日本最古から活用されているアニメーションの漫譜的表現 ☆ 最古と最新 | 日本アニメ視聴館  アニメ公式配信紹介

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今回はアイカツ!161話を観ていて、そういえば・・と思ったシーンがあったので紹介します。




タライが頭上に落ちてきたショックを☆で表現しています。

実際の感覚的にもチカチカする状態になることからショックを示す表現として
☆が描かれていました。マンガでいうと漫譜(形喩)的表現です。


実はこの☆の表現、
およそ100年前にあたる日本現存最古といわれている日本制作アニメ作品
「なまくら刀」で既に使われていた表現です。

簡単に「なまくら刀」について紹介すると正式名称は
「塙凹内名刀之巻(はなわへこないめいとうのまき)」。

制作したのは漫画家として活動していた幸内純一(1886年~1970年)。
かつて存在した映画会社小林商会から日本制アニメのパイオニアをかけて
1916年にアニメ映画の依頼を受け制作し、
1917年(大正6年)6月30日に東京浅草にあったオペラ館にて公開されたといわれています。

なお、同じ年の1月に天然色活動写真株式会社(映画会社)の依頼で
下川凹天が「芋川椋三玄関番の巻」を公開※。

5月に日活向島撮影所(日活)が北山清太郎制作「猿蟹合戦」をオペラ館で上映されたので
実質的には「なまくら刀」は日本3番目?の日本製商用アニメ作品になりますが
この3作品が同年での公開ということもあり、現在日本(商用)アニメのスタート地点もしくは
日本最古のアニメ―ション作品と位置付けられています。
※発表月は諸説ある

これまでにも幾度か日本最古のアニメ作品としてTVでも紹介されています。

「なまくら刀」は☆の表現(ちゃんと星も動いている)だけでなく、
登場人物の表情やワイプ(既に活用されている)、
さらにはデフォルメされたキャラクターデザイン、シルエット表現など・・
たった2分の短編映画ながら飽きさせない工夫が随所に盛り込まれていて
最初期のアニメーション映画にしては予想以上の出来の良さで驚きます。

YouTubeでもいくつか映像が見られるのでよかったらチェックしてみてください。
しっかり観たい人は東京国立近代美術館フイルムセンター館内
NFCコレクションでみる 日本映画の歴史の出品リストに「なまくら刀」が入っていますので
是非そちらでご覧ください。

☆が出ているシーンのフイルムコマ  錬金術師の蒐集戦略より

NFCコレクションでみる日本映画の歴史 東京国立近代美術館 フイルムセンター




日本の商用アニメ作品公開からもうすぐ100年を迎えようとしていますが
あらゆる表現手法を組み合わせてアニメも発展し続けているなかで
☆のような表現が今なお現役で活用されている表現描写を見ると
もしかすると100年近く前から永続性のある映像技術の可能性を秘めていたのではないか
と思わずにはいられません。

「アイカツ!」では あまり見ないようなお笑いネタシーンでの☆描写で
記さずにはいられなくなりましたw。

せっかくなのでアイカツ!161話もリンク貼っておきます。

「アイカツ!(4thシーズン)」 第161話 「大阪アイドルものがたり」 📺 バンダイチャンネル
※無料視聴は2015年12月7日17:59まで



2015年12月1日 追記
日本初の国産アニメ作品を制作した下川凹天の描いた漫画が
京都国際マンガミュージアムで開催中の「江戸からたどる大マンガ史」にて展示されています。

展示品は「ポンチ※肖像」表紙、第4次東京パック、
読売新聞日曜付録「読売サンデー漫画」、「男ヤモメの巖さん」(昭和6年元旦発行)を
見ることができました。 

開催場所は京都国際マンガミュージアム
料金は入館料のみなので展示観賞は無料
開催期間は2016年2月7日まで予定です。

※ポンチ絵・・・当時の風刺画を含む滑稽な絵
※展示の入れ替えで観られないことも考えられますのでその点ご了承願います

京都国際マンガミュージアム(別タブで開きます)

またよかったらブログ見に来てください。

それではまた(^^)ノシ。


参考
なまくら刀 錬金術師の蒐集戦略 なまくら刀の玩具フイルムを発見した松本夏樹氏のブログ

日本のアニメ全史 山口康男 編著

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