アパッチ野球軍 | VBCテレビブログ放送

アパッチ野球軍

「どてらい男(やつ)」('73~'77年・関西テレビ)や「あかんたれ」('76~'78年・東海テレビ)などの、商人根性ドラマで有名な故・花登筐原作、故・梅本さちお作画で週刊少年キング(少年画報社・刊)に'70~'72年迄連載された野球漫画をアニメ化。NET系列(現・テレビ朝日)で'71年10月6日から'72年3月29日迄全26話が毎週水曜午後7時30分から8時迄放送されました。

かつて高校野球で活躍するも自らの手で選手生命を断った青年・堂島剛が過疎の村で、社会からはみでた不良少年たちに野球を教えていくという物語。ほぼ人間離れした野獣ともいえるようなキャラクター達が強烈で、いまだに根強いファンのいる伝説的な作品です。

スポ根の要素が皆無と言う訳ではないのですが、むしろ野球部の創設に伴って起こる様々の人間模様とそれを通じた人間的成長を描いた作品となっていました。そのためか、実際のルールと異なるジャッジが行われることも少なくありませんでした。作品内容の多くは、閉鎖的な村の中で起こる村人と飯場の人間との対立や野球で一儲けしようと企む商人、その商人と村長との選挙を通じた癒着などの社会派ドラマに当てられていました。

なお、アニメは原作の途中までしか描かれていませんでした(泣)

主人公・堂島剛はもともと甲子園を制した超一流の野球選手でしたが、プロに入る直前に父親の拝金主義の餌食になるのに反発し、父の目前で自らの左手に割れたビール瓶を突き立て、二度とボールを握れない身体となります。こうして選手生命を断った堂島は恩師・ネギ先生の勧めで、四国・愛媛県松山の郊外に在る過疎の村・猪猿村で野球部コーチになる仕事を引き受けます。

ところが、猪猿村は単なる田舎というよりは文明以前の原始人が住むようなすさまじい無法地帯とも言うべき弱肉強食の掟に支配された場所であり、近隣の住民からは"アパッチ村"と呼ばれて恐れられていました。最初はよそ者を受け付けないアパッチ村の人々でしたが、次第に堂島を認めるようになり、共に甲子園を目指して奮闘していきます。

堂島 剛(声・野田圭一)は22歳。常に前向きで、何度も挫折を繰り返すもその度に立ち上がる根性の持ち主。野球を通じて社会のルールも知らない生徒達を人間らしく育てるべく奮闘します。サウスポーであるが右投げも可能でコントロールも良い。

岩城(がんじょう)千恵子(声・坪井章子)は岩城校長の孫娘。校長の運営する、村に一つしかない学校で小学生から高校生まで教えている教師。堂島に恋心を抱き、最終回では松山を去る堂島に同行しました。

岩城校長(声・富田耕生)は元教師で、村に高校が無い為に高校生を対象とした私塾を運営しています。常に堂島や生徒たちのよき理解者であり、後援者。

村長(声・永井一郎)は花子の父。小森のコネで票をまとめ、長らく村長の座に君臨していましたが、野球部創設に伴う様々の事件で小森と決裂し、落選。

小森(声・矢田耕司)はコウモリの父親。村に一つしかないよろず屋の主で村中に顔が利く。後に村長に就任。備品で儲けるためアパッチ野球軍を潰して新しい野球部を作ろうとした業突く張り。

ダム技師長(声・田の中勇)はマリの父親。東大卒。仕事柄家を空ける事が多いことからマリを一時不良にしてしまった事を悔いて、自分の元に妻と共に置く事にしました。ダム工事も滞っており、ダム工事現場者と村民を刺激しない為に中立を保っている。

網走(声・柴田秀勝)はテンガロンハットとチョッキ、腹に巻いたさらしがトレードマーク。ダム工事の飯場の主任の子でナイフ投げの名手。堂島への反発から野球に無関心の立場を貫いていましたが、実はプロの投手になるのが夢であり天才的素質をもつアパッチ野球軍のエース。

ハッパ(声・田中亮一)は団子っ鼻の小柄な少年。飯場のダイナマイト管理者の息子なので"発破"。堂島への反感からグラウンドにあった岩を飯場から持ち出したダイナマイトで爆破、堂島にも重傷を負わせるも、負傷した当の堂島から庇われそれ以後は彼に心酔します。

大学(声・森功至)は寺の息子でカッターシャツにズボン、学帽、眼鏡という唯一真っ当な学生の格好をしている生徒。あだ名が示すとおり真面目な秀才。当初は野球に関心を示さなかったものの少年野球に所属していた時代もあり、唯一の経験者であることを口走り半ば堂島に強引に参加させられました。

マリ(声・山口奈々)は尖った眼鏡をかけた茶髪のロングヘアーの女生徒。大学と同じく勤勉派。ダム技師長の娘で都内出身。都内在住時に不良グループに入った経緯で猪猿村に隔離されました。

材木(声・北川国彦)は木こりの子で、高校生ながら腕一本で病気の母親を食わせています。アパッチ野球軍のスラッガーで捕手を務める巨漢。

モンキー(声・大竹宏※~11話→田の中勇※12話~)は材木と同じく木こりの子。小柄ながらそのずば抜けた走力と身の軽さで堂島に「外野を一人で守れる」と言わしめた逸材。

オケラ(声・山田俊司)は上半身は常に裸。ダム派ではないが賭けに勝った際の戦利品である2本線の入った保護帽を常用。

モグラ(声・山本相時)は小さい頃落石で母親を無くしそれ以後飛んでくるもの全てを怖がっていましたが特訓で克服。

ダニ(声・野島昭生/加藤治)はごつい顔をしており、アニメの初登場シーンでは高い木を楽々と上り下りしてみせました。

コウモリ(声・はせさん治)は小森の息子で、学帽に狡猾そうな顔をした少年。何かと父親の権威を振り回して煙たがられています。

花子(声・桜井妙子)は村長の娘で村の子供達のまとめ役。初期から堂島に好意を抱いており何かと便宜を図っていました。

ダイコン(声・山本圭子)はころころした体型の三つ編みおさげの女の子。QL学園との試合では大飛球をフェンスに激突・負傷しながらもキャッチしてのけチームの心を一つにまとめました。

コケラ(声・菅谷政子)はオケラの弟で中学生。父が小森の圧力でオケラを小森の野球部に入れてしまった為、母がアパッチ野球軍に入れたという。


全話に渡り作者の故・花登筐氏が脚本を手掛け、主題歌も作詞。ジブリ作品で有名な高畑勲氏が演出を担当していました。野球アニメとしてはかなり破天荒な作品でしたが放送回数の少なさからすると真裏の「新・オバケのQ太郎」(日本テレビ系・'71~'72年)に対して劣勢だったか(泣)




$VBCテレビブログ放送-昭和を感じさせる作画

アパッチ野球軍の面々。昭和の田舎を思わせるいでたち(泣)今は田舎程ヘンにイキがってオシャレをしていたりします。/(C)花戸筐・梅本さちお・東映アニメーション






オープニング♪アパッチ野球軍 より。(一部携帯電話からは御視聴頂けません)ゴールデン帯でやるには、あまりにも濃過ぎるキャラクターデザイン!(笑)昭和のテレビは奥が深いわ!/(C)花戸筐・梅本さちお・東映アニメーション