ある駅で、オヤジが怒って駅員に言ったそうだ。
「一体、いつになったら電車が動くんだ!!」
これを連呼していたらしく、周囲も「…」「・・・」
そして、「公共交通機関だろ、お前たち乗客のために運行させろ」
で、このしつこさに一人の青年が
「あんたね、公共交通機関だから、簡単に運行できないんだよ。
人の命を預かっているんだから、簡単に動かせないでしょうが!!
公共交通機関だからこそ、一人一人の命にかかわるでしょ!!
公共交通機関だからなんだよ」
…ここで拍手が起こったらしい・・・
よっぽどこのオヤジの言動に同じように待っている人たちがイラっとしていたのだろう。
「あんたは経験がないから知らないだろうけれど、
余震は一日二日はあるんだよ!!
阪神大震災を小さい頃経験したから、オレは知っているんだよ!!」
…オヤジ、ギブしたらしく駅員にクレームつけるのをやめたらしい。
さらにダメ押し。
「あんたね、自分の都合より一人一人の命のほうが大切だって、
わかってないね、こういうときほど、大切だよ!!」
・・・で、若いやつに説教されたオヤジは、
なにも言わず去っていったらしい。
・・・この話は、つくり話ではない。
昨日、1時すぎに、青年当事者から訊いた。
「こんな子に育てたつもりはない」
という言葉は、普通、どうしようもない子に使うが、
今回は、自分の子が、ここまで言えるのかという逆意味で。
彼は、よく私に言う。
「理不尽なこと、矛盾していることに対して、
どうしてはっきりモノをいわないのか」
けっこう勢いや立場でいえなくなってしまう。
この話を実母にしたら、
「おやおや怖いひとで、殴られたら、どうするんだろうね」
「ん、大丈夫、今まで喧嘩に負けたことないし、
ワルも、ぼこぼこにしているから、だから言えると思う」
・・・だけど、過剰防衛で罪に問われたら負けるはずだ。