塾から見た部活考・・・・これでいいのか・・・ | 宮城県大崎市の学習塾、進学塾「あるふあゼミナールのブログ」

塾から見た部活考・・・・これでいいのか・・・

春らしい日が続いて、学校ではいよいよ部活が

盛んになっているようで、午後七時からの塾に

誰も現れない・・・・10分遅れてようやく一人

遅れたことのない生徒だ・・・疲れきっていて

みんな来るまで少し休むか?と声をかけると

無言でバタンと目を閉じる・・・遅れること

20分して二人・・・部活は何時まで?ときくと

七時まで・・・直行してくれたのだ。

二時間目の開始に合わせてまた二人・・・。


本当にこれが文化省のいう「過度な塾通い」に違いない。


授業を始めるものの生徒達は疲れきっていて

目もうつろ、あいているのがやっとという様子である。

英文を読んだり、声を出したりと工夫をしながら

学習をどうにか続けるのだが、あまり複雑な事は

できようもない・・・・


休み時間部活のことを話し始める・・・今度の日曜

大会がそれぞれにあるようである。テニスは小島杯・・・

朝早いんですよ・・・仙台の川内コートだね・・そんでね

小学校のスポ少でやってきた一年生が強いんです・・

などとぽつぽつと話す内容はとても身につまされる

ものなのだ・・・・。


スポーツは優劣を競うものである・・とはいえ、条件が

同じならいいのだが、小学校から練習してきた人と

中学校から始めた人とでは初めから差がでる。

そうすると二年や三年の先輩であっても弱い人は

レギュラーにもなれなかったりすることがしばしば

あるのである。人気のサッカーなどでは特に多い。

三年間毎日練習してきて試合では控え・・・というのだ。


先生方もそれなりに配慮してメンバーチェンジに

組み込んだりいろいろ工夫はするのだが・・・・。

勝つチーム、勝てるメンバーという考えが最近

特に強くなっているようなのだ。そこで小学校から

スポ少などで習ってきたような下級生が入ってくると

ドンドン追い越されるという現象が見られるように

なってきたようである。全員部活動に所属しなければ

ならないことになっているので、追い越される先輩に

してみれば、行き場のない部活が毎日続くことにも

なる。(そういえば最近中三になって部活が終わると

仲良しだったと思われた同じ部活の友達の輪が

バラバラになったりする傾向がしばしば見受けられる)


学校の部活動としてどうなのだろうか・・・とおもう。

せめてレギュラーを決めたら、他の人の負担は

思い切って軽減するとかの配慮があってもいいかと

思うのだが、練習は同じなのだ。〔全員参加だから〕


昔はもう少し様子が違っていた様に思う。

三年生は三年生で次年度へのつなぎで二年生が

一人二人入る程度でどのチームも構成されていた。

一二年生が強くても・・・今年の三年チームは弱いから

とはいっても・・それで試合に負けても来年は・・・と

なっていたのである。最近では先輩、後輩などと

強調する一方で、いざ試合となると先輩、後輩の

枠が簡単に壊されてしまう・・・勝つために・・・・

そうすると小学校からの経験の差が、中学校の部活に

持ち越され、教育熱心な保護者は小学校からその辺を

見越してスポ少などに意を注ぐ事にもなる・・・。


どこか学校教育とは異なるベクトルが混じっている

のではないだろうか・・・と思うのだ。

学校の部活動の場が、平等なようでいて実は極めて

理不尽な場となってしまってはいないだろうか・・・。


小学校の頃からの英才教育を否定するものではないが

中学校の部活という、表面全員参加の平等の場で混在

してしまうところが、どこか違うのではないか?

そのことが中学生の心に重い陰を落としてはいないだろうか・・


そこにはいわば安上がりに全てを学校という制度に

盛り込んで済ましている制度的な問題点があるのでは

ないだろうか・・・こんなに激しく部活動にエネルギーを

注ぐのであれば、指導するスタッフも、指導理論を

しっかり身につけた人が当たるべきなのだが、学校の

教師は、部活動で教員免許を得たのではないから

力量は様々である。地域でスポ少指導にあたる人も

同様である。むしろもっと予算をつぎ込んで優秀な指導者を

養成することから始めるべきだし、学校教育なのか

社会教育なのかもっと明確にし、多様な選択性があるように

しないと、子供達が制度の下で呻吟しているのではないか・・

そんな気がしてならない。

これで本当にスポーツなのだろうか・・・子供達が部活動の

陰で、肉体的のみならず、精神的にも疲れ果てている

のではないだろうか・・・・塾という裏側から見るとそれが

痛くよく見えるのである。過度な塾通いですか?これも・・・