選ばなかった理由 | つばめにのって ~肺腺癌との闘い~  番外編でチョコレート膿腫

つばめにのって ~肺腺癌との闘い~  番外編でチョコレート膿腫

2010年11月、母が肺癌宣告を受け、
ここから、これまでの恩を返す時間が始まりました。

そして2012年4月7日、母は永遠の眠りにつきました。

この経験がどこかで誰かのささえになれたらと思います。

番外編で、チョコレート膿腫のことも書いています。


母が旅立って半年になる。

今になって、たくさんの方の闘病記を拝見している。


どの方も病気に打ち勝つため

いろいろな治療法、手段を勉強しておられる。



このブログでは、

抗がん剤以外の治療法を書いていないが、


実際、母に勧めたことはない。

(黒にんにく、すっぽん、ハチミツは一緒に食べたけど→

医療系の仕事をしていて

西洋医学の力を信じる傾向にあるのはたしか


でも、代替療法や、免疫療法を否定しているわけではない。

知識がなかったわけでもない。



選ばなかった理由は「高額費用がかかること」。

これに尽きる。





もう定年退職した父と、ずっと専業主婦だった母に

使えるお金の額にはやはり制限がある。


母に全財産をつぎ込んでしまっては

父の生活が成り立たない。

母の病気がなおるなら、

治療費以外に生活費を2人分残しておかなければならない。


父は母を助けたい一心で

自分でいろいろ調べて、

たくさんのサプリメントを買い、母に飲ませていたので

西洋医学一本だったわけではないけれども、


限られた範囲で、出来るだけの効果を期待して選んだ治療法が

抗がん剤治療だったというだけ。


あと、その時々に、信頼できるドクターに出会えたから、

というのもあるかもしれない。


母は・・・代替療法、免疫療法・・・知っていたのか知らなかったのか

強く私に訴えることはなかった。



私自身、
命よりも大切なものはない、と思いながらも

全力で全部の治療法を試さないなんて

どこかで最初から諦めているのではないかと

自問自答したこともあった。


でも、ほかにも大事な命があった場合、

ひとつだけに重点をおくこともできない、

そういって納得する・・・

自分の中でその作業を繰り返していたように思う。





どの治療法を選んでも、いい面もマイナス面もあると思う。

代替療法には、実際に効くものがあるだろうけど

患者や家族の心の不安定さにつけ込んだ商法があるのは事実。

望みをかけて挑んだ抗がん剤治療が

かえって寿命を縮めてしまうこともある。

正解はどれかなんて、誰にもわからない。



いまも闘病されている方々が

自分に合った治療法に巡り合って元気になられますよう、

祈っています。