怪談新耳袋 怪奇 | 記憶のための映画メモ

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こんにちは!
大好きな映画も数日で忘れてしまう我が記憶力。
ユルユルの脳味噌に喝を入れるための映画ブログです。

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怪談新耳袋 怪奇


2010年/日本/115分
監督:篠崎誠
出演:真野恵里菜、坂田梨香子、鈴木かすみ、吉川友、北原沙弥香、伊沢磨紀、秋本奈緒美、他
おすすめ度(5点中) → 2.5


――― あらすじ ―――――――
「ツキモノ」編と「ノゾミ」編の二部構成。
「ツキモノ」編──女子大生あゆみは通学するバスで裸足の不気味な女を目撃する。やがて、知らぬ間にあゆみの大学に侵入した女は、その超常的な力によって学内に未曾有の災厄をもたらしていく…。
「ノゾミ」編──11歳の誕生日に妹を失った高校生めぐみ。その死に自責の念を感じている彼女は、誕生日が近づくたびに恐ろしい夢や不気味な現象に悩まされていたのだが…。(allcinemaより)


―――  感想  ―――――――
「ツキモノ」編と「ノゾミ」編の二部構成なんだけど、それを知らずにツタヤで手にとったのが「ノゾミ」編。

感想書こうとしたときに、二部構成っていうのを知って慌てて「ツキモノ」をレンタル。1本にしてくださいよ(ヤレヤレ)(´∀`)。

あっ、ちなみに今作の点数は「ツキモノ」編と「ノゾミ」編を別々に採点、足して2で割ってます。あしからず。


■■■ ツキモノ編 1.3点 ■■■

女子大生のあゆみ。彼女は友人に内緒で行った就職活動の帰り道(大学へ向かう途中)、乗っていたバスで裸足の女を見かける。気味悪かったがあまりにもその人が調子悪そうなので「大丈夫ですか」って声をかけたら、「背負う気あんの?」と嫌な返しをされてしまう(ノ_-。)。後にバスを降りて大学へ向かったあゆみだったが、その女が追いかけてきたー!学校大パニック!あゆみ大ピンチ!

って話です(笑)。


バスにいたキモい女っていうのが、ツキモノの被害にあっており、そのツキモノが他者へ乗り移っていく様を描く今作。

いや~、全然面白くなかったっすね!


最初のキモいツキモノ女(バスにいた奴)が学校に来て、まず「君はナンダネ(`×´)」って言ってきた先生を殺します。殺し方は親指をつっこんで目を焼くという行為。学校はパニックになり、みんな逃げるんだけど、主人公あゆみは“あのバスの女じゃん(ガクブル!)”って腰が抜けて逃げ遅れてしまい、それを友人が助けてくれるんですね。

だけど、そしたらその友人にツキモノが憑依してしまい、友人が大暴れするという展開なんですわ。


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▲ツキモノ状態の友人。

ツキモノメイクも全く怖くなく、顔以外はすべて健康体のため、ちょっと画面が引くと鬼ごっこにしか見えない(笑)。


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▲ツキモノガールに目を焼かれた人が学校中に!先生は死んだのに、お前らは死んでないんかいw。


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▲軽はずみな親切心がツキモノを呼ぶという、日常的な呪い映画っすね。

このツキモノガールなんだけど、常にシャックリをしている。ヒックヒック言ってるだけで、かなり微妙。


あと口癖で「見ざる、聞かざる、言わざる」を連呼するんだけど、

僕は「魁!!男塾」で雷電が飼い馴らしていた三匹の猿(不見猿・不聞猿・不言猿)しか想起できませんでしたw(下の画像参照)。


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▲ばーん!


唯一面白いなと思ったのは、ツキモノが現れる前兆に、蛍光灯が毎回同じような点滅を繰り返すんですね。キタゾー!って分かりやすい描写だったので、普通に好きですね。

全体を通して、滅茶苦茶眠たい展開でした。以上、ツキモノ編でした!



■■■ ノゾミ編 3.6点 ■■■

高校生のめぐみ。彼女は11歳の誕生日に湖で妹を失い、その重い自責の念から誕生日が近づくと、妹の幻影を見るようになる。シングルマザーの母親は、すっかり殻に閉じこもるようになっためぐみへの接し方が分からず毎日イライラし、妹が死んだ喪失感もいまだに消え去らない。めぐみは、幻影とどう対峙していくのか!

って話です。


誰からも理解されない孤独な主人公めぐみにすっかり感情移入してしまい、かつ後半のヒーリング展開に僕は涙ウルウルでしたね!イイ話でした。


死んだ妹の幻影に悩むめぐみ。彼女は心療内科にかかってはいるものの、先生から幻影を見るということ自体が病気だと診断されているような孤立した状態なんです。

しかも短いシーンなんだけど、この心療内科のシーンがけっこう好きでして。

ふさぎがちで学校にも行っていないめぐみは、図書館の本をかかえているんですけど、「本を読んでると落ち着くんです」っていうようなことを先生に言うんですね。そしたら、先生が「分かるよ」ってサラっと返すんですよ。でも先生はめぐみのこと、何にも分かってないんです。。。めぐみの寂しさがジーンと迫ってきましたね~。


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▲「分かる」だと(`ε´)。お前に私の何が分かるっていうんじゃー。


だけど、そんなめぐみの前に、彼女の苦悩を分かってくれる人が出てくるんです。

それが偶然遊びに来ていた母の旧友なんですけどね、その人は霊能力者でめぐみが見ているものを感知するんです。そんで除霊をしてくれるんですよ(この除霊のシーンは、抑えたホラー表現でけっこう好きでしたね)。


この霊能力者の存在っていうのがね、めぐみのその後の生き方を現しているようで興味深いっす。

つまり、霊が見える特殊な人間でも、分かり合える友人を持てるということ。人と同じような充実した生活がおくれるということ。だって、その霊能力者は、めぐみの母と仲良しだし、結婚もしていて満ち足りてそうだから(特殊な人のみが持つ孤立感はもちろん抱えているんですが)。


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▲妹の幻影を見ていためぐみ。彼女はその霊と向き合わなければならない。


んで、感動のラストね。

誕生日に母と2人で“事故のあった湖”へお花を添えに行くんですけどね、そこで当時の回想録が流れるんです。

そこでは、物語の間中ずっとしかめっ面だった母の、幸せいっぱいの笑顔が満ち溢れていましてね。

当時の仲睦まじい家族像に、僕なんだか悲しくなって、嬉しくなって、少し泣いちゃいました(甘ちゃんでスミマセン)。


めぐみもずっと悩んでいたし、母親もずっと悩んでいたんです。

2人が内に作っていた“壁”がなくなっていく、癒し展開が良かったですね~。

母親役・秋本奈緒美の演技も良かったです。この映画を下から支える大黒柱みたいな存在でしたね。


まぁこの「ノゾミ編」はホラー映画のお面を被った感動話ですね。

「ツキモノ編」はどうでもいいけどw、「ノゾミ編」はエェ話なんで軽くおすすめです。