テロ計画を意図的に漏洩することも、テロ行為である | 佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

佐藤 政則「不易流行 -日本再生に向けて-」

変わらぬ理念の実現を目指し、しくみを修正する。
実態に合わなくなった諸制度を見直し、日本国を良くすることを目指す、政治ブログです。

 それにしても、時系列の並びが、揃い過ぎではないのか。5月2日に、ウサマ・ビン・ラディン容疑者殺害の報が流れた。その直後の5月6日に、菅直人首相が、浜岡原発の全ての原子炉の停止を、要請した。

 幸いなことと言うべきか、terrorismという英単語に相当する日本語単語はない。なので、日本語においては、たいていの場合、"テロリズム"とか、"テロ行為"などと、片仮名で表記されている。確認のために、ロングマン現代英英辞典第4版における、terrorismの定義を、書き出してみると、
『the use of violence such as bombing, shooting, or kidnapping to obtain political demands such as making a government do something』
日本語にしてみるなら、
『政府に特定の行動を取らせるなどの、政治的要求を実現するために、爆弾や銃撃や誘拐などの暴力行為を行うこと』という辺りに、なるだろうか。
テロ計画を進めていることを、意図的に漏洩し、暗に"予告"することも、当然、"テロ行為"に含まれるだろう。

 いわゆる植民地化した側と、植民地化された側との、支配する側される側という関係は、2度目の世界大戦後、形式的には解消されたことになっているが、実質的には連綿と続いていると、私は認識している。ブラジルで育てられた鶏の肉が、日本の食品スーパーで安く販売されているほどに、世界経済が一体化しているにもかかわらず、各国の最低賃金は、あまりに不揃いである

 「分割して統治せよ」という言葉がある。第一次世界大戦、そして世界恐慌を経て、世界の強国は、次々と、金本位制から管理通貨制度に移行した。現在、世界経済は、どんどん一体化しているにもかかわらず、同一の基準には基づかない通貨が、複数種も存在し、通貨を制する者、つまり、超大口の投機家が、制御しやすいような仕組みに、なっている。
「東京では、時給10ドルの人が、自販機で、1ドル50セントの温かかったり冷たかったりする缶コーヒーを、気軽に買って飲んでいる」ことを、エチオピアのコーヒー農園で働いている、時給18セント(*)の若者が知ったら、どう思うだろうか。

 今は、"鎖国"していたとされる江戸時代とは違う。原油やウランを元にした電力、希土類を多用した電子機器、電子機器をも多用した自動車、そういうものをふんだんに使う生活をするのなら、ウラン鉱山で働く人の最低賃金にも、心を配るべきである。義とは、そういうことであり、義を失った社会は、テロ行為の標的になると、私は考えている。


神奈川県横須賀市にて
佐藤 政則



(*)
エチオピアの一人当たりのGDP、350ドルを、単純に、1920時間(8時間 x20日 x12月)で、割りました。