あまりに稚拙なことを、わざわざ採り上げるのは、大人げないことだと思いますが、国家財政に関することなので、取り急ぎ、採り上げさせていただきます。
平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律(いわゆる平成22年度公債特例法*)を、誤って解釈している人がおられるらしい。信じたくはないが、そういう国会議員がおられるらしい。信じたくはないが、それが事実なら、その事実に対応するしかない。
平成22年度公債特例法2条1項
政府は、財政法第4条第1項ただし書の規定により発行する公債のほか、平成22年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行することができる。
同法2条2項
前項の規定による公債の発行は、平成23年6月30日までの間、行うことができる。この場合において、同年4月1日以後発行される同項の公債に係る収入は、平成22年度所属の歳入とする。
下線部の「前項の規定による公債」とは、平成22年度の一般会計の歳出の財源に充てるために発行される公債のことであり、平成23年度の一般会計の歳出の財源に充てるために発行される公債のことではない。
平成22年度公債特例法に基づいて、平成23年6月30日に発行する公債は、平成22年度の一般会計の歳出の財源に充てるための公債である。
以上、漢字ばかりで味も素っ気もない、大人げない文章を読んでいただき、ありがとうございます。
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"特例公債法"という略称も見聞きしますが、「公債の特例法」という意味合いを明確にするために、私は、公債特例法と略しています。"特例公債法"だと、特例公債(赤字公債)という、恒久的な制度があると、誤解する人が増えるように思います。