昨年5月15日に、当ブログにて書きました通り、消費税率を、仮に5%から10%に上げたとしても、税収が増えるであろう額は、10兆円弱である。財務省のサイトにアップされている、平成22年度の消費税の税収額(予算額)は、9兆6380億円である。
それに対して、国債及び国の借入金の現在高は、904兆772億円であり、税率5%の消費税収の約94倍である。
財政法4条によれば、本来、国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない(但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる)。
ならば、904兆772億円の内訳が、公共事業費、出資金及び貸付金のみかと言えば、そうではない。大半は、それら以外である。財政法4条に反する予算を成立させるために、毎年のように、公債発行に関する特例法を成立させて、赤字国債を発行し続けてきた。
国の財政を一般家庭の家計にたとえるなら、公共事業費のための建設国債は住宅ローンであり、赤字国債は使途が限定されていない消費者金融のフリーローンである。消費者金融から借りてきたお金を、子ども手当と名付けて、子育てに使っている。
「消費税を増税すれば、公的年金や公的医療保険などの社会保障の財政が安定するはずだ」と、現実を精査することなく思い込んでいる人達が、この国の内閣を構成している。これがこの国の現実である、夢であって欲しい。