【ITシロウトだから伝えたい、IT屋の素晴らしさ】
お蔭様で、4月に出版した書籍「新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!」(C&R研究所)の第4刷が決まりました。
改めて、応援してくださる皆様、販売してくださる書店の皆様、版元やデザイナーの皆様に御礼申し上げます。
ところで、私はいまでこそ「IT」なんてタイトルの本を書いたり講演やコンサルしていますが、
そもそもまったくの「ITシロウト」でした。
出身はIT業界ではなく自動車業界。
しかも情報システム部門ではなく、購買部門です。
入社4年目に、購買システム導入プロジェクトのメンバーになりました。
入社8年目に、海外マーケティング部門に異動して海外販売会社向けのシステムプロジェクトのメンバーになりました。
情報システム部もITベンダーもいわば「関係者」にすぎない存在でした。
いずれのプロジェクトでも、情報システム部門やITベンダーの評判は…
これまた最悪だった(苦笑)
「情シスはきちんと俺たちのことを考えてくれていない」
「スピード感がない」
「いい訳ばかりする」
「…だからIT屋はダメなんだ!」
上司も先輩も部下も文句たらたら。
そんな環境にあって、いつしか自分もIT屋さんを冷ややかな目で見るようになっていました。
でも、あるときふと思ったのです。
「本当に、IT屋さんってダメなの?」
自分たち、業務部門(ユーザー)の人間はいつも自分たちが正しいと思って一方的に主張する。
技術的な話しが出てくると、
「俺たちはITのことは良く分からないから、そこはお前らでなんとかしろ」
って開き直る。
(中には偉そうにふんぞり返る人も)
それでいいのか?
そんな身内に対して、
なんだか、
ムカッ腹が立ってきました(苦笑)
いや、正直言って、
ムカッ腹を通り越して不安になりました。
ひょっとしたら、自分たちはとんでもなく非常識な「裸の王様」になってしまっているんじゃないかって。
ITの世界では常識的なものの考え方を欠いてしまっているのではないかって。
「批判ばかりしていないで、自分たちがもっとIT屋さんに寄り添うべきなのでは?」
そう思うようになりました。
そんなある時、IT企業から中途入社のご縁を頂きました。
どうしようか相当迷いましたが、
「この際、ITの世界にどっぷり浸かってみよう!」
そう決心して飛び込みました。
ユーザーとして責めていた立場から、
ユーザーから責められる立場に華麗に変身!(苦笑)
そこでしみじみ感じました。
IT業界の、ITの世界の考え方や手法、仕事の進め方って素晴らしいなって!
だって、考えても見てください。
金融、航空、鉄道、物流、食品、電力、水道、ガス…
いまや農業や漁業だってITナシには成り立ちません。
日々私たちの生活や経済活動を支えているITとそのマネジメント手法。
凄くないわけがない!
ただ、
残念なことに
IT屋はその価値を世の中に伝えるのが苦手なのかもしれません。
いや、
もしかしたらITの世界のやり方、考え方が価値あるものだって認識を持っていないのかもしれません。
同じITの世界の中にいると「あたりまえ」になっちゃっていて。
で、その結果
IT屋は低く見られてしまう。
今日もまた、ユーザーからあーだこーだ言われてじっと耐えるのみ…
これって、
とっても不幸だし、
とてももったいない!
■IT屋のみなさん(あ、もはや私もその一人ですが(笑))へ
胸を張りましょう。
プロジェクトマネジメント、運用管理、セキュリティ管理…
私たちIT業界で使われているマネジメント手法や考え方は、とても有意義で価値あるものです。
一般の業務の改善や価値向上に大いに役に立ちます。
その強みを認識して、IT以外の現場でも役立てましょうよ。
一緒に、ITシロウトの人にIT屋の素晴らしさを発信しましょう!!
「IT屋なめんな!」
■ITを使う立場(ユーザー部門)のみなさんへ
IT屋さんの考え方、仕事のやり方、技術などに少し興味を持ってみませんか?
そして、ちょっと寄り添ってみませんか?
「IT屋に妥協しろ」と言っているのではありません。
プロジェクト管理のやり方とか、要件定義のやり方とか、運用管理のやり方とか、
自身の仕事に役立つ観点やヒントがたくさんあります。
それ、見過ごしちゃったらもったいないですよ!
私はこれからも、
ITの世界で生まれて、ITの世界で使われている手法や考え方を
広くあまねく世の中に伝えていきたい。
そう思います。
自身がITシロウトだったからこそ気づくことのできた、
IT屋の素晴らしさに感謝して…
2015年8月
「新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!」著者
沢渡 あまね
http://www.amazon.co.jp/dp/4863541708