ダイドー 190gブレンドコーヒー 30入
¥2,866
ゆっくんのお菓子倉庫ヤフー店


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「さ~て、何にするかな」


 自動販売機の赤く光るボタンを見つめながら高瀬は呟いた。


 うららかな小春日和の昼間、日差しは温かいがまだ少し風は冷たい。


「コーヒーにするか」


 ガチャン


「あちちちっ」


 火傷しそうなくらい熱せられた缶コーヒーはとてもじゃないが直ぐに飲めるようなものではなかったので、高瀬は仕方なくポケットの中へ入れて散歩をしながら少し冷ますことにした。


 職を失って3ヶ月、高瀬は職安からの帰り道であった。


「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ」


 公園のベンチでむせ返っている男を見つけ高瀬が程よく冷めた缶コーヒーを差し出す。


「グッグッグッグ、ぷは~」


「大丈夫ですか?」


「いや~、助かりました。飯を喉に詰まられちゃって……、あっ、すみません。せっかくの缶コーヒーを……」


「いえいえ、いいですよ」


「そういうわけには……」


 男が財布を取り出し中身を確かめる。しかし、生憎、その中には細かいお金が無かった。


「……そうだ。お礼といってはなんですがこれをどうぞ」


 男がバックから取り出したのはコーヒー豆のパックであった。


「あっ、いえ、そんな……」


「是非、受け取ってください。安売りしてたのでちょっと買いすぎたくらいなんですよ」


「はぁ……」


 あんまり断るのも返って失礼になるので高瀬はそれを受け取った。


 こうして『缶コーヒー』は『特売のコーヒー豆』となって高瀬の元に戻ってきた。



【マイルドなストレートコーヒー豆】コロンビアスプレモ200g 焙煎度:ミディアム
¥735
センチュリー・フレンド


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もう、お察しでしょうがこれは『わらしべ長者』の現代版です。


しかし、ただ現代版にしてもつまらないので、とことん『コーヒー』にこだわってみました。


とりあえず今日は1ステップです。


今後、1本の缶コーヒーがどう化けていくのか?