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日本海側の中核都市から車で30分程の町。ある環境調査員が生物調査に来ていました。
水田脇に肌の黒い町の人を発見。声をかけて見ることにしました。

調査員「お仕事中、すみません。○○という水田に生育する重要な植物を探しています。」

町人「○○?ここではありふれたもののようにおもいますが、重要なのですか。」

調査員「そうですね、全国的には少なくなってきております。」

町人「○○を見つけてどうするのですか。」

調査員「場合によって、移植しなければいけないかもしれません。」

町人「水田には○○以外にも△△などもありますが大事ではないのですか。」

調査員「そうですね。大事でないわけではないですが、保全する対象とはなっておりません。」

町人「例えば、○○を保全する意義として○○が生育できることで同様の生育環境に生育している他の生物も包含して保全できることがあると思いますが、移植するのでは○○しか守ったことにしかならないのでしょうか。」

調査員「おっしゃる通りです。現在ではいたしかない手段として移植で対応している側面があります。勿論、理想的には貴方がいうように特定の種だけではなく環境を保全して行くことを目指すべきと思います。」

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黒いマネキン「私はーマネキンとしてーこの電柱にくくられて10年以上、この水田を見てきました。この水田は、水田は見ての通り、4年ほど前から放棄され、既に水田としての機能を失っております。4年以上前はこのかつて水田だったものにも夏、水がはられてトノサマガエルがあちこちで泳ぎ回り、様々な小さい虫達で賑わっていたものです。川の反対側の田んぼを見てもらえますか。彼岸で帰省してきた人々が自身の子供を連れて水田脇を歩いて回っています。あれがこの町の水田の風景なのです。あの風景の中に○○がいるからこそ、○○の生育している意義があるのだと私は思います。開発にも意義があると思います。しかしながら、開発と環境との妥協点を見つけることが難しいことをゆめゆめ忘れてはいけませんよ。」

調査員「はい、分かりました。心したいと思います。」


町人だとおもっていた人はなんと黒いマネキンだったのです。
とても難しい宿題を貰ってしまいました。
しかしながら本質的な問題かもしれません。
今後時代はどのように変わってゆくでしょうか。


守秘義務がありますので普段こんな話はしません。ペタしてねペタしてね