予定日を少しすぎての誕生でした。
新生児室にいるときは、よく「おひなまき」にされていました。
なかなか泣き止まない赤ちゃんでも「おひなまき」にすると落ち着くことが多いのだそう。
10人ほど並んで寝ているなかで、一人か二人は巻かれていたのですが、たいていヒルマはそのうちの一人でした。
わたしと一緒にいるときはおっぱいから離れませんでした。
フラフラだったわたしに気づいた看護師さんが夜中に新生児室で預かってくれたのですが、ヒルマが泣きわめき1時間もせずに呼び出されました。
よく泣く子─
赤ちゃんだから当たり前と思っていましたが、今になって思えばほかの子よりよく泣く子だったようです。
* * *
さて、わたしはヒルマがほかの子とはちょっとちがうことに全く気づかず2才まで育てていました。
それはいま、こうして少し思い返しただけで涙ぐむほどツライ日々でした。
でも、当時はそれがフツウで、みんなこれを乗り越えているのだと思い込んでいたので、弱音を吐くことはできませんでした。
母子手帳の「子育てについて困難を感じることはありますか?」という問いの、「はい」を丸で囲んでも、
健診で気にかけてくれる保健師さんも医師もいなかったことからも、これがフツウなのだと思ったのです。
発達障がいの可能性にもっと早く気づいていたら─。
周囲からわたしのしつけが悪いと責められたけれど、それが発達障がいの特性なのだと知っていたら、どれだけ救われたか。
「もしかしたらうちの子も発達障がいかも」そんな不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
「これがフツウで、心配し過ぎと思われたら恥ずかしい」わたしは発達支援センターでの面談当日の朝までそう思っていました。
結果、そんなことに気をもむまでもなく発達障がいだったわけで、それはもちろん大ショックでしたが、でもおかげで進むべき道が見えました。
本当に、大丈夫なお子さまだっていると思います。
そうしたら、できれば、「ああ、うちの子は発達障がいじゃなくて良かった!」って安心するだけじゃなくて、
わたしたちみたいにその渦中にいて、あなたが感じたような不安と向き合って歩いている人がいることを忘れないでいてほしいと思うのです。
そしてわたしが今こうしてブログを書き続けている理由はそれだなあと、しずかに思うのです。