台風の中の奇跡と感動 | アマノバイオリンスクール


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台風の中の奇跡と感動

~宮古島市ジュニアオーケストラコンサートを終えて~




宮古島市ジュニアオーケストラ事務局長 天野 誠




宮古島市ジュニアオーケストラは、8月6日にマティダ市民劇場・7日に沖縄県立芸術大学奏楽堂で世界的なチェロ奏者である林峰男先生と共にコンサートを開きました。また、8日には琉球大学教育学部を見学、大学生に交じって授業に加わったりミニコンサートをしました。


コンサート当日は台風9号が宮古と那覇の間をスピードを落としながら通過する直後となるため、宮古に朝10時前に到着する予定の林先生を乗せた羽田からの直行便が飛ぶことができるのか微妙な情勢で、共演する子どもたちや聴衆の皆様の期待感を想うとコンサート前夜は一睡もできませんでした。

しかし当日朝、直行便は宮古空港に着陸しました。それ以外の宮古発着の午前中の飛行機がすべて欠航する中、奇跡としか言いようがありません!本当にお恥ずかしい話ですが、空港の表示板が「ただいま着陸」になった瞬間、到着ロビーに迎えに行っていた妻と私は、人目もはばからず肩を抱き合って泣いてしまいました・・・。


林先生と子どもたちとのリハーサルは、到着から開演までの間に1時間程度しか取れませんでした。しかし、子どもたちは自信たっぷりで、ほど良い緊張感の中、持ち前の直観力と集中力を発揮し、しっかり濃密なアンサンブルをすることができました。宮古の子どもたちは本当に素晴らしい!

上級生にはいつも言っていることがあります。普段の彼らと私たちの関係は、「先生」と「生徒」つまり「師弟関係」ですが、オーケストラの時は「指揮者」と「演奏者」つまり「仲間」なのです。林先生と彼らも少なくとも演奏中は、「世界的な演奏家」と「音楽を学んでいる子ども」ではなく「独奏者」と「演奏者」であり、音楽の中では対等であり、今回もその中から多くのことを学んでいったのです。


ジュニアオケの子どもたちは、30年間東京でこの仕事に携わってきた私たちの目から見ても驚異的な進歩を遂げています。プロオケに比べればもちろんまだまだ発展途上ですが、少なくとも、「音楽すること」つまり、ステージから客席の皆様に音楽の感動を伝えること、言い換えるとステージからで今自分が輝き生きていることを表現することは、その辺のプロオケ以上に上手にできるようになったと思います。


終演後、団員たちが、ステージから退き袖に消えても長い時間お客様の拍手が鳴り止まず、再び団員全員でステージの前に立って並び、お辞儀したほどでした。子どもたちの「パーフォーマンス」が客席の皆様に伝わる。聴衆は温かい拍手でそれに応える。これが「音楽」です!沢山の拍手を本当にありがとうございました。子どもたちには何よりのご褒美です!


ご自宅に戻られた林峰男先生からも温かいメールをいただきました。

「先ほど6時頃帰宅しました。今回は皆にとって大変疲れる旅だったけれども、ジュニアのメンバーと一緒の舞台、緊張感、感動、すべてが他の悪条件を上回り、素晴らしい2日間でした。彼等の天野夫妻の下での成長が楽しみです。しかし、貴君夫婦は偉大だ!子供達は幸せだ!宮古の人々は幸せだ!天野夫妻を迎えて!本当に色々と有難う。峰男」


また、私たちのコンサートを4年前から必ずお手伝いくださっている、ビオラのA先生は、今年の春、難病から生還し、今回のコンサートに参加してくれました。彼女がブログによせた感想です。

「宮古の子供たちの成長力は毎年目を見張るものがあって、毎年絶対に『今年はどうなっているのかな?』と、確かめずにはいられない。常識や理屈の枠を超えたなにかがある。

形にするまでにとても時間がかかる弦楽器。たった、4年でどうしてこんなに上達するのか?

台風の中、色々なラッキーが重なり、今年の演奏会にも、宮古のこどもたちの頑張りが好きで、いつも応援している客演の仲間たちが1人として欠けずに、全員揃った!まさに奇跡!

本番もとてもいい雰囲気の中、無事に終わることができました。

一歩間違えば命がなかった状態で、その半年後に、また、こういう瞬間に立ち会うことができた。

普段は全然信心深くない私ですが、今日だけは、こう言わなくちゃ!

『本当に生きていてよかった!神様ありがとうございました!』」


また、当日来場くださった沢山の皆様からお電話、お手紙、メールを通じ、コンサートのあたたかい感想をいただきました。

「子どもたちの弾きっぷりに感動した」

「よく林峰男先生と合わせていた」

「ソリストの音色に涙が出た」・・・。


その中で、「次回のコンサートが決まったら、知らせてほしい」、「このコンサートのことを知り合いに教えたい」「気軽に感想を寄せられるようにしてほしい」とのお声もいただきました。

遅まきながらコンサートの感想をお寄せいただく用紙「感想の手紙」をつくりました。お電話・ファックス・郵送・メールいずれか方法でお送りいたします。どうか、たくさんのお声をお寄せください!


今年のコンサートも、宮古島のたくさんの皆様の温かい善意で開催することができました。心からお礼を申し上げます。

特に、台風の中日本全国から集まってくれた客演者や団員の那覇公演の航空券の手配に最大限のお心配りを下さった「地元のエア」日本トランスオーシャン航空宮古営業所には、最大の敬意を表さずにはいられません。

皆様本当にありがとうございました!


<「感想の手紙」用紙ご請求先> 

電話090-8685-7821 ファックス73-1340 メールmail@amano-violin.jp