私たちは、葱をしょって土鍋をかぶったカモなのか | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 「公の債券」、「乱発」と来れば、これはもう、「戦時公債」しか、連想し得なかったはずです。ほんの一世代前、30年ほど前までは。
1945年の夏に、ポツダム宣言を受諾し、戦闘状態が止み、1952年の春に、サンフランシスコ条約が発効し、戦争状態(同条約1条a項)が終局を迎えたとき、誰が、現在の、国債の乱発、特に、赤字国債の乱発を、予見し得たでしょうか。

 大戦が終結し、戦争で勝つために開発された様々な技術が、戦争以外の分野で応用され、いち早く、GDPの規模を拡大させ経済成長を成し遂げた多くの国の財政(政府の会計)収支が、膨大な額の累積赤字を抱え、軒並み、悪化しています。
皮肉と言えば皮肉ですが、「金銭等を貸し付けて、手持ちの資金を増やしていこうとする者」にとって、経済成長を成し遂げ、将来に渡って経済の安定が見込まれる国の政府は、格好のカモ、与(くみ)し易い相手です。

 例えば、日本国の政府は、本年度の当初予算において、国債や借入金に対する利払いの費用として、13兆3832億2517万4千円を、計上しています。財務省のこのページ、もしくは、本年度特別会計予算書の169頁(=PDFファイル上の175頁)を参照願います。「公債利子等支払」と「復興債利子等支払」を足してください。
因みに、一般会計の税収入及び印紙収入として、50兆10億円を、計上しています。僕は、「未達必至、48兆円いけば、御の字。そして、来年度以降、漸減する」と、思っています。

 先ほど、カモという言葉を使いましたが、私を含む日本国民や、日本で生活し実質的に納税をしている人(実質的に納税をしていない人は、含みません)は、葱をしょって土鍋をかぶったカモということです。もし、あなたの友人が、年収500万円で、借金の利息として、年間、133万円支払っていたら、あなたは、その友人に、どんな助言をされますか。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則