その20.キーワードはマルチーリオス | 南米・鳥獣虫魚・探遊

その20.キーワードはマルチーリオス

ミナス・ジェライス地方は、ゴールドラッシュのため住民が一気に増えた。その数は、10万人以上だったとされている。農牧業がないところでの人口の急増で、たちまち食料品が不足するようになった。このころ内陸部に入るための海岸地方の拠点は、サルバドール、ポルト・セグーロ、ペルナンブッコ、リオ・デ・ジャネイロ、それにサン・パウロだけだった。サルバドールやポルト・セグーロのバイア街道は、金の密輸を恐れた王家が封鎖してしまった。新大陸に出遅れたフランスとオランダは、しばしば海賊行為をブラジル海岸線で展開していたため、ペルナンブッコは政情不安定だった。リオ・デ・ジャネイロは、王家専属である。ミナス地方に食料を供給できるのは、唯一サン・パウロしかなかった。ヴィーラ・デ・ピラチニンガ、すなわち「干魚の村」の名から始まったサン・パウロは、ゴールド・ラッシュのミナス・ジェライス地方との商売のおかげで大繁盛し、後に南アメリカ最大の商業都市に成長することができた。


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現在のサン・パウロ市


ミナス地方の金が王家の占有となったため、サン・パウロのバンデイラスは、別の場所に進軍せざるを得なくなった。そこで甦ったのが、パラウパーバ伝説である。アニャンゲーラとビックードが出会った場所、すなわちマルチーリオス周辺は、彼らによって砂金が豊富であることが確認されていた。しかし、当時のバンデイラスには奴隷狩りが重要だったため、多くの金を掘らずにその地を去っている。マルチーリオス地点に到達できれば、大金持ちになれるはずだ。この時代のサン・パウロの住民は、マルチーリオスはパラウパーバ川畔の一地点であると、考えるようになっていた。バンデイラスは、より明確なキーワードとしてマルチーリオス地点の黄金を目指すようになった。


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美しいキジンギのカット断面


 お余談は、前回の続きでおレア宝石のお話し。この世でもっとも希少な石って何ですか? ダイアモンドなんて実は、売れないくらいたくさん産出する。そんな石がなんでぇ高けえかってえと、某陰謀機関が価格の統制を図っているからである。その価値を守るため、殺し屋すら雇うことがあるというウワサもある。ところで最近ロシアで大きな隕石が落ちたよね。隕石の一種にパラサイトってのがある。鉄ニッケルに、宝石になるオリビン(かんらん石)が入ったヤツ。パラサイトは隕石中のたった2%、さらに大型美麗ものはたいへん少ない。しかも、はるか宇宙の匂いがする。パラサイトのビッグ・ネームは、ブラジル・バイア州産のキジンギだ。オレは重さ54キロもあったキジンギを某牧場で拾ったオジさんにインタビューしたことがある(ホントのお話し)。もし隕石の中に入っていたオリビンを磨いて指輪を作ったら、カラットいくらで売れるかな?


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