする大人たちに対し、死体第一発見者の藤野さんが立ち上がる!


▲私、裁判で真実を暴きたいの!


▲つーわけで裁判で白黒はっきりつけようやないかと生徒たちがその準備にとりかかる。


裁判に反対する先生からの嫌がらせにもあう反面、味方してくれる先生の熱さにも勇気づけられながら、彼女たちは奮闘する。


やはり物語として面白いのは、柏木くんの死亡という一つの事件が、中学生それぞれの抱えるモヤモヤを臨界点まで高めていることですね。復讐を企てたり、登校拒否になったり、あらぬ噂がたってしまったり。



個人的にはガリ勉キャラの井上くんが好き。


あと柏木くんは、苛めの現場をみてみぬフリするのは最低だぜ みたいなことを藤野さんに言いながらも、彼本人がみてみぬフリしてるじゃないかってツッコミもあるとは思うんです。でもね、柏木くんはもっとこう観念的な存在なのかなって思いました。仮に彼は人間じゃないとして、倫理的なものの代名詞だったとします。そしたら道徳的な説法はするんだけど実行力がないのは頷けるし、柏木くんが死亡=倫理観の崩壊という考え方もありなわけで、だからこそ倫理的なものを復興するために藤野さんが立ちあがるという流れも納得がいくんですけどね。


さてさて、後篇でどうなっていくのか非常に楽しみです。